API512Cマイクプリアンプのレビューです。
昔レコスタで使用させて頂いた時の記憶はとても鮮烈でした。
ヘッドルームが高いのかドラムRECではよりオープンなサウンドに。
アコギでもエアー感が気持ちよかった思い出のマイクプリ。
比較音源もご用意しました!
*2020年の記事をベースに、2026年の知見を加え加筆修正しました。
目次
マイクプリ界の巨頭、API
マイクプリといえば、Neveが一番有名かと思います。
しかし「あえて伝統的なメーカー3つを挙げろ」と言われたら、
英SSLと並び間違いなく米APIがその一角に躍り出るでしょう。
API ( エーピーアイ ) / 512C サウンドハウス
今回レビューする512Cの原型マイクプリは元々コンソールに搭載されていたものです。
Neveも一緒ですね。
それを現在はさらに使いやすく進化させています。
API 6-slot lunchbox (6B-HC) サウンドハウス
こんなボックスに個別に差し込むことで使用します。ちょっと変わってます。
EQやコンプも差し込めるので、自分好みのチャンネルストリップを作れます。
しかも持ち運びがしやすい!
現在では他社メーカーもAPI規格のモジュールを多く販売しています。
CHANDLER LIMITED Germ 500 MkII サウンドハウス
チャンドラーリミテッドとかNeveコピーとか実に多種多様。
この規格を作り業界標準として浸透させたのも、APIの大きな功績の一つでしょう。
いつかびっちり好きなモジュールで埋めたいです。
CHANDLER LIMITED Germ 500 MkIIの記事はこちら👇
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箱開封
それではレビューを!
箱です。
新品で購入しましたが、すでに何度か開封されたような跡が(笑)
海外製品はこういうことよくあります。チェックでもしたのでしょうか。
そして中からはこんなケースが!
カンカンです。
なんだろう。チョコボール世代なのでそこはかとない懐かしさを覚えます。
チョコボールはお菓子の方のチョコボールです。
裏は購買意欲をさらに掻き立てるようなモジュールたちがプリント。
写真がとてもオールディです。
オープン!
クッションをどけると、きました!本体!
タグを見るだけでテンションぶちあがり。
うおー、API2520が眩しい!!
API2520はディスクリートオペアンプで、音声増幅をここで行います。
APIサウンドの心臓部。アンプの要。
アウトプットのトランス。金属膜でシールされているのがAPIっぽいです。
インプットトランス。
コントロール部分は非常にシンプルです。
ゲイン、位相反転、ファンタム、パッド、マイクとラインの切り替えスイッチ。
前面にマイク用のXLR端子もありますが、ランチボックス背面にも入力があります。
シンプルながら、非常に洗練されています。美しいデザイン!
Neumann U87でマイク録音
DTM DRIVER!
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ということで、マイク録音で音色の比較テストをしてみます!
マイクはNeumann U87をチョイス。
比較用のマイクプリはWARM AUDIOのNeveコピーWA-73EQ。
10万円台前半でしっかりとしたNeveサウンドを鳴らしてくれる逸品です。
あと、オーディオインターフェース直の音も録音してみました。
オーディオインターフェースはANTELOPE Discrete 8 Synergy Coreです。
付属のマイクプリを使用します。
楽器はアコギを2トラック、左右にパンで振っています。
リズムはLOGIC Xの付属ループ。
プラグインはEQやコンプなど一切入れていません。
とったままの音をフェーダーで音量揃えています。
ANTELOPE Discrete 8 Synergy Coreのレビューはこちら👇
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API 512C
WARM AUDIO WA73-EQ(Neveコピー)
Discrete 8のオーディオインターフェース直
感想
おお!それぞれで違いが出てます!!
API512Cはやはりというか、ハイが張り出し、音に伸びがある気がします。
爽やかながら、太くがっしりした音色。
WARM AUDIOのNeveコピーも音の抜けが良く!全帯域が綺麗に出ているイメージ。
オリジナルNeveの代名詞「シルキーさ」も感じます。
マイクプリなしの直インターフェースは他2つと比べると少しくぐもって聴こえますね。
マイクプリアンプがあるとやはり音が良くなるようです。
そしてU87はやっぱりいいマイクです、、、。
WARM AUDIO WA-73EQのレビューはこちら👇
DTM DRIVER!
WARM AUDIO WA-73EQレビュー|NEVE 1073タイプの音質と中身を実機で検証 | DTM DRIVER!
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ラインアンプとしてもテストしてみる
APIといえば「音がカラッとする」とよく評されています。
ということで、ラインでも音がどう変化するのかチェックしてみました!
先ほどの音源のドラムをモノラルに変えて、ドラムをAPI512Cに突っ込みました。
ドラムの質感が変わっているはずです。
元の音源
ドラムリアンプ
感想2
若干ですが、、、確かに変化しているように感じます!
モサっとした感じが確かにカラッとした良い音にまとまっています。
ただ、僕が使い方をよくよわっていないのか、、、
ラインで音を送るとノイズが多いんですよね。
音を送っちゃえば気になりませんが、マイクプリほどS/Nがよくありません。
ラインとHI-Z入力が共有なのが影響しているのかも?
それとも僕のシステムのせい、、、?
一応ラインでも使えるとマニュアルにはあるのですが、、今後の課題。
そしてAPI2500へ通してみる
DTM DRIVER!
API2500レビュー|音源付きで試すパンチーなステレオバスコンプ | DTM DRIVER!
API2500の実機レビューです。VCAタイプのステレオバスコンプレッサーとしての音質、THRUST、KNEE、LINK、SHAPEなどの機能や音源比較をまとめています。
そしてAPI512Cで録音した音源を先日導入したAPI2500(ステレオバスコンプレッサー)にさらに通してみる実験。
API祭りです!
API 512Cでアコギ録音したファイル
さらにAPI 2500でコンプをかけたファイル
感想3
さらにむっちり隙間が埋まり音が太くはっきりします。サイコー
ポチップ
アコギの感じがすごく「それっぽく」なってくれます。
ミックスをちゃんとやれば更によくなりそう。APIはコンプもかっこいいですね。
API2500実機 uv UADプラグインの記事はこちら👇
DTM DRIVER!
API2500実機とUADプラグイン比較|音源で聴くバスコンプの違い | DTM DRIVER!
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APIがロックやパンクに愛される理由
APIが好きな方といえば、ロックやパンクをやってるイメージが強いです。
勝手なイメージですが、事実多い気がします。
実際使ってみると「なるほど!」と改めて納得。
API2500のステレオバスコンプもですが、音のカラーがとてもはっきりしています!
わかりやすい!
元気で、パンチがあって、華やかで、それでいて耳に痛い訳でもない!
絶妙なカラーです。
これがロックやパンクによく合うのだろうな、と。
Neve系はもっとしっとり、どっしり、こちらの方がオールマイティーに感じます。
ただAPIは好きな人にとても刺さる。
僕にも刺さる(笑)
やっぱり一台は持っておいて正解でした。
API ( エーピーアイ ) / 512C サウンドハウス
エレキギターを録音してみたいですね。
ランチボックスを一台買ってしまえば、
2台目以降のAPIモジュールは比較的リーズナブルだと思います!
このクオリティーで10万台の完全プロ仕様な機材もなかなかないです。
ただ、沼にハマる危険度はMAXにあがると思うので、そこだけ懸念点、、、。
APIはEQも絶品です👇
DTM DRIVER!
API 5500レビュー|音源付きで試すパンチーなステレオアナログEQ | DTM DRIVER!
API 5500の実機レビューです。API 550B系ステレオEQとしてのパンチ感、RANGE機能、2520オペアンプ、API2500との組み合わせや音源比較をまとめています。
高い動作電圧で音が歪みにくいのも大きな特徴
APIサウンド肝、2520オペアンプ
また、少し専門的な話になりますが、
API2520ディスクリートオペアンプは両電源±12〜20Vで駆動します。
ランチボックスでは±16Vが供給されています。
プラスマイナス16V。
これがどんなものなのかというと、
単電源換算で+32Vで動いているのと一緒になります。
ちなみにNeveは+24Vで駆動します。
動作電圧が高いほど、入力レベルに対して音が歪みにくくなります。
ドラムやエレキギターと非常に相性が良いと言われるのもこんな部分にあるのかも?
また動作電圧が高くなると、よりオープンな感じに音が響く傾向も。
抜けの良いサウンドの秘密はここにもあるのかもしれません!
実機のNeveやSSLと音質比較した記事はこちら👇
DTM DRIVER!
NEVE vs SSL vs API|実機アウトボードで音の違いを比較してみた | DTM DRIVER!
Neve 33115、SSL9000、API 512C、API 2500+5500、Chandler TG2-500、Rupert Neve Designs Portico 511を実機で比較。各アウトボードを通した音の違い、質感、キャラクター…
よりAPIの音の性格がわかると思いますのでご参考ください!
512Cにはアウトプットつまみがない点だけ注意
ゲインノブのみでアウトプットノブはなし
512Cはゲインノブのみでアウトプットボリュームがついてません。
そのため、ゲインをあげてアウトで絞る、みたいな積極的な音質変化コントロールはしづらい機種です。

API ( エーピーアイ ) / 512v サウンドハウス
オペアンプをドライブさせてさらに積極的に音作りをしたい場合は、512Vの方がいいかもしれません!
512Cも十分気持ちいですけれど!
まとめ
APIのマイクプリアンプ512Cのレビューでした。
ポチップ
音質ももちろん一級品ですが、
なんと言っても
- ランチボックスに組み込むことでの可搬性の高さ
- EQやコンプとのチェーンカスタムの柔軟性
- プロ機の中では比較的入手しやすい価格(高いですが!)
が何より魅力的なアイテム!
抜けの良いサウンドを求める方には間違いないマイクプリかと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!