RUPERT NEVE DESIGNS Portico 511のレビューです。
実際に使ってみると、ガシッとした芯がありつつ、柔らかさもあるマイクプリアンプです。
音が滲まず、フワッとした質感もある。Old Neveのイメージとはかなり違いますが、汎用性が高く、かなり使いやすい音だと思います。
今回はNeumann U87を使い、API 512C、Chandler Limited TG2-500、Portico 511を実際に録音して比較しました。SILK / TEXTUREによる変化も含めて5ファイルあります。
*2020年の記事をベースに、2026年の知見を加えて加筆修正しました。
目次
RUPERT NEVE DESIGNS Portico 511の音質レビュー|柔らかいのに芯がある
Portico 511を使ってまず感じたのは、柔らかいのに音がぼやけないこと。
フワッとした質感はあるんですが、芯はしっかり残ります。
ガシッとしつつも柔らかい。
音が滲まず、包み込むような優しさもあるのに、芯とパワー感はちゃんとあります。
Old Neveのイメージとは全然違いますが、かなり汎用性が高い音色だと思います。
Portico 511のSILK / TEXTURE|音質はどう変わる?
Portico 511には、RUPERT NEVE DESIGNSらしいSILKボタンとTEXTUREつまみがあります。
これを使う前は、TEXTUREを上げていくと単純に高域が強くなっていくのかなと思っていました。
TEXTUREを上げると音はどう変わる?
実際に録音してみると、予想していた変化とは逆でした。
つまみを回していくと単純に「高域が強調されていくのかなー?」と思ってましたが、逆に高域はオケに馴染んでいくように聴こえます。
その分、ギターの輪郭が全体的に太くなっていくような、力強さが増すような変化に感じます。
SILK / TEXTUREは「抜け」より「音像」が増す
機能としては中高域の倍音を増やす方向ですが、聴感上はまさしく「シルキー」になっていく感じ。
僕の感覚では、「抜け」が増すというより「音像」が増す感じの方が近いです。
個人的にはTEXTUREつまみは1/4くらい回したところがちょうど良いかなと。ここは好みですね。
一台でここまで音色を動かせるのは楽しいところです。
Portico 511をAPI 512C・Chandler TG2-500と実機比較
Portico 511だけで聴くより違いが分かりやすいので、手元にある500シリーズのマイクプリとも比較しました。
左から、
の3機種です。
さらにPortico 511だけ、SILKをONにしてTEXTUREを半分まで回したものと、全開にしたものも録りました。
合計5ファイルで比較します。
Neumann U87で録音した5つの比較音源
比較ではアコギを録音しています。
比較音源の録音条件
マイクはNeumann U87。
オーディオインターフェースはPrism Sound Titanを使っています。
アコギは2トラック録音して、パンで左右に振っています。
リズムとベースはLoopcloudのサンプルで組み立てました。
録音したファイルにはプラグインを一切かけていません。ノーコンプ、ノーEQです。
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RUPERT NEVE DESIGNS Portico 511
Portico 511 SILK mode / TEXTURE Half(つまみ半分)
Portico 511 SILK mode / TEXTURE Full(つまみ全開)
Chandler Limited TG2-500
API 512C
Portico 511・API 512C・Chandler TG2-500の音質の違い
実際に同じ曲の中で聴き比べると、3台の違いはかなり分かりやすいです。
Chandler Limited TG2-500|ヴィンテージ感のある音
Chandler Limited TG2-500は、やっぱりちょっとヴィンテージっぽい感じがします。
Portico 511とはかなり方向が違いますね。
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API 512C|抜けが良く軽やかな音
API 512Cは抜けが良い音。こちらも今まで使ってきたイメージのままです。
ドシっと聴かすというより、軽やかに羽ばたくような音色をしています。
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Portico 511|柔らかいのに芯がある
その2台と比べても、Portico 511はやっぱり柔らかさと芯の両方を感じます。
音が滲まず、フワッとした優しさがあるのに、パワー感もちゃんと残る。
このバランスがPortico 511の良さだと思います。
Portico 511の使用感|汎用性が高く使いやすいマイクプリ
実際に使ってみても、使い勝手がとても良いマイクプリアンプです。
定番っぽい音がしっかりしてますし、欲しい帯域をきちんと拾ってくれます。
Vo録音もそつなくこなしてくれます。
そこからSILK / TEXTUREで少し質感を動かせるので、使える幅も広いです。
Portico 511の機能|GAIN・TRIM・HPF・SILK / TEXTURE
GAINとTRIM
GAINはクリック式の6dBステップになっています。
TRIMは無段階のポテンショメーター式。こちらで細かく調整します。
最大72dBまでゲインを稼げるので、ゲイン量にもかなり余裕があります。
ハイパスフィルター(HPF)は250Hzまで使える
ハイパスフィルターは250Hzまでローカットできます。
かなり上まで切れるので、ハイハットを録る時なんかにも使いやすそうです。
その下にSILKボタンとTEXTUREつまみがあります。
前半の音源で比較した通り、ここを動かすとPortico 511の質感がかなり変わります。
Portico 511に必要な500シリーズのランチボックス
Portico 511は500 Series規格のモジュールなので、単体では使えません。
別途500 Series対応のランチボックスが必要です。
RUPERT NEVE DESIGNS R6 サウンドハウス
ランチボックスが一台あると、好きな500シリーズモジュールを差し替えて使えるので便利です。
僕はAPI製のランチボックスを使っています。
Portico 511は500 Series規格なので、対応する500 Seriesラックで使えます。
購入した当時は、電源部分の違いでも音が変わるという話があり、API製よりRUPERT NEVE DESIGNS製のラックを評価する声も見かけました。
RUPERT NEVE DESIGNSとは?
RUPERT NEVE DESIGNSは、音響回路設計者ルパート・ニーブ氏が立ち上げたメーカーです。
ニーブ氏は長いキャリアの中で、さまざまな音響メーカーや機器設計に関わってきました。
- Neve Electronics
- FOCUSRITE
- AMEK
- RUPERT NEVE DESIGNS
Portico 511は、そのRUPERT NEVE DESIGNSが500シリーズ向けに作ったマイクプリアンプです。
RUPERT NEVE DESIGNS / Portico 511 サウンドハウス
Portico 511の外観・付属品
ここからは2020年に購入した時の外観と付属品です。
箱を開けると保証書。
この時はブラックフライデーセールを利用し、サウンドハウスで購入しました。
マニュアルやカタログ類。
付属品はランチボックスに固定するためのネジが2本です。
本体は白ベースに赤と紺のつまみ。
このデザインはかなり好きです。
Portico 511を新品購入した個体の側面にはかなり傷があった
一つびっくりしたのが、本体側面です。
新品購入なのですが、側面にはかなり傷が付いていました。
サウンドハウスの購入者レビューにも、目に見えない部分の傷についての書き込みがありました。
かなりケガキ線が走っています(笑)
スロットに挿してしまえば見えない部分ですが、最初にこれを見るとちょっとびっくりしますね。
RUPERT NEVE DESIGNS Portico 511は買い?
音質、SILK / TEXTUREの変化、他の500シリーズとの比較まで含めて、Portico 511はかなり使いやすい一台だと思います。
柔らかいけど音が滲まない。芯もある。そこからTEXTUREで少し質感を動かせる。
このバランスの良さがPortico 511の魅力です。
ポチップ
購入した2020年当時は、500シリーズの中では比較的リーズナブルな価格帯でした。
ランチボックスで何台かマイクプリを揃えていくなら、入れておいて損はない一台だと思います。
もう少しオーガニックな方向なら、Chandler Limited Germ 500 MkIIもあります。
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まとめ|Portico 511は柔らかく芯のある500シリーズマイクプリ
Portico 511は、柔らかいのに芯がある。この感じが一番分かりやすい特徴だと思います。
SILK / TEXTUREを使えば、そこからさらに質感を動かせます。
RUPERT NEVE DESIGNSはやはり音のキャラに一貫性がありますね。
本当に気持ちの良い滑らかさやムチムチ感があります。上品で、強い。
マスタリング用のバスコンプを2026年現在も愛用し続けていますが、やっぱり同じ質感を感じます。
最後までお読みいただきありがとうございました!