宅録用マイクプリアンプの大定番FOCUSRITE ISA One。
宅録用、といえどプロクオリティーでも十分戦力になる音質です。
当サイトでも、初めて手にするマイクプリアンプなら「これ!」と一押しの逸品。
そんなISA ONEのレビュー記事となります。
目次
FOCUSRITE ISA ONEのここがすごい
早速ですが、ISA ONEのすごいところをざっと挙げていきます。
- 設計の大元がRupert Neve大先生
- 音がすごく良い
- 1CH十万円以上のクラスとも渡り合える音質
- なのに5万円
- 機能がこれでもかって言うほど豊富
もうはじめに言い切らせていただきます。
ISA ONEは穴がない、完成されたマイクプリアンプです!
あとは使う楽器に合う合わない、または好みかそうじゃないか、と言った部分で評価していくレベル。
僕もたくさんマイクプリアンプを使って来ましたが、ISA ONEは未だに好きですし、レコーディングでも度々使います。
それではもう少し細かく、掘り下げてみましょう。
設計の大元がルパートニーブ(Rupert Neve)!
ご存知の方も多いと思いますが、ISA ONEを設計した大元の人物はルパート・ニーブさんです。
ルパートニーブさんといえば、未だに現役で(もうおじいちゃんです)製品を作り続けている生ける伝説。
彼がこれまで作り続けてきたレコーディング機材は、軒並み高価なヴィンテージものとして、未だに世界中で売り買いされています。
Neve 1073 Preamp + EQ with rare Vintage Marinair Transformers (icluding Octal) | eBay
NEVE 1073といえば、DTMerなら誰しもがプラグインなどで目にしたことがあるかと思います。
ニーブに関しては別記事にて書いていますので、もし良ければ合わせてお読みください〜(`・ω・´)
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色んなフォロワーメーカーもたくさんあり、一筋縄ではいかないのもNEVEの世界の面白さです。
ISA ONEは音が良い!
そんなニーブさんの設計を踏襲しているISA ONEですから、当然クオリティーも半端じゃありません。
音が良い!
マイクプリアンプの一番大切な役割は、ノイズなくマイクの音量を稼ぐこと。
その点は当然のようにクリアしていますが、それ以上に音質がとても音楽的です。
音楽的?
というと、かなり曖昧な表現ですが、、、、聞いてみればどなたもしっくりくると思います。
FOCUSRITE ( フォーカスライト ) / ISA One サウンドハウス
しっくりくる。
僕的にISA ONEの音を表すと
- クリアなのに痛くない
- 太くて、柔らかい質感もある
- なのにこもることもない
- 広域の抜けも良い
- 聞いてて気持ちが良い
と、結局ありきたりな言葉が並びますが、、、クリアなのにもちっとした感じといいましょうか。
クリアさも、尖ったような現代的(DTMにありがち)な音じゃありません。
明瞭と言った方が良いかもしれません。
またISA ONEのふくよかさは、今では若干のヴィンテージ臭にも感じられます。
10万円以上のマイクプリアンプとも渡り合える音
10万円以上するマイクプリアンプにも引けを取らない音質だと思います。
例えばAPIとかそれこそオールドのNEVEとか、、、。
API ( エーピーアイ ) / 512C サウンドハウス
マイクプリアンプって、使う場面やエンジニアさんの好みによってチョイスが変わります。
例えば
- リズムにはAPI
- ベースはNEVE系
- ギターはチャンドラーリミテッド
- ボーカルはTUBE-TECH
など。例えばです。
楽器ごとにマイクプリアンプを変えていくのは、レコスタなどでは普通のこと。
理由は、音の位置が被らないようにするため。
そんな音のチョイスの中に、例えばISA ONEが入り込んでも、音質的には全く引けを取りません。
現にISA ONEの4CHバージョンもレコスタでよく見かけます。
FOCUSRITE ISA428 mkII サウンドハウス
つまり、クオリティーとしてはバッチリ要件を満たしています。
繰り返しになっちゃいますが、あとは好みの問題!
ISA ONEの音が気に入れば、壊れるまで一生付き合える良き相棒となってくれます。
やっぱり5万円は破格です。
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機能が豊富
ISA ONEは「こんなにいります?」ってくらい機能が豊富。
大盤振る舞いしすぎだろ〜(;´༎ຶٹ༎ຶ`) といいたくなるほど。
-前面パネル左-
マイクプリアンプとしても勿論、ラインアンプやDIとしても使えます。
マイクプリに関してはmax80dB!という十分なゲインも備えています。
リボンマイクなど出力が低いマイクにも対応可能。
また面白いのが、入力のインピーダンスを4パターン選べること。
切り替えると、音質が若干変わって来ます。ちょっとした味違いを楽しめるんです。
他にも、
- 位相反転(フェイズ)
- ファンタム電源
- ハイパスフィルター(ローカットスイッチ)
など基本的な機能もバッチリフォローしてくれています。
-前面パネル右側-
ヘッドフォンでリアルに入力した演奏を聴ける他、マイクプリアンプだとあまりお目にかかることがないVUメーターまで付いています。
VUメーターは針の動きで音量を追えるので、ゲインの確認がしやすいです。
こんな感じ。
右側にはさらにデジタルのLCDメーターまで。なんで2つも(笑)コストかけすぎ。
ヘッドフォンに関してはあまり使うことはありませんが、せっかくなので今度試してみましょう!
そういえば、どんな音なのか聞いたことすらありませんでした(笑)
-背面パネル-
これまたびっしりジャックが並んでいます。
基本的にはMIC INとLINE INとMAIN OUTの3箇所を使います。
INSERTもそういえば試したことないですね、、、、。こちらも今度やってみましょう。
電源はユニバーサル電源なので、100〜240Vまで対応。
昇圧したら少し音が変わったり?するのでしょうかね、、、。気になる。
録音してみた
それではテストで録音してみます。
比較するのはオーディオインターフェース直の音と。
ちなみにオーディオインターフェースにも付属のマイクプリは付いています。
今回はUNIVERSAL AUDIO APOLLO X6を使って試します。
-下のやつ-
せっかくなので、UA APOLLO Xのユニゾン機能(マイクプリのモデリング機能)も使い、
プラグインでモデリングしたNEVE1073の音などとも比べてみます。
ユニゾン機能についてはこちらの記事に詳しく比較記事があります。
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簡単に書くと、挿すプラグインによってAPOLLO Xのマイクプリの音が変化する機能です!
マイクはNeumann M149。
アコギのトラックを2本録音しました。
左右にパンで振ってあります。
ISA ONEにはインピーダンスを変更する機能があるので、4パターンそれぞれ録音しました。
-インピーダンスを変更-
リズムはLOGIC Xの付属ループ。
録音した音にはコンプやEQなどプラグインは一切かけていません。
フェーダーで音量を合わせたのみ。
それでは聴き比べを!
まずはUA APOLLOのオーディオインターフェース直から。
UA APOLLO X ダイレクト
UA APOLLO X NEVE1073 ユニゾン
UA APOLLO X UA610 ユニゾン
UA APOLLO X API CONSOLE ユニゾン
FOCUSRITE ISA ONE LOW IMP
FOCUSRITE ISA ONE ISA 110 IMP
FOCUSRITE ISA ONE MED IMP
FOCUSRITE ISA ONE HIGH IMP
感想
ムムム〜!!
それぞれ音が違います。 !
本当に変わるもんですね。当然なんですけど。
録音していた当初のイメージでは、圧倒的にISA ONEを通した方が良い!と思ってました。
しかしUAのユニゾン機能もかなり良い(笑)恐ろしいモデリング技術です。すげえなUA。
逆にユニゾン機能を使わない状態のAPOLLO XとISA ONEでは、その違いは明らかですね。
やはりISA ONEを通すと、音の抜けと楽器の表現力がググッと上がります。
インピーダンスの変化に関してはHIGHに行くほど、高域が目立ちます。
ただ音が痩せて聞こえる気も。個人的にはLOWとISA110あたりが好きですね。
抜けも良く、もっちり感もありつつで、アナログらしさが美しいです(;´༎ຶٹ༎ຶ`)
やっぱりマイクプリアンプは音楽を作る上でとても大事な要素だと改めて実感します。
UAも良かったですね。
UNIVERSAL AUDIO / APOLLO TWIN X / DUO Heritage Edition サウンドハウス
一台でたくさんのマイクプリアンプの味を楽しめるのはやはり魅力的です。
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ISA ONEの不満点
さて、ここまで良いところばかりを挙げてきましたが、不満点も正直にお伝えしましょう☚(꒪ټ꒪☚)
あくまで個人的に思っていることです。
無駄にでかい!
そう、なんだか中途半端にでかいんです、ISA ONEは(;´༎ຶД༎ຶ`)
安いし、音もいいし、昨日も豊富。おまけにデザインも好きです。
ただなんでこんなサイズ感にしたんだろうと。
横幅は良いんです。58と比べてもこの程度。
ただね、奥行きが長め。
- 横 220mm
- 奥行き 254mm
- 高さ104mm
サイズがもう少しどうにかなってくれたら、もう完璧なのになあと。
音もすごく好きなので、いずれはステレオ録音用に2CHタイプも狙っています。
FOCUSRITE ISA Two サウンドハウス
こちらなら1Uサイズなので、ラックケースにラッキングもできて場所もとりません!
不満点といえば、これくらいですね(`・ω・´)
他は最高です。
まとめ
マイクプリアンプを導入しようか迷っている方に、これだけはいえます。
FOCUSRITE ISA ONEは間違いない一台です。
そして、この価格が信じられないクオリティです。
FOCUSRITE ( フォーカスライト ) / ISA One サウンドハウス
逆にこれよりも下の価格帯のものは一気にクオリティが下がってきますISA ONEが良すぎるため)
マイクプリアンプは泥沼化するカテゴリ。
はじめの一歩は大事に踏み込んでください。
数年先はたくさんのマイクプリを所持しているかもしれません。
そうなってもISA ONEは末長〜く付き合える一台です!
本当にオススメ!
最後までお読みいただきありがとうございました!
*追記:DI入力の音質も検証してみました。
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