DTMにジャストサイズ!なEVE AUDIO SC205のレビューです。
使用を始めてから数ヶ月経ち耳もすっかり慣れてきました。
以前は長いことYAMAHA MSP5を使っていましたが、EVE AUDIOはやっぱり違いますね。
とても美しく、キリッとして聴きやすい!
導入事例ではADAM AUDIOもよく対抗機種として上がると思います。
なぜEVE AUDIOを選んだのか?決め手になった箇所も一緒にレビューさせていただきます。
EVE AUDIO SC205 サウンドハウス
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目次
買う前からずっとEVE AUDIOのファンだった
いきなり個人的な話で恐縮です、、、。
僕はスピーカーを手に入れるずっと前からEVE AUDIOのファンでした。
理由は設立者のローランド・シュテンツさんの存在。
画像参考URL
彼がADAM AUDIOから独立し、EVE AUDIOを設立したのは有名な話です。
しかし僕の興味を惹きつけてやまなかったのは、彼がADAM AUDIOに関わるもっと前。
RFZという旧東ドイツの音響製造会社に在籍していたという経歴です。
RFZはベルリンの壁が崩壊するまで、東ドイツの音響関係を一手に引き受けていた企業。
そしてこの会社、独製ヴィンテージ機材マニアの間では根強い人気のある隠れブランドでもあります。
ブランドなのに「隠れ」というのが乙(`・ω・´) !
またRFZは”東欧のNEVE”とも呼ばれていますね。
-RFZ V742とV740-
僕も現在3台ほどラインアンプを手元に残していますが、今まで10台以上はDIYで動かしてきたはず、、、。
すごーく味があっていい音なんです。
マイクプリからラインアンプからEQまで素敵でした。
RFZはベルリンの壁崩壊と同時に解散となりましたが、未だにファンが多いです。
そんな幻の企業の技術者だったローランド・シュテンツさんがADAMを経て立ち上げたEVE AUDIO。
さらに現在、EVE AUDIOの本社はRFZの跡地にあるというではありませんか!!
–画像参考URL–
しかも当時使用されていた無響室を、いまだにEVE AUDIO製品の音響チェックに使用しているという話まで、、。
こちらのリットーさんの記事に詳しく書いてありますが、僕はこれ読んで感動してしまいました。
ロマンが溢れていますね。
というわけで、この記事を読んだ日よりずっとEVE AUDIOを使いたいと思い続けていたのでした。
EVE AUDIO SC205を選んだ音響的な決め手
と、ここまでものすごく個人的な思い入れを書いてしまいました、、、。
ここからはもう少し客観的になってEVE AUDIO SC205を選んだ理由を書かせていただきます(`・ω・´)
サイズがベストだった!
EVE AUDIO SC205は自宅でDTMモニターをするにはジャストすぎる大きさだと思います!
小さすぎず大きすぎず。
- 縦:275mm
- 横:175mm
- 奥行き:233mm
サブモニターに使っているYAMAHA MSP5より若干大きいサイズです。
奥行きはSC205の方が長いですね。
ウーファー経は5インチ。
ちゃんと低音を聴くには最低でもこれくらいの大きさは必要なのかな?というサイズでもあります。
とはいえ、低音に関しては別件でしっかり作っていきたいと導入当初から目論んでいたのでこの点については後ほど!
ADAMだったらA5Xと同じくらいのラインナップ
サイズ的にはADAMだったらA5Xと同じくらいのラインナップとなるでしょうか。
ADAM AUDIO ( アダムオーディオ ) / A5X サウンドハウス
導入に当たっては、正直ADAM A5Xにするかどうかで死ぬほど迷いました(笑)
こちらもとても評判良いですもんね。
ただ、以前サイズが一つ上のADAM A7Xを使っていたスタジオでの印象があまり良くなかったんですよね、、、。
ハイが結構硬く、低音も暴れているように聴こえてしまった記憶。
恐らく設置された環境の影響も大きいと思いますが、一応レコーディングスタジオだったのでどうかなと。
そこが狭い部屋だったせいもあると思います。もしくはA5Xじゃなかったからかも。
ただ僕も狭い部屋(1.5畳の防音室)での使用目的なので、同じようになる可能性は少しでも避けたいと思い、ADAMは候補から外しました(;´༎ຶД༎ຶ`)
モダンでキレがあるのに優しくて上品な音
導入にあたり、事前に視聴可能なお店へ行きました。
一回聴いて、すぐに惚れ込みました(笑)
結局一回でも音を聴いた方がいいですね。
以下僕が初めて音を聴いて抱いたEVE AUDIOの音の印象。
- 現代的なキメが細かいはっきりした音色
- 低音が変にボンボンしていないほどよいロー感
- 高音の立ち上がりが早くてシャキッとしてる
- 雑味の無い上品な音
- 音の繋ぎが滑らか
と、はっきり言って良いところだらけな印象しかありませんでしたね。
矛盾してるようですが、こんな音!
好みとしてもド直球!!
本当すごくバランスが良いスピーカー。
こうなる理由には、普通のモニタースピーカーと根本的に造りが違う部分があるようです。
技術的な部分が以下になります。
EVE AUDIOの個性的な特徴について
ここからは既に得られる情報からの受け売り多数なので、ご存知の方は読み飛ばしてください!
EVE AUDIOの「らしさ」の理由を、僕なりにざっくりまとめてみました。
リボンツイーターで高域の立ち上がりが早い
ADAM AUDIOと同様にEVE AUDIOも高域担当のツイーター部分がリボンツイーターになっています。
-リボンツイーター-
特殊な素材を織り込んでいるようで、ここに信号が流れると互いに振動するのだそう。
このリボンツイーターのおかげで立ち上がりの早いハイが実現するのだそうな。
EVE AUDIOのハイは思いきりシャキシャキとした感じでは無いですが、金物あたりの粒立ちには確かにスピード感があります。
ちなみに普段はマグネット式の蜂の巣カバーがくっついています。
蜂の巣状のダイアフラムを使い硬く軽量なウーファーに
低音部分を担当するウーファーは蜂の巣状(ハニカム構造)のダイアフラムが入っています。
これによって強度はあるが、軽量なウーファーに仕上がり効率よく低音を鳴らせるよう。
実際、スピーカー本体も驚くほど軽いです。外部への持ち出しもしやすい重さ。
比べてしまうと、YAMAHA MSP5が鉄の塊に感じるほど(笑)
重いほど良い低音が出る、ということでもないようです。
パワーアンプがデジタルアンプ
パワーアンプはアナログで増幅するのではなく、DSP制御されたデジタルアンプになっています。
デジタルアンプなので、アナログ製品よりもペア同士(LとR)の状態を高い精度で揃えることが可能。
これにより濁りのないサウンドになるようです。
DSPによるフィルター効果がすごい
DSP制御されたデジタルアンプということで、フィルター(EQ)の効果もLRでバッチリ揃います。
またフィルターはHIGH LOWと言ったよくあるポイントの他に「DESK」という独自の項目も。
DESKつまみをグリグリすると、モニター環境に寄ってはボワンボワンしすぎる低域をうまいこと馴染ませてくれます。
この処理にDSPを使っているようなのですが、利き方が絶妙でして。
正直僕の視聴環境(防音密閉1.5畳)では、EVE AUDIOでもちゃんと鳴ってくれるか不安でしたが、すごく良い感じに落ち着いてくれました。
モニターの背面が壁から5cmないくらいなのに(笑)
-壁との間隔5cm-
DESK HIGH LOWを30分くらい調整したら、とっても良い感じに!
またこのDESKフィルターの利き方なんですが、ラインナップごとに利く周波数が調整されているそうです。
SC205とSC207ではサイズが違うので、膨らむ帯域も変わってくるのがその理由なよう。
こだわりがすごいですね(;´༎ຶД༎ຶ`)
A/Dコンバーターも安心のBurr Brown製
デジタルアンプということで、オーディオインターフェースから受ける信号を一度A/Dコンバーターを使いデジタル信号に変換します。
このA/Dコンバーター。
しょぼいものだと音質劣化に繋がりますが、内蔵されているのは高級オーディオでおなじみのBurr Brown製なので品質もバッチリ。
Burr Brownは、日本の旭化成と並んでA/D D/Aコンバーターのトップブランドです。
多数の業務用オーディオインターフェースにも採用されています。
これらが合わさってEVE AUDIOの音になっている
以上、ざっくりとですが
- リボンツイーター
- ハニカム状のウーファー
- DSP 制御されたデジタルパワーアンプ
- 環境に合わせて調整できるデジタル式フィルター
- Burr Brown製のA/Dコンバーター
これらが合わさってEVE AUDIOのキレがあるのに優しい音色、と感じる音が出来上がっているようです。
低域に関して
ということで、モニタースピーカーとしても評判通りの製品にとても満足です。
しかし、欲を言えばもっと低域の下の方まで鳴らしたい!というか、聴けるようにしたいのが理想。
SC205のスペックシートでは
となっており、下は53Hzで-3dBに。
昨今の音楽は30Hzあたりまで低域が作り込まれています。
ロックバンド、アジカンのゴッチさんのインタビュー記事がとても参考になります。
とはいえ、SC205より下が鳴るEVE AUDIOのラインナップとなると単純にスピーカーのサイズを上げる他なし。
EVE AUDIO ( イブオーディオ ) / SC208 サウンドハウス
一番大きいSC208だと下は36Hzまで鳴るようですが、単純にでかい、、、!
- 縦:390mm
- 横:255mm
- 奥行き:330mm
このサイズではちょっと邪魔に感じてしまいそう、、。
ということでSC205+サブウーファーという選択をとることに!
低域はサブウーファーに任せた!
ここから先はもう一本記事が書けてしまうので、今回は一度やめておきます。
EVE AUDIO ( イブオーディオ ) / TS107 サウンドハウス
EVE AUDIOはサブウーファーもラインナップしています。
更に詰めてシステムを構築できるのも嬉しいですね。
こちらはまた別記事にて!
EVE Audio TS107 アクティブサブウーファー
とはいえSC205単体でも低域でてます
とはいえ、ぶっちゃけSC205単体でも低域は良い感じに鳴ってるんですよね(`・ω・´)
以前使っていたYAMAHA MSP5よりも鳴っているのに聴き易くてとてもいい感じです。
-このLEDボリュームもカッコ良い-
そしてせっかくサブウーファーを入れた今も、僕はヘッドフォンミックスの方を好んでいます。
でも最後のバランス決めは必ずEVE AUDIOでチェックしています。
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まとめ
以上EVE AUDIO SC205のレビューでした。
EVE AUDIO SC205 サウンドハウス
最近では導入している方も多く、DTMでも十分主力級の実力かと思います。
ダンスミュージック向けとも評されているようですが、僕的にはどのジャンルにもハマるんじゃないかなと。
クラシックの響きとかにもとてもいいですよ!柔らかさも感じられます。
あとロゴのデザインがとっても好き。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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