オーバードライブの基礎回路を自作してみました(´◔౪◔)◞

ちょっと歪めばOK!と思ってましたが、想像以上に歪むやつができました( ・ὢ・ )!
更に回路拡張すればオリジナリティが出せるかも?
そんな期待を込めて覚書です(´◔౪◔)◞
*過去記事を加筆修正しました
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目次
オーバードライブが歪む理由
まずオーバードライブがどうして歪むのか?の理由です。
エフェクター自作の参考書を熟読すると、どうやら
- ダイオードを使い音声波形の上下をちょん切る!
- 結果、音が歪む!
ということのよう。
ちなみにファズは、
ことで音をクリッピングさせ、音を歪ませてました。
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ですので抵抗の値を色々変えると、音が変化しました。
今回のオーバードライブではダイオードを増幅回路に組み込みます。

ファズでは増幅回路をトランジスタで組みましたが、今回はオペアンプを使ってオーバードライブ回路を作ります。
個人的にオペアンプの使い方をおさらいしたかったのと、
オペアンプを使った回路の方がオーバードライブではよく見かけるので!
ただしこれはあくまで一例です。
トランジスタで組んでもオーバードライブは作れます。あしからず。
ということで、まずオペアンプの定番回路を組みます!
オペアンプは非反転増幅回路で組む
入力と出力で信号がひっくり返らないように非反転増幅回路で、回路を組んでみます。

増幅率は抵抗R2とR1の比率で決まるのでゲイン管理も楽チン。
ざっくり考えてR2をR1で割った値が増幅率。
R2が10KでR1が2Kなら増幅率は5倍です。
※厳密にはVout=(1+R2/R1)×Vinがオペアンプの増幅率です。
エフェクター製作だとR2に500KAのボリューム、R1に5KΩ辺りを入れるのが多いようですが、僕は今回R2に1Mのボリュームを入れてみました。
大雑把に計算して最大で約200倍のゲインが得られるはずです。
デシベルに換算すると約46dB。
こんなにいらない気もしますが、とりあえずはまずこの設定でいこうと思いました。
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オペアンプを単電源で使う場合
オペアンプは、通常プラスマイナスの両電源で使うのが一般的。

-ICオペアンプ-
レコーディング機器でオペアンプを使う場合、確実に両電源を使います。
両電源というのは+だけでなく-の領域まで電圧を使う方法です。
例えば、±15vという風に表記します。
しかしほとんどのエフェクターは+9Vの単電源で設計されてますよね、、、?
一体オペアンプをどう動かしているのか謎だったんですが、答えは単純、、、!
マイナス電源側は完全無視!
+側にしか電源も供給せず、マイナスはそのままグランドに落とすというやり方。
それでもオペアンプってちゃんと動くんだ、、、、と勉強になりました( ・ὢ・ )
しかし、その分気をつけないといけない点があります!
オペアンプの入力段にバイアスをかけて、電位を持ち上げる!
のが必須な点。
電源電圧、ここでは+9vですが、
その半分の電圧を入力部分にかけて入力する波形の位置を9Vの真ん中、
つまり4.5vに持ち上げてあげないと、入力波形の下半分がGND(0V)に埋もれてちょん切れます。
両電源の±9vとかだったらバイアスをかけなくてOKなんですけど、、、。
「バイアスって何だ?」ですよね。
深く知りたい方は、是非トランジスタの教科書をお読みください(´⊙౪⊙)۶!
定本 トランジスタ回路の設計―増幅回路技術を実験を通してやさしく解析 (定本シリーズ)
とりあえずエフェクター製作でオペアンプを使う場合は、入力段にバイアスをかけることが必須!
とここでは留めておいてください。
バイアス電圧の作り方
バイアス電圧用に9Vから4.5Vを作らなくてはいけませんが、回路はとても簡単です。

-分圧の図-
- 9v電源と並列に、同じ値の抵抗を2本直列につなぎグランドに落とす。
- 2本の抵抗の間から電圧を取る。
そうすれば半分の電圧、4.5Vが取り出せます。
回路図にあるコンデンサーは、電源の交流ノイズをグランドに流して電気をクリーンにする役割。
コンデンサは交流だけ通過させて直流を通さない性質を利用したものです。

そして取り出した4.5Vをもう一つ抵抗を介して、オペアンプの入力段につなぎます。
これで4.5Vのバイアスがかかります!
ちなみに4.5Vを抵抗を介して繋ぐ理由は、
- 無駄な電流を流さないようにする
- バイアス電源を他の回路と共有する時、信号がショートするのを防ぐ
ためのようです。
同じ回路内に、さらに追加でオペアンプを使用する場合とかですね(`・ω・´)
抵抗の値は470kΩとかで良いようです!
とりあえずオペアンプの増幅回路を組み立ててみる
ということでまずはオペアンプで、歪なしの普通の増幅回路を組み立てていきます。
なんにせよオーバードライブを作るには、増幅回路を作らなくてはいけません。
オペアンプはLF353Nを使ってみた
今回使ったオペアンプはLF353Nというもの。
昔エフェクターを作ろうと思って買ったんですが、、、、
当時は右も左もわからず挫折、、(;´༎ຶД༎ຶ`) !!
パーツ入れに放置されっぱなしだったので、リベンジを込めてこれで設計を。
オペアンプ内部に2つの増幅回路が入っているデュアルオペアンプです。

今回は一つの増幅回路で十分なので、デュアルのうち片方、左半分しか使いませんでした。
ちゃんと音が出るのか、、、!?
回路を組んでいきましょう。
実際に回路を組む
今回も配線が容易なブレッドボードでいきます。

まず電源部分から。9vとバイアス電源用の4.5Vを作る回路を配置していきます。

どんどん、組み続けていきます。
ちなみに使っているパーツのメーカーなどは適当です(笑)
値が合ってればOKでしょう!

タンタルコンデンサなんかも使ったりして。

とりあえず、オペアンプの増幅回路だけ完成です。
画像にはボリュームが写っていないですが、1M(メガ)のポットを負帰還につないでいます。

R2のところですね。
今回R1のところは5.1Kにしてみてます。
電源をつないで音を出してみる
おお!
今回は一発で音が鳴りましたぁーー(´⊙౪⊙)۶!!
しかもボリュームポットを回すと、ちゃんと音量が増幅されます(;´༎ຶٹ༎ຶ`) !
ボリュームを絞ると(抵抗値を増やすと)音量が増幅され、
最大まで絞ると「ぴー!!!」っと発振します!

-ギター用に入力インピーダンスを1Mに設定-
まさにこれがオペアンプ増幅の特徴!
高域がハウリングしやすいですね。
とりあえずオペアンプで、ゲインを得ることに成功しました!
そして、オーバードライブさせる
ようやく本丸にたどり着きました。
この増幅回路にダイオードを加えてオーバードライブさせてやりましょう(;´༎ຶД༎ຶ`) !

図のようにオペアンプの負帰還部分に並列にダイオードを二つ、
それぞれ違う方向に接続してやります。
今回は普通のダイオードとLED(発行ダイオード)の二つを使って実験してみます!
ダイオードであれば何でも良いでしょう!

-赤色LEDとSD103Aと表記されている小さなショットキーダイオード-
ぷすぷすっとボードにぶっ刺し!
すると、、、、、!!
これがですね、すんごく歪みますのよ( ・ὢ・ )!!
思ったより歪んで、小生かなり驚きました。
ファズよりも肌理細かい歪み!
ただ、増幅度を上げると発振がひどい(泣)!
発振防止のためには
小容量のコンデンサ(pfほど)をダイオードと同じく並列につなぐと効果的
らしいのですが、、、、
あいにく手元にちょうどいい値のコンデンサがなく、今回は接続していません。
仮にコンデンサの容量を大きくすると(1ufとか)ハイカットされすぎになってモッコモコになります。
エフェクター作りでは、ピコやナノの値のコンデンサをいくつか用意しておく役立ちます。
これも実際ボードで組んでみて体感できました(`・ω・´)
完成したブレッドボード上のオーバードライブ回路
こちら完成したオーバードライブ回路のブレッドボードです。

うーん、バッチい(笑)

弦を強くピッキングすると電圧が上がってLEDがピカピカ光るのが面白い!
ブレッドボードだったらダイオードを他の物に変えやすいです。
オリジナルエフェクターを突き詰める場合、非常に役立ちます!
録音した音源比較
回路が完成したので音を録音してみました!
当サイトはDTM関連の記事を書いているサイトですので、
録音はラインでDAWを使ってデータ化!
前回のFuzzの時も同じ方法で録音しています。
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オーバードライブありなしのHI-Z録音、2バージョンをファイル化。
ギターはストラトです。
ピックアップのポジションはリアで。

生のエレキギターの音に近くするため、LOGIC X のアンプシュミレーターのだけトラックに挿してます。
シュミレーター自体はクリーンめな設定です。
ダイオードの接続方法によってゲインのレベルがかなり変わるので、
なるべく同じレベルで録音できる様、オーディオインターフェースの入力レベルを調整しています!
元の音
ということでまずはオーバードライブをかけてない素の音から。
ダイオード各一つずつの対象クリップ
ダイオードとLEDの非対称クリップ
ダイオード二個直列と、LEDの非対称クリップ
ダイオード一個と、LEDとダイオード2個直列の非対称クリップ
LEDを入れるとコンプっぽくなる?その解除方法
LEDがクリップ回路に入ると強制コンプのような状態になってしまいました、、、。
音源でも音がブツ切れになる現象が起きてます。お聞き苦しくてすみません。
どうにかならないか?と色々と試したところ。

入力後に抵抗を直列に挟んだらブツ切れが解消しました!
ネットに出回っている回路図の入力抵抗は、ブツ切れ?を抑えるためだったんですね!
意味がわかりました。
[box class=”box27″ title=”後日追記”] この抵抗はオペアンプやトランジスタを壊さないための保護部品でもある様!
確かに抵抗なしだとLEDがかなりピカピカ光っていたので部品に悪そうです、、、
さらに、、、
入力に挟む抵抗値でも音が変わる気がしたので、おまけの録音をしてみました。
ダイオードの組み方は、ダイオード一個とLED+ダイオード直列の非対称クリップ。
入力の抵抗が10k
入力の抵抗が100K
抵抗なし
最後はフレーズ違いますが、、、
同じセッティングで抵抗の有無、数値の違いでこうも変わるものなんですね(´◔౪◔)◞
まとめ
以上オーバードライブの基本回路についての記事でした。
オペアンプをゲルマニウトランジスタに置き換えても良さそうですね、、、。
今度はディストーションの基本回路を作ってみたいなあ。
エフェクター回路の基礎部分がわかれば、自分だけの?歪みを追求できるかもしれません!
最後に今回僕が試してみた回路図を貼っておきます。

すーごくありきたりですが、、、、。
一応ちゃんとオーバードライブしてました!
理屈で攻めたい方は是非順序立ててトライしてみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
おまけに、今回の回路設計で参考にした本を。
Soul Power Instruments エフェクターの設計と製作
定本 トランジスタ回路の設計―増幅回路技術を実験を通してやさしく解析 (定本シリーズ)
初心者向けではありませんが、エフェクターの仕組みをもう一歩知りたい方にはとてもおすすめです(`・ω・´)
ではでは。
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