Chandler Limited TG2-500の使用レビューです。
フレッシュなヴィンテージ感が売りのTGシリーズのマイクプリアンプ。
今回レビューするのはAPIの500サイズ規格互換のTG2-500です。
マイク録音も試してみました。
APIやNeveコピーマイクプリとの比較音源も用意しました。
*2020年の記事をベースに、2026年の知見を加えて加筆修正しました。
目次
結論|TG2-500はこんなマイクプリ
- ヴィンテージ系の中でも「空気感と奥行き」が強いタイプ
- APIのカラッとした抜け、Neveの太さとは違う“まとまりと深さ”
- ゲインの組み方で音が変わる=使いこなす楽しさがある機材
「とりあえず良い音がする」よりも、音を作りにいくタイプのマイクプリ。
Chandler Limited TGシリーズ
Chandler LimitedのTGシリーズは英EMI/アビーロードスタジオにあったTGコンソールを再現した製品。
TGコンソールは後期The Beatlesや、Rolling Stones、Pink Floyd作品で使用されていた名デスクです。
マイクプリの他にも、
CHANDLER LIMITED TG12413 ZENER LIMITER サウンドハウス
コンプ/リミッターがあったり、
CHANDLER LIMITED TG12411 Channel サウンドハウス
EQ付きのチャンネルストリップがあったり。
CHANDLER LIMITED TG2 BACK TO BASICS サウンドハウス
代理店がモディファイした日本限定のTG2もあります。
CHANDLER LIMITED TG2-500 サウンドハウス
僕が購入したのはこれ。
APIのランチボックスに挿して使用します。
価格的にはまだ一番手軽にChandler Limitedユーザーになれるアイテム、、、!これでも高い。
本体はこんな感じ
ということでレビュー開始です。
API500サイズなのでとても小さいです。デザインも渋くてかっこいい。
後ろに飛び出たカートリッジをランチボックスに差し込みます。
挿したらこう。
ようやくAPI512C以外の500マイクプリが増えました。
操作する部分はあまりありません。
トップのCOARSE GAINは5dBステップのロータリースイッチになってます。
カチカチ回って固定されるやつ。
FINE GAINは-10〜+10の合計20dBをトリムできるつまみ。
こちらは無段階のボリュームトリムになってます。
二つのつまみを合わせると最大で60dBゲインを稼げます。
で、ここに興味深いポイントが。
この2つのつまみの組み合わせ方で音色の変化を楽しめる様なんです!
例えば同じ45dBのゲインでも、
FINE GAINを+10dBマックス、COARSE GAINを+35dBの合計45dBと、
FINE GAINが0dB、COARSE GAINを45dBにした合計45dBでは音の質感が違うのだそう。
これは後ほど録音で試してみます。
さて、続きましての機能を。
インピーダンスをスイッチで300オームと1200オームに切替られます。
カチカチ変えるととりあえず音量が変わりますね。
あとはマイク/ライン切り替えスイッチ。
説明不要ですね、、。
一番したのつまみでアウトの量を調整します。
基本は上二つでゲインを稼ぎつつ質感調整し、アウトで絞るのが良さそう。
そして最下段にフェイズスイッチとファンタム電源のみ。
非常にシンプル。
あ、DI入力はありません。
ここが、唯一残念、、、。ベース録音とかにすごく良さそうなのになー。
それはラックタイプでやってくれということなんでしょう。
と、いうわけで早速電源に火を入れ録音をしてみました!
NEUMANN U87でマイク録音してみる
DTM DRIVER!
NEUMANN U87ai 実機レビュー|プロの基準になる“完成された録り音” | DTM DRIVER!
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アコギをマイクで録音してみました。
今回マイクはNEUMANN U87を使用しました。
オーディオインターフェースはPrism Sound Titan。
アコギは2トラック録音し、左右にパンを振ってます。
リズムはLogic Xの付属ループ音源。
録音ファイルにプラグインは挿していません。
EQコンプはなしで、フェーダーのみで何となく音量を合わせています!
前述の様にTG-2 500は、COARSE GAINとFINE GAINの組み合わせで音が変わる様なので、
同じゲインで3パターン試しに録音してみました。
比較用のマイクプリに、
API512Cと、Neveコピーのwarm audio wa73-EQを使いました。
それでは並べて聴いてみましょう!
warm audio wa73-EQの記事はこちら👇
DTM DRIVER!
WARM AUDIO WA-73EQレビュー|NEVE 1073タイプの音質と中身を実機で検証 | DTM DRIVER!
WARM AUDIO WA-73EQの実機レビュー。NEVE 1073タイプとしての音質、中身のパーツ構成、ライン入力でのドライブ感やEQの効き方を音源付きで実体験ベースで整理します。
TG-2 500 COARSE GAIN+50dB FINE GAIN-5dB
TG-2 500 COARSE GAIN+45dB FINE GAIN 0dB
TG-2 500 COARSE GAIN+35dB FINE GAIN+10dB
API512c
warm audio wa73-EQ
感想
おー、マイクプリが違うとこうも音が変わるんですねー!
まずTG-2 500ですが、一つ目のファイルCOARSE GAIN(赤いつまみ)を+50dBまであげたファイルは、サーっとノイズが乗ってしまってます。
一つ目のファイルのセッティング
逆にCOARSE GAIN(赤いつまみ)を+35dBまで下げてFINE GAIN(真ん中のつまみ)を+10dBにあげたファイルはS/Nはそこまで気になりません。
3つ目のファイルのセッティング
基本的にFINE GAINはマックス上げ切った状態から音量調整をしていくのが良さそうですね。
COARSE GAINを大きく上げるとノイズが上がりやすいですが、これは機材の問題というより、ゲインとアウトのバランスは美味しいところを上手に使ってね、ってことなのかなと思います。
音色はマイルドで暖かで奥深い、正にヴィンテージトーンな雰囲気!!
この質感たまらんです。欲しかった通りの音色!
そして確かにFINE GAINの上げ下げで音色が変わりますね。
ゲインが上がるごとに低域の量感が増えてガシッと歯応えのある音に。
アコギも良いですが、ボーカル録音にもめちゃハマります。2026年現在これ使いまくってます。
API512cはやはり抜けがよく、カラッとしてます。夏を感じます。
弦のキラッとしたところが良く浮かび上がってきますね。
warm audio wa73-EQも改めてよくできているなーと思いました。
めっちゃ太いのに抜けも良い。素晴らしい。
この3つの中では一番バランスが良い音に感じました。
何にでも、どんな場面でもこなしてくれそう!
同じ500シリーズのAPI512Cの記事はこちら👇
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安心して使えるヴィンテージアンプ
と、TG-2 500はこんな音色をしていました。
ヴィンテージな音色、と言っても様々なヴィンテージ品があります。
ただ、どれにも共通しているのは音を取り巻く空気感が抜群な点、、。
ポチップ
ただ単に「音が綺麗」や「抜けがいい」では測れない「良い音」があるから、マニアはヴィンテージものを買い集めてます。
ただし、ヴィンテージ品はメンテナンスで散財したり、常に故障のリスクと隣り合わせでもあります。
僕個人としては、2026年現在からヴィンテージものに手を出していくのはちょっと大変だなと思います。
その点、Chandler Limited製品はとても安心して使えますよね。
新品なのにヴィンテージ。
あとはまた在庫が増えてくれればいいんですけど。
ポチップ
一生物の価格ですが、ラックバージョンもおすすめです。
ヴィンテージ機材のリスクや大変さについてはこちら👇
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TG2-500が向いている人
- 音に“雰囲気”や“奥行き”を求める人
- APIやNeveにもう一つ軸を足したい人
- 録り音でキャラクターを作りたい人
- ヴィンテージ感は欲しいけど安定運用したい人
TG500とヴィンテージマイクプリを比較している記事はこちら👇
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まとめ
Chandler Limitedの音は胸を熱くしてくれます。
徐々に買い足してしまうこと請け合い、、なほど、個人的にどストライクなマイクプリ。
最後までお読みいただきありがとうございました!