APIのEQ実機とUADプラグインを比べる実験をしてみました。
実機にはAPI5500、プラグインにはUAD API Vision Channel StripのAPI系EQを使っています。
実際に比べてみると、思っていた以上に似ていました。
よく聴くと違いはありますが、EQをかけた時の音の変化はかなり近いです。
一方で、音の厚みや音像の大きさは実機、手軽さや柔軟性はUADという違いも感じました。
さらに、セッティング後の音だけを比べると極端な差ではないのに、実機を操作している時は音の変化がかなり分かりやすいです。
今回は3つの設定を作り、実機とUADを同じ設定にして音源で比較します。
目次
API5500実機とUAD API Vision Channel Stripを比較
今回比較するのはAPI5500とUAD API Vision Channel Stripです。
API ( エーピーアイ ) / 5500 サウンドハウス
API5500は、API550Bの設計をベースにした4バンドEQを2ch搭載したラックタイプのEQです。
API ( エーピーアイ ) / 550B サウンドハウス
5500には、ブースト/カット量を×1、×0.5、×0.25の3段階で切り替えられるRANGEスイッチがあります。
これによって、2ミックスやマスタリングなどで細かく調整しやすくなっています。
API5500実機の詳しいレビューはこちら👇
DTM DRIVER!
API 5500レビュー|音源付きで試すパンチーなステレオアナログEQ | DTM DRIVER!
API 5500の実機レビューです。API 550B系ステレオEQとしてのパンチ感、RANGE機能、2520オペアンプ、API2500との組み合わせや音源比較をまとめています。
UAD側はAPI Vision Channel Stripの550Lを使用
UADプラグインはAPI Vision Channel Stripを使用します。
本当なら550B単体をモデリングしたプラグインと比較できれば分かりやすいのですが、当時UADでは単体の550Bがリリースされていなかったため、チャンネルストリップ内のEQを使いました。
UAD側に搭載されているのは550Lです。
API公式では、550Lは550Bのコンソール版とされています。
550Bは500シリーズのランチボックスなどに挿して使うモジュール、550LはAPI Visionコンソールに組み込まれる4バンドEQです。
今回の比較では、この550LをAPI5500と同じEQ設定にして聴き比べます。
完全に同じ構成を比較しているわけではない
今回の比較には一点、条件上の違いがあります。
UAD側は550Lだけの単体プラグインではなく、API Vision Channel Stripの中に組み込まれたEQです。
画面上でも入力ゲインやアウトプットを含むチャンネルストリップとして構成されているため、API5500実機と550Lだけを完全に1対1で比較した実験ではありません。
どこまで結果へ影響しているのかはこの実験では切り分けていませんが、その条件も含めて実際に聴き比べた記録として見てもらえればと思います。
なお、現在のAPI Vision Channel Strip Collectionには更新版とLegacy版があり、機能や出力段のモデリングも異なります。この記事は実験した当時の環境での比較です。
同じ設定で実機とUADを3パターン比較
今回元となる音源はこちらです。
別記事で使用したLoopcloudで組んだ音源です。
これをAPI5500に通し、セッティングを変えたものを3パターン作りました。
その設定と同じUAD版も3パターン作っています。
ファイルはすべてフェーダーで音量を揃えています。ピークを目安にしています。
APIの設定その1
EQの設定その1です。
元のファイル
API実機パターン1
API UADパターン1
APIの設定その2
EQの設定その2。
元のファイル
API実機パターン2
API UADパターン2
APIの設定その3
EQの設定その3。
元のファイル
API実機パターン3
API UADパターン3
実機とUADを聴き比べた感想
比べてみて驚いたのは、思っていた以上に似ていたことです。
よく聴くともちろん違いはありますが、音が変化するキャラクターはAPIそのものと感じました。
パターンによってはかなり深くEQしましたが、そこも同じような方向へ音が伸びました。
一方で、音の厚みや音像の大きさは実機の方に感じます。
手軽さや柔軟性はUADです。
ただ、音質に関しては大きな差はないと感じました。
それでも、この小さな違いが制作の中では大きな差になることもあるのかもしれません。
このあたりは簡単に答えを出しづらいところです。
API2500バスコンプレッサー実機とUADプラグインを比べた記事はこちら👇
DTM DRIVER!
API2500実機とUADプラグイン比較|音源で聴くバスコンプの違い | DTM DRIVER!
API2500実機とUAD API2500プラグインを音源付きで比較した記事です。バスコンプとしての質感、音の輪郭、Mixつまみの使いやすさや実機との違いを検証しています。
実機を触るとプラグインの使い方も変わる
実機を触ると、UADの凄さや使い方が前よりも分かるような気がしています。
ここまで挙動が似ていると、他のコンソール系プラグインもいろいろ試してみたくなります。
プラグインなら実機の故障を気にせず、極端な設定も試しやすいです。
ポチップ
まとめ
API5500実機とUAD API Vision Channel StripのEQを比べてみました。
一番印象に残ったのは、かなり似ていたことです。
深くEQしても音の変化する方向は近く、セッティングした後の音を聞き比べると極端な差ではありませんでした。
ただ、実機はいじっている時の音の変化の仕方が物凄くわかりやすいです。
完成した音だけでは大きく離れていないのに、操作している途中の感覚には違いがあります。
音の厚みや音像の大きさは実機、手軽さや柔軟性はUAD。
どちらも使えますが、僕はやっぱりアナログが好きかなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!