エフェクター自作

  (更新日:2018.05.19)

オーバードライブの基礎回路を自作して録音比較してみた!

前回ファズをブレッドボードで自作してから、すっかりエフェクター回路にハマってしまいました。

 

というわけで今回はオーバードライブの基本的な部分を作ってみました。

 

まあまあな歪な感じになるのかな?と思っていたら、思いの外深く歪んだのでちょっとびっくりです(⑅∫°ਊ°)∫

ここからまた回路を拡張していくとオリジナリティも出るのかな?と思ったので、記録しておこうと思います。

 

 

オーバードライブが歪む理由

まずオーバードライブがどうして歪むのか?ってことですが、どうやらダイオードを使って波形の上下をちょん切ることで音を歪ませるようです。

 

ファズを作ってからエフェクターの回路に本格的に興味が湧いてきてしまったので、参考書片手に回路を熟視。

 

ファズはトランジスターの増幅バランスをわざと崩すことで音をクリッピングさせて音を歪ませていました。

ですので抵抗の値を色々と変えていくと好みの音に調節することができましたが、今回はダイオードを増幅回路に組み込むようです。

 

トランジスタでも増幅回路にダイオードを組み込めばオーバードライブが作れるはずですが、今回はオペアンプの作動方法も個人的におさらいしたかったので、オペアンプを使ってオーバードライブを作ってみました。

まずは定番でいきましょう!

 

オペアンプは非反転増幅回路で組む

入力と出力で信号がひっくり返らないように非反転増幅回路で、基本回路を組むことにします。

増幅率は抵抗R2とR1の比率で決まるので、ゲイン管理も楽チンです。

ざっくり考えてR2をR1で割った値が増幅率。

R2が10KでR1が2Kなら増幅率は5倍です。

 

※厳密にはVout=(1+R2/R1)×Vinがオペアンプの増幅率です。

 

エフェクター製作だとR2に500KAのボリューム、R1に5KΩ辺りを入れるのが多いようですが、僕は今回R2に1Mのボリュームを入れてみました。

大雑把に計算して最大で約200倍のゲインが得られるはずです。

デシベルに換算すると約46dB。

こんなにいらない気もしますが、とりあえずまずはこの設定でいこうと思いました。

オペアンプを単電源で使う場合

オペアンプというものは、僕が知っている限りプラスマイナスの両電源で使うのが一般的だと思っていました。

レコーディング機器でオペアンプを使っている場合は確実に両電源を使っています。

両電源というのは+だけでなく-の領域まで電圧を使う方法です。

±15vという風に表記します。

 

しかしほとんどのエフェクターが9Vの単電源で設計されているので、一体どうやってオペアンプを動かしているのか謎だったんですが、答えは単純でした、、、!

 

マイナス電源側は完全無視!

 

+側にしか電源も供給せず、マイナスはそのままグランドに落とすというやり方を採用していたんですね。

 

それでもオペアンプってちゃんと動くんだ、、、、と驚きです。

 

しかしその分気をつけなくてはならないのが、オペアンプの入力段にバイアスをかけて電位を持ち上げなくてはいけないということ。

電源電圧、ここでは+9vですが、その半分の電圧を入力の部分にかけて入力する波形の位置を9Vの真ん中、つまり4.5vに持ち上げてあげないと、入力波形の下半分がGND(0V)に埋もれて切れてしまいます。

両電源の±9vとかだったらバイアスをかけなくてOKです。

ここいらへんの理屈は、僕はトランジスタや真空管の増幅回路が頭に入っていたのですんなり腑に落ちましたが、バイアスってナンノコッチャ、という方もいらっしゃると思います。

今回は他に書きたいことがたくさんあるので書けませんが、別の機会にバイアスについて書いてみたいと思いますので、是非そちらを参照ください!わかれば簡単な話です!

とりあえずエフェクター製作でオペアンプを使う場合は、入力段にバイアスをかけることは必須なので、そうしなきゃいけないと覚えておいてください。

バイアス電圧の作り方

というわけで、バイアス電圧用に9Vから4.5Vを作らなくてはいけませんが、回路はとても簡単です。

9v電源と並列に、2本の同じ値の抵抗を直列につなぎ、その間から電圧を取れば半分の4.5Vが取り出せます。

回路図にあるコンデンサーは、電源の交流ノイズをグランドに流して電気をクリーンにする役割です。

コンデンサは交流だけ通過させて直流を通さない性質を利用したものです。

 

そして取り出した4.5Vをもう一つ抵抗を介して、オペアンプの入力段につなぎます。

これで4.5Vのバイアスをかけることができ、9Vの単電源でもオペアンプの音声波形を余すことなく入力することができるようになりました!

4.5Vを抵抗を介して繋ぐ理由は、無駄な電流を流さないようにするためとバイアス電源を他の回路と共有する場合、信号がショートするのを防ぐためのようです。

もう一つオペアンプを使用する回路を作る場合とかが考えられます。

この抵抗は470kΩとかにしておけば良いよう↓

 

とりあえずオペアンプの増幅回路を組み立ててみる

なんにせよオーバードライブを作るには、増幅回路の部分を作らなくてはいけません。

ということでまずはオペアンプで、歪なしの普通の増幅回路を組み立てていきます。

オペアンプはLF353Nを使ってみた

今回使ったオペアンプはLF353Nというもの。

昔にエフェクターを作ろうと思って買ったんですが、当時右も左もわからず挫折し、、、、そのままパーツ入れに放置されていたを見つけたので、リベンジも込めてこれで設計してみました。

オペアンプ内部に2つの増幅回路が入っているデュアルオペアンプです。

今回は一つの増幅回路で十分だったので、デュアルのうち片方、左半分しか使いませんでした。

ちゃんと音が出るのか!?

回路を組んでいきましょう。

実際に回路を組む

今回も配線が容易なブレッドボードでいきます。

まずは電源部分から。9vとバイアス電源用の4.5Vを作る回路を配置していきます。

そこからどんどん飛んで、組み続けていきます。

タンタルコンデンサなんかも使ったりして。

とりあえず、オペアンプの増幅回路だけ完成です。

ボリュームが写っていないですが、1Mのポットを負帰還につないでいます。

R2のところですね。

今回R1のところは5.1Kにしてみてます。

電源をつないで音を出してみる

おお!

今回は一発で音が鳴りました。

-ギター用に入力インピーダンスを1Mに設定-

 

しかもちゃんとボリュームポットを回すと、音量が増幅されています(;´༎ຶٹ༎ຶ`) !

オペアンプの回路はエフェクター以外ならRec用に結構作ってきましたが、エフェクターでは初めてで新鮮です!

 

ボリュームを絞ると(抵抗値を最大にすると)逆に音量が増幅され、しかも最大に絞ると盛大に「ぴー!!!」っと発振します!

これがまさにオペアンプの増幅のキモであり、特徴です。

高域がハウリングしやすい。

オペアンプの仕組みについても、別の機会に書きたいと思います。

とにかくしっかりとオペアンプで、ゲインを得ることに成功しました!

そして、オーバードライブさせる

ようやく本筋にたどり着きました。

この増幅回路にダイオードを加えてオーバードライブさせてやりましょう(;´༎ຶД༎ຶ`) 待ってました!

こんな感じで、オペアンプの増幅回路の負帰還(ネガティブフィードバック)のところに並列にダイオードを二つ、それぞれ違う方向に接続してやります。

今回は普通のダイオードとLED(発行ダイオード)の二つを使って実験です。

-赤色LEDとSD103Aと表記されている小さなショットキーダイオード-

で、ぷすぷすっとボードに挿してみました。

すると、、、

これがですね、すんごく歪みますのよ(;;;՞;ਊ՞;;) 

思ったより歪んで、小生かなり驚きました。

ファズよりも確かにきめの細かい歪みですね。

増幅度を上げていくと発振がひどくなるので、発振防止のために小容量のコンデンサ(pfピコファラドレベル)をダイオードと同じように並列につなぐと効果的らしいのですが、あいにくちょうどいい値のコンデンサが手元になく、、、今回の実験では接続していません。

仮にコンデンサの容量を大きくすると(1ufとか)ハイがカットされすぎになってモッコモコになりますので、コンデンサはピコやナノなどの小さな値を挟む方がエフェクター的には良いです。

これも実際ボードに組んでみて体感できました。

完成したブレッドボード上のオーバードライブ回路

 

ダイオードはここで差し替えます↓

強くピッキングすると電圧が上がってLEDがピカピカ光るのが面白い!

録音した音源比較

回路が完成したので音を録音してみました!

当サイトはDTMを中心に記事を書いているサイトですので、録音はやはりラインで、dawを使ってデータ化!

前回のFuzzの時も同じ方法で録音しています。

オーディオインターフェース(Steinberg UR22 mk2)のHI-Zにオーバードライブなしで直差しした素の状態での録音と、オーバードライブを通してラインインした2バージョンで録音しました。

ギターはストラト。

ピックアップのポジションはリアです。

生のエレキギターの音に近くするため、LOGIC X のアンプシュミレーターの一番はじめにプリセットされてるvoxのやつだけトラックのプラグインに挿さった状態です↓

シュミレーターの音はハイを若干カットした以外は、つまみはそのまま、クリーンな音になってます。

 

※ダイオードの接続方法によってゲインのレベルがかなり変わるので、なるべく同じレベルで録音できる用にオーディオインターフェースの入力レベルは各自調整しています。

 

元の音

ということでまずはオーバードライブをかけてない素の音から。

 

ダイオード各一つずつの対象クリップ

 

ダイオードとLEDの非対称クリップ

 

ダイオード二個直列と、LEDの非対称クリップ

 

ダイオード一個と、LEDとダイオード2個直列の非対称クリップ

うーん、それぞれ歪み方がちゃんと違います。

LEDを入れるとコンプっぽくなる?その解除方法

LEDがクリップ回路に入ると強制コンプのような状態になってしまい、上の音源でも音がブツ切れになる現象が起きてます。お聞き苦しくてすみません、、、。

ですのでどうにかならないものかと色々と試していたところ、ギターの信号入力後に抵抗を挟んだら、キレイにブツ切れが解決しました!

よく出回っている回路図に出てくる入力のところの抵抗は、このブツ切れ?を抑えるためだったんですね、、、。

意味がわかりました。

※あとで調べたところ、オペアンプやトランジスタを壊さないための保護部品でもあるみたいです。確かにLEDもギターの信号に合わせて結構ピカピカ光っていたので部品には悪そうです、、、

ということで、そこに挟む抵抗の値によっても音が変わる気がしたので、これもおまけで録音してみました。

ダイオードの組み方は、ダイオード一個と、LED+ダイオード直列の非対称クリップです。

これに抵抗を入力部分に加えたバージョン。

入力の抵抗が10k

入力の抵抗が100K

抵抗なし

最後はフレーズ違いますが、、、同じセッティングで抵抗の有無、数値の違いでこうも変わるものなんですね(´◔౪◔)◞

 

まとめ

すっかりエフェクターの回路にはまってきてしまいました。

今度はディストーションの基本回路を作ってみたいなあ。

それかオペアンプをゲルマニウトランジスタの増幅に置き換えてみてもまた音が変わりそうですね、、、、。

これは終わりのない旅になりそうです。

みなさんハマるのも無理はない、、、、。

さらにエフェクター回路の基礎部分を実際に作っていけば、組み合わせ次第で自分の好きな音が作れるようになるかも?しれません(՞ټ՞)

最後に今回僕が試してみた回路図を貼っておきます。

すーごくありきたりですが、、、、ちゃんとオーバードライブしてましたので、作ったことがない方はぜひトライしてみてください!

アデュー(´◔౪◔)◞

 

今回の回路設計で参考にした本。

初心者向けではありませんが、エフェクターの仕組みにもう一歩踏み込みたい方にはとてもおすすめです!僕は好き。

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