Neumann Gefell CMV563を実際の録音でかなり頻繁に使っています。
僕の中ィンテージの真空管マイクですが、単純に古い音がするわけではありません。
とても暖かい。
でも、モコモコしているわけではなくクリアさもしっかりあります。
そこに少し枯れたようなヴィンテージの質感が乗る。
U47に近い方向のマイクとして語られることも多いCMV563ですが、僕にとっては「U47の代わり」というより、CMV563自体が普通に主力になるマイクです。
目次
CMV563を実際に使って感じる音質
-3パートを組み立てて一つにします-
CMV563の音色は、とっても暖かいです。
ただ、その「暖かい」がモコモコした音ではない。
クリアさもしっかり残っています。
その上で、少し古びたような、枯れたような質感がある。
この感じがたまりません。
アコースティックな曲や、少しヴィンテージ感を出したいパート。
中域をどしっと響かせたいソースにもかなり使いやすいです。
僕は実際の録音でも頻繁に使っていて、M149と合わせて主力にしています。
U47と比べるとCMV563はどう違う?
CMV563は、海外でもU47に近い質感のマイクとして語られることがあります。
実際にU47とCMV563を比較した動画もあります。
比べて聴くと、さすがにU47の方が腰があって、パワーも感じます。
やっぱりすごい。
ただ、CMV563も方向性はかなり近い。
同じ音というわけではありませんが、暖かさや中域の存在感、少し枯れたような質感には通じるものを感じます。
僕が使っているCMV563にも、まさにこの方向の音があります。
U47の完全な代替というより、同じ方向にあるヴィンテージマイクという感覚です。
CMV563はM7カプセルを使える
CMV563の面白いところが、マイクカプセルを交換できる構造です。
僕が使っているのはM7カプセル。
-伝説のマイクカプセルM7-
U47も初期にはM7カプセルを採用していました。
その後、1950年代末にM7からK47へ変更されています。
K47はM7と同じ音響設計をベースにしながら、振動板の素材などを変更したカプセルです。
なので「U47はM7なのかK47なのか」という話は、どちらかが間違いというわけではなく製造時期による違い。
そしてCMV563ではM7カプセルを組み合わせて使えます。
僕が実際に気に入って使っているのも、このM7を組み合わせた状態です。
CMV563の内部を実際に開けてみた
この記事を書く時に、初めてCMV563の内部をケースから出してみました。
ケースを開けると、すごく古い香りが鼻をかすめます。
封入されていた時代が肺を満たす感じ。
構成はシンプルですが、見ているだけで面白い。
ヴィンテージのドイツ製機材でよく見る抵抗やフィルムコンデンサーが並んでいます。
この四角い部品がアウトプットトランス。
僕はこのトランスとM7カプセルも、CMV563の甘く存在感のあるヴィンテージサウンドに大きく関わっているんじゃないかと思っています。
あくまで実物を見ながらの僕なりの推測ですが、この構成を眺めているだけでもヴィンテージ機材は面白い。
僕が使っているヴィンテージCMV563の真空管はEC92という型です。
これは当時のCMV563で使われていた真空管。
現在Microtech Gefellが販売しているCMV 563 – M 7 Sでは、EC92ではなくEF86が使われています。
どこのメーカーの球なのか確認したかったのですが、周囲のスポンジがかなり劣化していました。
無理に触って壊すのも嫌なので断念。
球が完全にダメになるまでは、このままオリジナルの状態で使おうと思っています。
こちらはマイクカプセルと本体をつなぐ部品。
本体側へ差し込みます。
すべてつなぐとこの状態。
専用電源もかなりゴツいです。
この辺もヴィンテージ機材らしくてイカします。
CMV563を実際に入手した方法
ヴィンテージのCMV563は、普通の楽器店でいつでも買えるような機材ではありません。
僕が手に入れたのはeBayです。
国内の中古市場でも出てくることはありますが、数はかなり少なめ。
この記事を書いた当時は、U47と比べればかなり安く入手できました。
当時の中古相場感では、U47の4〜7分の1くらい。
もちろん、それでも安いマイクではありません。

Beautiful Vintage CMV563 with M7 Capsule with spare tube | eBay
ヴィンテージ機材を探すなら、eBayのほかReverbなど海外の中古市場も候補になります。
ただしヴィンテージ品なので、カプセル、真空管、電源、内部状態まで含めて個体差はかなり意識した方がいいです。
CMV563は現在も新品で入手できる
僕が所有しているのはヴィンテージのCMV563ですが、このモデルの系譜は現在も続いています。
Georg Neumannが1928年にベルリンで創業した会社は、第二次世界大戦中に生産拠点をGefellへ移しました。
戦後の1947年にはベルリンで別のNeumann社が設立されましたが、Gefell側の生産拠点もそのまま続いています。
その後、東ドイツ時代の国有化などを経て、現在はMicrotech Gefellとしてマイクを製造しています。
現在Microtech Gefellでは、ヴィンテージラインとしてCMV 563 – M 7 Sを新品で販売しています。
オリジナルM7を基にしたM7カプセルを使った真空管マイクで、カプセルを交換できる構造も受け継いでいます。
ただし完全に昔と同じ部品というわけではなく、先ほど触れた通り真空管はヴィンテージのEC92からEF86へ変更されています。
なので、僕が使っているヴィンテージCMV563と現在のCMV 563 – M 7 Sは分けて考えた方がいいです。
現在は日本にもMicrotech Gefellの正規取扱先があり、新品のCMV 563 – M 7 Sを国内で扱っているショップもあります。
ヴィンテージを探すか、現在のリイシューを選ぶか。
同じCMV563系でも、ここはかなり違う選択になります。
まとめ|U47の代替ではなくCMV563自体が主力になった
Neumann Gefell CMV563は、僕が実際の録音で頻繁に使っているヴィンテージ真空管マイクです。
音はとても暖かい。
でもモコモコしない。
クリアさがあり、その上に少し枯れたようなヴィンテージの質感があります。
アコースティックな曲。
少し古い質感を加えたいパート。
中域をどしっと響かせたいソース。
こういう場面ではかなり頼れるマイクです。
U47と比べれば、U47の方が腰やパワーを感じます。
それでもCMV563には同じ方向を感じる部分がある。
そして僕にとっては、もう「U47っぽいマイク」というだけの存在ではありません。
M149と並ぶ主力の1本です。
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