RME Babyface Pro FSを使ってまず感じるのは、音の透明さとフラットさが一段違うことです。
余計な色付けがなく、とにかく判断しやすい音。ヘッドフォンでもスピーカーでも見え方が安定していて、「ひとつの基準」と自然に思える音質です。
PRISM SOUND Titan、UA Apollo X、Antelopeとも実際に聴き比べ、Neumann M149を使った録音比較もしています。
ドライバの安定性やTotalMixも含めて完成度はかなり高いです。AIFでは珍しく、時間が経っても古びず、評価が積み上がるタイプだと感じています。
一方で、ApolloやAntelopeのように専用DSPプラグインで積極的に音を作るAIFとは方向が違います。Babyface Pro FSは、音をしっかり見ながら安定して作業したい時にやっぱり強いです。
※本記事は2020年のレビューをベースに、2026年加筆修正しました。
目次
RME Babyface Pro FSの音質レビュー|透明さ・定位・フラットさを実機評価
Babyface Pro FSの音を聴いてまず出てくるのは、やっぱり「クリア!」という感覚です。
派手なキャラクターを足す方向ではなく、音の輪郭や定位がきっちり見えます。This is flat!という感じの、RMEらしい音です。
Babyface Pro FSのヘッドフォン音質|細部と定位が見えやすい
まずヘッドフォンから聴くと、とってもクリアです。
しかもただ硬くて細いわけではなく、瑞々しい。やっぱりRMEってすごいなあと感じます。
特に定位がすごくきっちり聞こえます。ピシ!ピシ!っと音の位置が見える感じ。
ヘッドフォンでミックスの粗探しをするには、かなり強いAIFだと思います。
Babyface Pro FSのモニターアウト|癖が少なく低域まで確認しやすい
続いてモニタースピーカーから聴いても良い感じです。
ローもしっかり出てきますし、変な癖も感じません。
個人的にはヘッドフォンの方がRMEの良さを分かりやすく感じますが、スピーカーでもかなりモニターしやすいです。
Babyface Pro FSとTitan・Apollo X・Antelopeの音質比較
Babyface Pro FS単体で聴くだけでは分かりにくいので、手元のハイエンドAIFとも交互に聴き比べています。
Babyface Pro FSとPRISM SOUND Titanの音質差|滑らかさとモニターアウト
PRISM SOUND Titanと交互に聴き比べても、方向性の違いはあれど、音をキャプチャーするクリアさではBabyface Pro FSも引けを取りません。
ここは素晴らしいです。
ただ、モニターアウトに関してはTitanには流石に届かないかなと。
Babyface Pro FSは輪郭がパリッと見える方向ですが、Titanにはさらに滑らかさがあります。というか、Titanが異常に良すぎるんだと思います。
価格差を考えれば当然でもあります。それでも、このサイズのBabyface Pro FSでここまで明確に音を判断できるのはやっぱりすごいです。
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Babyface Pro FSとApollo X・Antelopeの違い|RMEはモニターしやすい
Apollo XやAntelopeと比較すると、僕はBabyface Pro FSの方が若干モニターしやすく感じます。
特にヘッドフォンの方が違いは分かりやすいです。
ヘッドフォンミックス主体なら、RMEはやっぱり良いなあと!
Apollo XやAntelopeには別の強みがあるので、ここは用途と好みでかなり変わります。
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Babyface Pro FSの録音音質|Neumann M149でApollo X・Antelopeと比較
出音を聴いたところで、次は録音です。
内蔵マイクプリを使ってアコギを録音し、Apollo X6とAntelope Discrete 8 Synergy Coreで録ったファイルも並べて聴き比べます。
録音条件|Neumann M149・Logic Pro・Pluginなし
マイクはNeumann M149。Babyface Pro FSの内蔵マイクプリを使い、Logic Proでアコギを2トラック録ります。
リズムには付属ループを使い、録音したギターにはPluginを一切かけていません。
比較音源は録音した日がそれぞれ別なので、マイキングには若干差が出ています。その点はご了承ください。
それでも、3機種の方向の違いはかなり出ています。
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Babyface Pro FS・Apollo X・Antelopeの録音音質差|RMEはクリアで輪郭が明確
いやー、RMEは録音の音もクリアな方向です。
カチッとしてます。
Apollo Xはどしっとしてふくよかな感じ。Antelopeはどしっとしつつ、ハイもスッと伸びている感じで、色気も感じます。
3者3様、かなり個性的です。
RMEは色を足すより、入ってきた音をクリアに、きっちり捉えるところに強みを感じます。
Apollo XとAntelopeは、この音からさらに内蔵DSPプラグインの掛け録りで大きく音色を変えられるのもポイントです。
RMEはそこではなく、クロック、アンプ、ドライバの安定性、そしてこのクリアな音に強みがあります。
RME Babyface Pro FSのドライバ安定性|Macで一発認識
RMEを使う理由は音だけではありません。
専用ドライバを入れて本体をMacへ接続すると、一発OK!問題なく認識しました。
RMEはとにかくトラブルが少ないです。動作も安定しています。
これは以前使っていたFireface 800の時にも、しみじみ感じていたメリットです。
音が良いだけでなく、こういうところまで含めてRMEはよく作り込まれています。
RME TotalMixの使い勝手|Babyface Pro FSを選ぶ大きな理由
Babyface Pro FSでは専用ソフトTotalMixも使えます。
このソフトがRMEの心臓です。
ぱっと見はフェーダーがずらっと並んでいるだけですが、使い方が分かってくると手放せないくらい便利です。
特にFireface UCXのように入出力ch数が多い機種では、TotalMixの恩恵はかなり大きいです。
Babyface Pro FSだと、そこまで細かく使わない場面もあります。
それでも内蔵DSPでEQやリバーブをかけられますし、一通り使い方を覚えておくとやっぱり美味しいソフトです。
購入当時、TotalMixの使い方はこちらの解説動画も参考になりました。
Babyface Pro FSは最大4ch同時録音できる?アナログ入力を実機確認
Babyface Pro FSはXLRのマイク入力が2chですが、ライン/Hi-Z入力を含めた3〜4chも同時録音できるのか実際に確認しています。
結果として、ちゃんと最大4ch同時録音できます。
- ヴォーカル(マイク録音)
- アコギ(マイク録音)
- エレキギター(Hi-Z/ライン録音)
- エレキベース(Hi-Z/ライン録音)
このように2本のマイクと2系統のライン/Hi-Zを組み合わせた小規模な同時録音に使えます。外部マイクプリを使えば、3〜4ch側へマイク信号を入れる構成も考えられます。
マイキングを絞ればドラム録音へ使う余地もありますが、ここは実際にドラムで検証したわけではありません。
Babyface Pro FSとApollo X・Antelopeの違い|音質・安定性・DSP運用
この3系統は、単純な価格や機能数だけでは決めにくいです。
実際に使うと、それぞれ使いたい場面が違うんですよね。
Babyface Pro FSはモニター音質と安定性を重視する時に強い
RMEはこの価格でこのヘッドフォン音質が手に入ることが、やっぱり素晴らしいです。
ドライバも安定していますし、音を派手に演出するより、しっかり判断するための基準を作りたい時に強いAIFだと思います。
僕自身、今は単純なコスパより、この役割が長く残ることをRMEの価値として見ています。
ポチップ
掛け録りとDSPプラグインならApollo・Antelopeが強い
Apollo XはUADプラグイン、Antelopeは専用プラグインを使った掛け録りが強力です。
録音時点から積極的に音色を作りたいなら、この2系統はやっぱり面白いです。
Babyface Pro FSにもTotalMixのDSP機能はありますが、ApolloやAntelopeのように専用プラグイン群でヴィンテージ系の質感まで作っていく方向とは別です。
ポチップ
ポチップ
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Babyface Pro FSの現在評価|発売当時から変わった判断軸
2020年にこの記事を書いた時は、Apollo Twin XやAntelopeとの価格差や入出力数、付属DSPまで含めて「コスパ」をかなり強く意識していました。
発売当時のBabyface Pro FS|コストパフォーマンスでは割高にも感じた
当時はApollo Twin XならUADプラグイン、Antelopeならより多い入出力と専用プラグインがあり、機能を価格で割るとBabyface Pro FSは少し割高に見えていました。
当時の感覚をそのまま残すと、コストパフォーマンスだけなら次の順に感じていました。
ANTELOPE>APOLLO TWIN X >RME Babyface Pro FS
一方、「実際にどれを使いたいか」では評価が変わり、当時からBabyface Pro FSとApollo Twin Xは役割が明確で、長く残りやすい機種だと感じていました。
RME Babyface Pro FS=APOLLO TWIN X >ANTELOPE
現在のBabyface Pro FS評価|価格より制作の基準として残る
2026年現在は、発売当時のコスパ順位をそのまま判断基準にはしていません。
競合も市場も変わりましたが、Babyface Pro FSの透明さ、定位の見え方、ドライバの安定性、TotalMixという強みは今もそのまま残っています。
なので今は、「機能が何個多いか」より、制作中に迷わず判断しやすいことをBabyface Pro FSの価値として大きく見ています。
使い続けて見えた良いところ・気になるところは、別記事でまとめています。
RME Babyface Pro FSを使い続けてわかった良いところ・気になるところはこちら👇
DTM DRIVER!
RME Babyface Pro FS|使い続けてわかった良いところ・気になるところ | DTM DRIVER!
RME Babyface Pro FSをしばらく使い込んで見えてきた良い点と気になる点をまとめた追加レビュー。実際の使用感ベースでリアルに解説します。
Babyface Pro FSをPCオーディオで使う|解像度と細部の見え方
DTMだけでなく、PCオーディオのリスニング用として見てもBabyface Pro FSはものすごくクオリティが高いです。
音楽を細かく聴く、という点ではやっぱり強いです。
解像度が高く、特にこういう細かな音がよく見えます。
逆に、レコードのようなアナログライクな音ではありません。
パリッとした感じです。ただ、全然痛い音ではないです。
解像度はそのままに、もう少し柔らかさや滑らかさが欲しいならPRISM SOUNDの方が向いていると思います。
PRISM SOUND ( プリズムサウンド ) / Lyra2 サウンドハウス
RMEが少し味気ないと感じる場合は、もしかしたら求めている質感はPRISM SOUNDの方かもしれません。
PRISM SOUND Titanの使用レビューはこちら👇
DTM DRIVER!
Prism Sound Titanレビュー|音質・モニター・録音を実機で検証 | DTM DRIVER!
Prism Sound Titanを実機レビュー。モニター音、AKG C414 XLSを使った録音、マイクプリ、API 512C経由のライン入力を検証。Apollo X・Discrete 8との比較音源から実際に感…
RME Babyface Pro FSの入出力・操作・基本機能
Babyface ProとBabyface Pro FSの違い|クロック・アンプの変更
前機種Babyface Proと見た目はほぼ一緒です。
末尾にFSが付いていますが、クロック周りやアンプ部分などがアップデートされています。
RME Babyface Pro FS サウンドハウス 
FSはフェムトセカンドの略で、発売時にはクロック精度の向上が大きく訴求されていました。アンプ部分のオペアンプも変更されています。
Babyface Pro FSの入出力|XLR・Hi-Z・ヘッドフォン・MIDI
右サイドにはヘッドフォン出力とライン/Hi-Z入力が2系統。ミニプラグ用のジャックもあるので、イヤフォンでも使えます。
逆サイドにはUSB、MIDI、デジタル入出力、DC端子があります。PCに繋いで使う場合はUSBから電源供給されます。
背面はXLRのイン/アウトが2chずつ。非常にシンプルです。
上面は大きなエンコーダーとボタンを中心にした構成です。本体だけでも基本操作ができます。
Babyface Pro FSのDIMボタン|モニター音量をすぐ下げる
右下のDIMボタンを押すと、音量が20dB下がります。
スピーカーやヘッドフォンの音量を一瞬で下げたい時に使える、地味ですが便利な機能です。
DIMはディマーの略で、REC卓でも見かける操作です。使い続けた中での便利さについては、長期レビュー側で詳しく扱っています。
Babyface Pro FSのUSB接続・専用ドライバ
購入当時はRMEの専用ドライバをインストールし、PCを再起動してから本体を接続しました。
僕のMac環境では、その手順で問題なく認識しました。対応OSや現在のドライバは、使用時点の公式情報を確認してください。
Babyface Pro FSのサイズ・筐体・付属品
Babyface Pro FSの重量は680g|コンパクトに持ち運べる
筐体は細かいラメのような、少しザラザラした金属です。
見た目よりズシリとしていて、安っぽさはありません。
重量は680g。見た目の割には重さがありますが、本体がかなりコンパクトなので持ち運びもしやすいです。
Babyface Pro FSの付属品・開封記録
ここからは2020年に購入した時の開封記録です。写真も残っているので、付属品と一緒にまとめておきます。
まずは箱。
外箱は包装されています。
包装を解くとマニュアルが出てきます。かなり分厚いです。
本体は専用ケースに入っています。
ケースを開けると、本体は不織布に包まれています。
付属ケーブルはUSBが2本とMIDIケーブルが1本。
僕にとってはFireface 800以来、約5年ぶりのRMEでした。
まとめ|RME Babyface Pro FSは音質・安定性・TotalMixまで完成度が高い
RME Babyface Pro FSのレビューでした。
Titan、Apollo X、Antelopeとの再生比較、M149での録音比較までやっていますが、やっぱりRMEはよく作り込まれています。
一番大事な音が良いですし、特にヘッドフォンでの分離と定位の見え方はかなり強いです。
そこにドライバの安定性とTotalMixまで付いてくる。制作環境の基準として、かなり完成度の高いAIFだと思います。
掛け録りで積極的に音を作るならApolloやAntelope、もっと滑らかなモニター音が欲しいならPRISM SOUNDという選択肢もあります。
それでも、透明でクリア、パリッとしていて判断しやすいこの音と、安定した運用をまとめて欲しいならBabyface Pro FSはやっぱり強いです。2026年現在も評価が変わりにくい理由はここだと思います。
ポチップ
最後までお読みいただきありがとうございました!