ず〜っと気になっていたマスタリング用のコンプレッサー、RUPERT NEVE DESIGNS Portico II Master Buss Processorをゲットしました(;´༎ຶД༎ຶ`)
これがあればもう、なんでもできる!
という噂を方々から見聞きしていたので、実際使ってみてどうだったのか、、、
まだ全然使い込み切れていませんがレビューしてみます。
目次
とても自然に、素直に、ダイナミクスをコントロールできる!
まず音色ですが、通すだけで音が変わるのかな?と思っていましたが、ほとんど色は付かない素直な出音。
ネットの記事で、通すだけで音が変わりすぎてマスタリングでは使えないとプロの方の意見があったので不安でしたが、僕の耳では全く問題になりませんでした。
単にクソ耳なだけかもしれませんが、、、
出音はとても素直、というかミックス音源をそのまま出してくれる印象です。
RUPERT NEVE DESIGNS ( ルパート・ニーブ・デザイン ) / Portico II Master Buss Processor サウンドハウス
参考までに他の手持ちコンプと比べてどうか
NTP179-160という少々マニアックなマスタリング用のコンプで申し訳ないんですが、比べてみますと、RNDの方が音色は素直ですね。
NTP179-160も透明系なコンプなんですけど、こちらの方が音色に癖があります。
ただとっても微々たるもので、、、、
両方とも通すだけで劇的に音色が変わるようなことはありません。
ここいら辺がマスタリングコンプの特色ですね(´⊙౪⊙)۶
とにかく機能が豊富すぎて困るくらい、、、
なんでもできる。
というのもあながち大げさではなく、ダイナミクスコントロールに関しては十分すぎる機能が満載です。
一番左のゲインで入力音声をコントロールしつつ、スレッショルド、アタック、リリース、レシオでいい塩梅のグルーブ、音圧感を狙っていきます。
ここいら辺はどこにでもある基本的な項目。
マスタリング用コンプらしく、つまみはクリック式なので設定をメモしておけば再現性もバッチリ。
Blendつまみでパラレルコンプが可能
それに加え、
Blendつまみで元の2ミックスとコンプした2ミックスを混ぜる割合を変えることができます。
パラレルコンプってやつですね(´◔౪◔)◞
Ozone9とかのダイナミクス系プラグインには普通にある項目ですけれど、ハードでもこれができるのはとても助かります。
というか、最高。
より細かい質感調整が可能に。
ちょうどいい具合にヤーっと持っていけます。
125HzサイドチェインボタンをONして低域のリダクションをスルー
僕的に一番マストであって欲しかった機能が、低域へのリダクション反応をスルーできる設定。
前述のNTPにはこれがない、、、。ヴィンテージ系なので仕方がないですけれど。
Portico II Master Buss Processorには125Hz以下への反応をスルーできるボタンがついています。
低域は一番音のエネルギーの割合が集中している箇所。
ここに無駄にコンプが引っかかってもらっては、ミックスの状態を保ったまま綺麗に音圧を上げていくのが難しくなります。
キックやベースに引っかかって欲しくない!時に非常に便利。
SILKボタンで倍音を付加!積極的な味付けが可能
RUPERT NEVE DESIGNSの専売特許とも言えるSILK機能。
今回この機種で初めて体感することができたのですが、思ったよりもシルクではなかった模様、、、(`・ω・´)
柔らかで絹のような滑らかさ、というよりも結構がっつりとしたドライブ感がプラスされる感じに思います。
昔のNEVE卓に音を突っ込むとこんな感じになる、というオマージュでもあるのでしょうか。
曲にもよりますが、僕は青のやつが好き。
赤いモードは結構男らしいサウンドに変化します。
Textureつまみで、こちらもドライブ感をブレンドできます。
ハード機材でつけたい出音の変化はここでやってね、というNeveさんの提案を感じます。
SFEで音場までコンロール出来てしまう!
SFEというなんだかよく分からないコーナーもこちらの機材には搭載されています。
どうやらステレオフィールドエディターの略なようで。
M/S調整ができるよってことみたいです。
ウィドス(Width)はステレオ音像の広がりの増減(より広くからモノラルまで)を操作します。レコーディングに含まれているアンビエンス量の調整にも使用できます。ノブをワイド方向に回した場合、左右チャンネルの差異成分が強調され、しばし結果としてアンビエント量を増やすことになり、ステレオリバーブにアクセントを加えることができます。逆にモノ方向に回した場合はステレオ感は狭まり、もし左右チャンネルの内容が統一のとれたもの(例えば2つのチャンネルがほぼ同じ素材で位相もずれていない内容)の場合、モノラル成分は一層強調されます。もし、片方のチャンネルの入力信号が逆相であった場合、モノラル(ステレオの中心に定位される)成分は打ち消されます。これはウィドスコントロールによるステレオ効果の量が、元素材に含まれているステレオ情報量とステレオフィールドエディターの他のコントロールとの相互作用によって得られるからです。最良の結果を得るためには、実際にその効果を確認しつつ操作を行うことをお勧めします。
デプスコントロールは奥行き感を操作するためのつまみです。センターに定位したソロ楽器やボーカルをミックスの中でもう少し前面にする際に便利です。また多くのケースでは音楽に悪影響を与えることなく、それらの成分をカットすることも可能です。デプスとウィドスを組み合わせることで、ミックスのルームアンビエンスと奥行きを調整できます。
ただ上記の公式説明にもあるように、M/S(ミッド/サイド)ごとにコンプ処理をする、という従来(定番)のものとは違います。
どちらかというとEQですね。
M/SのEQ。
ステレオ感や、ミックスの重心の調整がこれによって簡単に出来ます。
びっくりするくらいステレオが広がります(笑)
グリっとつまみを回すと超不自然になるほど効くので、ほんのりかけるくらいでワイド感でます。
Depthの方もほんのりいじるとグッと音源に腰が出て、とても良い機能!!
この部分だけでも単体で売っていいくらいミックスの調整に役立ちます。
Ozone9と連携させて役割分担をさせると極上
Portico II Master Buss Processorにはリミッターもしっかり搭載されていますが、僕は現状使っていません。
コンプ部分だけでレシオも低めにほんのりリダクションさせる程度。
出音は素直と書きましたが、コンプの感じはやっぱりハード機材、最高です。
無段階な感じ、と言いましょうか、すごく落ち着く絶妙な粘り気が加わります。
そこにSILKとSFEも合わせれば、RND印の極上な質感に(;´༎ຶД༎ຶ`) 〜!!
そして出音をそのままPCに戻し、Ozone9で参考音源をリファレンスしながら、音圧をがっつり上げていきます。
iZotope ( アイゾトープ ) / Ozone 9 Advanced サウンドハウス
もうね、これがすごく楽しいです、、。
たまりません。
Ozoneも9にバージョンアップしてから動作が軽くなったので、リアルタイムに取り込んだ音にも、割れなく反応してくれて嬉しい、、。
改めてOzone9も素晴らしいなと。
Tonal Balanceもこんなに便利だとは思わなかったです、、、。
-視覚的にマスタリングの正解をガイドしてくれるTonal Balance-
Advancedにして正解でした。
iZotope Ozone9 ダウンロード版 (Advanced 通常版)
ハードのマスタリングコンプは買って正解だったか?
ハードのマスタリングコンプ。買って正解だったか?
はい。大正解です!
正直、コスパは悪いと思います、、、。
ただ、それを超える満足感があります。
そして操作感や音の質感の変化の仕方、これは2020年の今においてもプラグインにはない圧倒的な優位性だと思います。
つまみをどれくらい回せば、どれくらい変化するのか。
なぜだかやっぱり、ハードの方がこの具合が把握しやすいのです。
不思議な話なんですけれども(`・ω・´)
RUPERT NEVE DESIGNS ( ルパート・ニーブ・デザイン ) / Portico II Master Buss Processor サウンドハウス
まとめ
RUPERT NEVE DESIGNS Portico II Master Buss Processor。
噂に違わぬ現代の名器でありました。
ManleyのVari-muもずっと候補に入っていたので、とても迷いましたが、、、。
いつかそちらも、、、ゲットしてみたいものです。
とはいえ、Portico II Master Buss Processorにも若干の不満点がありましたので、
次回はそちらについての記事を書かせていただきます!
お読みいただきありがとうございました。
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