ヘッドフォンでミックスするのはよくない。
と、数年前まで当たり前のように言われていました。
しかし最近は風向きが若干変わってきたのか?
ヘッドフォンでミックスすることを推奨する情報もチラホラ見るようになりました(((༼•̫͡•༽)))
長年ヘッドフォンミックスしていた身としては「やっぱいいとこ多いよね!」と、すごーく同意です。
しかし、ヘッドフォンミックスにはどうしても消せない弱点もあります。
ヘッドフォンミックスのメリットやデメリット。
モニターに関して、無駄な時間を浪費した僕の失敗話なども交えてお伝えします。
この記事の目次
なんでヘッドフォンでミックスしてはダメと言われるのか?
早速ですが「ヘッドフォンでミックスをするべきではない」と言われる理由について。
DTMの教科書的な話だと、
スピーカーじゃないと、
- 正しい定位バランス(パンの位置)が解りづらい
- 奥行きが見えづらい
- 耳が疲れやすく正しい判断が継続できない
- 各楽器の音量バランスが取りづらい
- LとRの音の干渉具合が確認できない
- 超重低音の確認ができない
大体こういうことなのかなと。
確かに、全てに思い当たる節があります!
モニタースピーカーの方が全体のバランスが見やすいのは事実かと思います。
しかしスピーカーをちゃんとセッティングする方が無理ゲー説
しかし、、、そもそもスピーカーをちゃんとセッティングできるDTMerってどれくらいいるんでしょうか、、。
僕もですが、普通の家の6畳間にモニタースピーカーをしっかり設置するには相当なハードルを要します。
- 部屋が洋室なのか和室なのか
- 部屋が長方形なのか変形なのか
- 壁がどんな材質なのか
- 天井の高さは?
- 部屋にどんな家具を置いているのか
ユーザーごとの作業環境は千差万別。
モニターはこう設置すべき!
と言われても、、、うわんうわん反響する部屋や、そもそも出せる音量に限界がある状態で、モニタースピーカーのスペックちゃんと出てるのかなって。
そして終わらない無間地獄へ
モニタースピーカーの設置方法が合っているのか?
気になって気になって迷走し続けた僕の話を少々、、。
モニタースピーカーのために浪費した時間とお金たち
「モニターをちゃんと聴けるようにしなくちゃダメなんだ」
と思い込み色々と行動を起こしました。
- 防音用のカーテンを買う
- 床に防音用のカーペットを敷く
- 部屋中(天井にも)に吸音パネルを貼る
- スピーカーを壁から離すために部屋の真ん中にデスクを置く(低音適正化のため)
- 200v電源を引く
他にもあったと思いますが、ざっとこんなことをやりました。
結果、今でもやって良かったと思っていることは200v電源を引いたことだけ。
現在、他は全てやっておりません(笑)
理由はこちら。
防音用のカーテンを買う
全く持って効果なし!
無駄な浪費でした。
床に防音用のカーペットを敷く
ほとんど効果なし!
吸音効果はありました。
部屋中(天井にも)に吸音パネルを貼る
とても効果ありました!
ただし、現在はやってません。
理由は、部屋が狭くなって気分が乗らなくなったから。
代わりに今は移動式の吸音パネルを必要に応じて使っています。
スピーカーを壁から離すために部屋の真ん中にデスクを置く
効果は多少ありました。
ただし、現在はほぼ壁にベタ付きです。
理由は、同じく部屋が狭くなるから。
6畳で正しくスピーカー設置ってやっぱり無理が、、、。
200v電源を引く
これは超効果あります!
モニターもですが、ヘッドフォンの音も、録音の音も良くなります。
これだけは早くから施作しといて本当によかった。

地獄を抜け出せたのはモニターするのを諦めた時
モニタースピーカーのために、時間やお金やスペースを投じてみましたが、
どうにも腑に落ちないことばかり。
- なんで部屋が狭くなっているんだ?
- なんか部屋に圧迫感を感じる、、、
- セッティングばかりで曲が全然完成しない
- 居心地が悪くて新しく曲を作るテンションが上がらない
- ところで、これでセッティング合ってるのかな?
そう、モニタースピーカーの設置は驚くほどの犠牲を強いられるようです(僕だけかも笑)
特に一番ヤバいのが、どれだけセッティングを頑張っても正解がわからない点。
これは、オーディオマニアが狂ったようにお金を散財していく姿とかぶります。
つまり、スピーカーの正しい設置って、
部屋の設計から始めないとどうにもならないんですよね。
つまりレコスタやマスタリングスタジオには、どんなに頑張っても届かないと。
そしてスピーカーでのモニタリングを勧めてくれるのは、当然プロの方々。
環境が違うので、そもそも出発地点が違うんじゃ、、、
DTMerの僕は自分の頭でもっと考えなければいけないのでは、、、?
と、思い至った瞬間、憑物が落ちたように全てを放り投げる事ができました。
ヘッドフォンは時間も場所も選ばない
そこからはヘッドフォン中心でミックスすることを決意。
途中でこう言うアイテムの存在も知りましたが、
IK MULTIMEDIA ARC System 2.5 サウンドハウス
もうね、素通りです。ぷんぷんしてました╰(◉ᾥ◉)╯
そして今だから解りますが、ヘッドフォンでもミックスはかなりできます。
大事なのは、慣れ。
習う(誰かの言葉を聞く)より、慣れろですね。
とにかく、いろいろな音楽を聴いて何度も自分でミックスをやり直す!
同じ音楽を聴いていても徐々に見え方が変わっていきます。
そしてヘッドフォンの一番良いところは、
時間も場所も選ばないこと!
部屋の響きも無視できますし、夜中だって作業できます。
やっぱり僕にはヘッドフォンミックスが向いてました。
とはいえ、ARC Systemはそのうち導入するでしょう(笑)
ヘッドフォンだと音の質感が分かりやすい
僕はヴィンテージ機材、ハード機材も大好きなのですが、
この独特の質感というのは、ヘッドフォンの方がずっと分かりやすいです。
例えばプラグインのコンプとハードのコンプの質感の違いとか。
古い機材が持つ淡い表面と力強い芯の部分、そしてどしっとした腰の位置。
ヘッドフォンだとたっぷりと堪能できます。
ヘッドフォンミックスで一番気をつけなければならない事
ここまでヘッドフォン最高!
と書いてきましたが、これだけはスピーカーに任せないと厳しいなと思う部分。
スピーカーじゃないと歌の正しいピッチチェックができない
歌が入っている音楽では、歌の音程はスピーカーで必ずチェックする必要があります。
なぜか?
理由は、ヘッドフォンだと正しい音程のチェックがしきれないからです。
余程、音感が良い方なら別だと思いますが、
ヘッドフォンで完璧にエディットできた!と思った歌を、スピーカーから流してみたら下手くそやん(泣)!なんてことは日常茶飯事。
はっきりした理由は知りません。
ただ経験上、よく起こる現象なんですよね。
ですよね?
歌のチェックだけはスピーカーからが必須
と言うわけで、歌のチェックだけはスピーカーからやらないと難しい。
楽器類でも、予想外に変な倍音が出ていて気持ち悪い、なんてこともあります。
なぜかヘッドフォンでは気づき辛いんですよね。
僕だけだったりして、、、(;´༎ຶД༎ຶ`)
でも、多分DTMあるあるなはず。
スピーカーとの上手な付き合い方 僕編
つまり、スピーカーをメインモニターにしなくてもいいのでは?
と言うのが僕が一番書きたかった事です。
僕の場合は、スピーカーはサブモニターです。
9割はヘッドフォンで録音もミックスもやっちゃいます。
残りの1割はモニタースピーカーで音程チェックとバランスチェック。
あとは重低音が必要な曲はサブウーファーでチェック。
なので、スピーカーはかなり適当に設置しちゃってます。
それでも最近導入したEVE AUDIOのモニタースピーカーは鬼のように聴きやすい!
怖いくらい。
SONY MDR-CD900STで長年ミックスしていた僕のやり方
DTMヘッドフォンの定番といえばSONY MDR-CD900ST。
SONY ( ソニー ) / MDR-CD900ST サウンドハウス
そこかしこでレビューを見る事ができるヘッドフォン。
ただし、SONY MDR-CD900STではミックスしない方が良いともよく言われています。
理由は
- 音が全部前に出てきすぎ
- 奥行きが分かり辛い
- ハイがきつい
- 低音が聞こえない
- ずっと使っていると耳が痛くなる
ここら辺がよく挙げられます。
そうです。確かに!そう。
でも、僕は長い事MDR-CD900STでミックスしてました╰(◉ᾥ◉)╯ 邪道!
結構良い値段がするマスタリングコンプを使うときも、MDR-CD900STで音を作ります。

なぜかと言うとこの音に慣れているから。
ここでも言えるのは、習うより慣れろ、ですね。
僕含めて、他人の言葉はあくまでアドバイス。
一番大事なのは、使いこんできたアイテムでストレスなく作業する事なんじゃないかなと。
とはいえ、MDR-CD900STにも前述のような弱点があるのでそれを補う方法を取ってました。
低音が出るヘッドフォンを併用する
特にMDR-CD900STは低音と奥行きが分かり辛いです。
慣れていても、こればっかりはどうにかせねば。
と言う事で、僕はもう一台ヘッドフォンを用意して補うことにしました。
AKG ( アーカーゲー ) / K240MK2 モニターヘッドホン セミオープン型 サウンドハウス
これは安いですし、低音と奥行きがなんとか見えるヘッドフォン。
MDR-CD900STとは結構真逆なキャラだったりします。
一個でダメなら2つで一つ。

ヘッドフォンはモニター設置地獄よりもは安上がり
そして最近は、よりヘッドフォンミックスをしやすくするためにちょっとお高いやつも導入しました。
audio technica ( オーディオテクニカ ) / ATH-M70x サウンドハウス
audio technica ATH-R70x サウンドハウス
この二つ、めっちゃ良いです。ちょっと高いですけど。
ただ、今までスピーカー設置にかけたトータル費用や時間の浪費に比べたら全然安い!
特に迷い続けた時間だけは、取り返すことができません、、、。
まとめ
と言うことで、ヘッドフォンミックスは慣れと役割分担の最適化で最強になるんじゃないか?と言う話でした。
DTMerに限っては特に。
ただ、明確なデメリットも存在するのでそこだけはスピーカーに頼らざるを得ません。
改めてヘッドフォンミックスだけだと厳しいところをまとめます!
- 歌や楽器のピッチ判定(音程チェック)が難しい
- 各楽器の音量バランスがとり辛い(歌だけデカくなりすぎるなど)
- 超低音(30Hz付近)はちゃんと確認できない
この3つが主だったところかなと思います。
ちなみにこれらは、セッティングが結構適当でもスピーカーがあればカバーできます!
超低音のチェックはサブウーファーがないと無理ですけど!
と言う事で、僕なりに色々やってきた結果、こんな結論に到りました。
三度目ですが、習うより慣れろ、が一番大事だと思います。
僕の話も疑ってくださいね╰(◉ᾥ◉)╯
嘘は一個も書いていませんが、環境は全員違うので。
ところで、こんなことを長々と書いて一体己は何様のつもりなのか?
と言う点だけ、冷静に読み返してみるとブルッときました。
ちょっと反省、、、(;´༎ຶД༎ຶ`)
僕の浪費が、少しでもお役に立ちましたら幸いと思っております。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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