ディスクリートで構成されているマイクプリといえばOld NEVE。
他にもAPIやTelefunkenなどが有名ですが、どれもこれも古い時代から存在しているメーカーの物。
今でもハード機材として非常に人気がありますよね。
この機材たちを模倣したリイシュー品もたくさん販売されていますが、その中の売り文句になっているのが、
”本家のスタイルを踏襲し、ディクリートで贅沢に組まれた逸品!”
ディスクリートだとどうやら音が良くて、贅沢らしいです。
古い時代の機材も僕自身今まで使ってきましたので、そこらへんの体験も含め、書かせていただきます。
目次
音が良いのか?
早速結論ですが、ディスクリートだからと言って音が良いわけじゃないです。
ディスクリートでイマイチな機材にもたくさん出会ってきました。
ただディスクリートは贅沢だとは思います。
どういうことか?順を追って書いていきます。
ディスクリートって?
まずディクリートとは、端的に言ってICを使っていない回路のこと。
-IC(オペアンプ)-
ICはこういうやつ。エフェクター自作とかやっている方なら非常に馴染みがあると思います。
これを使わずに、
などを個別に使って設計された回路をディスクリートと言います。
-Telefunken v376-
こんな感じでディスクリートアンプはICが一切入っていません。
ICの中にトランジスタも詰め込まれている
ちなみにICってなんなのかというと、トランジスタや抵抗、コンデンサ、ダイオードがたくさん詰まって一個になっている部品のことです。
結局中身はディスクリートで使う部品と同じです。
ICの何が悪いのか?
何も悪くありません(笑)
ただ、内部の部品がめっちゃ小さいので、ICの中身を回路設計者が任意に交換することはできません。
つまりICそのものの音質を変更することができません。
ディスクリートはこの点、部品を自由に変えられるので音質変更の融通が利きやすいです。
またICは内部のどこかの部品が壊れたらICごと終了になります。
しかしIC自体はとても安価です(音楽専用とかの高いのもありますが一部です)
壊れたらただ交換すれば良いので、むしろコスパは優れてます。
ディスクリートが贅沢な理由
WA73-EQのディスクリートな中身
ディスクリートが「贅沢」と言われる本質は、単に部品数が多いからではありません。
設計者が音を作る自由度を持っていることです。
ICは完成されたパーツを使うのに対して、ディスクリートは
- どのトランジスタを使うか
- どのコンデンサを使うか
- どういうバイアスで動かすか
といった部分をすべて設計者が決められます。
つまりディスクリートは、音を作り込める余地が大きい設計方式という意味で贅沢なんですね。
その結果、手間も制作コストもかかるので、結果としても贅沢な機材、となります。
ただ、例えばNeveの音を蘇らせるんだったら、やっぱりディスクリートでなければいけません。
だってOld Neveの設計回路がそうなっているし、そういうコンセプトですし、ICなんて使ったら「No!」って突っ込まれます。
昔はICなんてなかったですからね。
WARM AUDIO ( ウォームオーディオ ) / WA-73EQ マイクプリアンプ/EQ サウンドハウス
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ディスクリートの方がレジェンドアンプが多いのは事実であります
現在音楽家やエンジニアに今も好まれていたり、評価が高かったりするアンプは、ディスクリートアンプの方が多いと思います。
しかしそれは結果であって、原因ではありません。
ヴィンテージ機材の価値は、ディスクリートかどうか?ということではなくて、設計だったり、使われているそれぞれの部品の質の方がはるかに大きいです。
特にアンプ回路以外にも、音声のインアウト部分の部品、トランスや電子バランス用の部品なども音質に重要な影響を与えます。
Neveの音の要はマリンエアとまで言われていたりしますしね。
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SSLはICバリバリのマシンです
SSL9000の基盤
ミキサーの最高峰SSLは、ICを積みまくってます。
アンプもEQもコンプもICだらけ。
でもめっちゃ音いいです。
ディスクリートじゃないけど、めっちゃ音いいです。
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現在のNEVEもIC積みまくり
ニーブさん最後のブランドRUPERT NEVE DESIGNSの製品はディスクリートじゃないです。
RUPERT NEVE DESIGNS ( ルパート・ニーブ・デザイン ) / Portico II Channel サウンドハウス
でもめっちゃ良い音です!(しつこい)
さらにいうとFocusrite時代にはもうICで内部を構成されていました。
この事実こそ、ディスクリートじゃなくても、設計次第で音は素晴らしく良くなるということの証左ではないでしょうか。
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じゃあ何を見て選べばいいのか
ここまでの話を踏まえると、「ディスクリートかどうか」で機材を選ぶのはあまり意味がありません。
実際に見ておいた方がいいのはこのあたりです。
- トランスの有無・種類(Carnhill / Lundahl など)
- 回路の方向性(Neve系 / API系 / 透明系)
- 電源設計(ヘッドルーム・余裕感)
- 実際の音のキャラクター(太さ・抜け・密度)
ディスクリートかどうかは、この中の一要素にすぎないです。
それでもディスクリートに憧れる
DIYで配線したTelefunkenモジュールのラック
でも、やっぱりディスクリートという言葉には女心男心を引きつける甘い響きがあります。
現にここまで「ディスクリートだからって、、、」みたいなこと書いてきましたが、僕は圧倒的なディスクリート機材支持者です(笑)!!すみません。
というか、好きな音が結果としてディスクリートで作られているものが多いんですよね。しょうがない。
1960年代とかのヴィンテージ機材はほぼディスクリートですからね。
電源までディスクリートです👇
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まとめ
ということで、ディスクリートは音が良いのか?というお話でした。
結論は「設計、部品、求める音」次第で評価は大きく変わるということです。
ディスクリートという言葉だけでは、音質の価値は担保されません!
ここまでお読みいただきありがとうございました。