Telefunken V672のレビューです。
1960年台製のヴィンテージなモジュール。
知る人ぞ知るなアイテムですが、巷ではNeveキラーと称されています。
現行品ではないのでオークションでしか手に入りませんが、好きな人には唯一無二の相棒となってくれる逸品!!
どんな機材なのか?
目次
TELEFUNKENとは?
TELEFUNKEN(テレフンケン)といえば、
真空管でピンとくる方が一番多いのではないでしょうか?
音響の国、ドイツのメーカーです。
オーディオ好きな方の間でもこちらのチューブは有名かと思います。
底面にダイヤが無くてプリントが擦れないと偽物、、、なんて言われている曰く付きのやつ。
そして現在でもTelefunkenはレコーディング機器を販売しています。
TELEFUNKEN ( テレフンケン ) / M80 サウンドハウス
このマイクはかなり売れてそう。
僕も使用してましたが、とても抜けが良く解像度が高いです!
ほかにも
TELEFUNKEN ( テレフンケン ) / TF51 サウンドハウス
プロ向けの真空管マイクも販売しています。
現在ではNeumann(ノイマン)などに比べるとあまり目立っていませんが、
とても歴史のある企業。
それこそNeumannとともにドイツ/ヨーロッパの音響界隈を引っ張り続けてきた存在でした。
Telefunken Maihak V72 Tube pre-amp in custom rack
例えばこちらのTelefunken V72。
ビートルズレコーディングで使われていたことでも有名です。
厳密にはV72にも型番がたくさんあり、
どのV72がビートルズアンプかで賛否が分かれています。
つまり熱心がマニアが多い証拠でもあります。
多くの歴史的名機を生産してきたTelefunkenですが、中でも1950~1970年代前半あたりが黄金期。
ちょうどNeveと入れ替わるくらいの時期ですね。
この頃に作られたモジュールが今でも非常に人気です。
もう半世紀以上前です、、、。
個人的にとても好きなメーカー。
高解像度のダイナミックマイクTelefunken M80のレビューはこちら👇
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Neveキラーと称されるトランジスタアンプ
そんなTelefunken製のV672。
「NEVEキラー」なんて呼ばれています。
見た目はとても可愛いただの箱。つまみも何もありません(笑)
ヴィンテージNeve同様、元々コンソールに搭載されていた部品(アンプ)の一部です。
動かすには配線したり、ラッキングしたりする必要があります。
ちなみにV672はNeve1272と比較されNeveキラーと呼ばれました。
というのも、両方ともユニバーサルアンプと呼ばれるもので、
配線の仕方や抵抗の付け方次第でマイクプリになったり、ラインアンプになったりします。
Neve1272
昔持っていたNeve1272。これはつまみを後付けしてますが、本来はただの箱のモジュール。
しかし中身は1073のアンプ部分と同等なので、再配線すればマイクプリ化できます。
ブレントアブリルがこの手法を初めに編み出したと言われています。
V672 VS Neve1272。
この対決についての有名なコメントはこちらのサイト様が掲載されていますのでご覧ください(*現在リンク切れ)
どうやらV672が勝利した模様です。
ちなみにV672は前述のビートルズアンプV72の後継機になり、
真空管→トランジスタへと増幅素子が変わった点が特徴。
大きな時代の変化の中に刻まれた歴史的作品とも捉えられますね!
中身は素晴らしくヴィンテージ
それでは中身を見てみましょう。
現行の機材とどんな感じに違うのか。
はい、もうやばいです。
このトランスの古びた感じ。歴史しか感じない!!
グリーンのトランスは最初期のロットにしか入ってません。結構貴重です。
V672はアウトプットトランスが2つあります。パラレルで出力することも可能。
インプットトランス。こちらも古びていて味がある、、、。
ちなみにV672も時期ごとにバージョンがいくつかあり、
トランスが変更されていたりと、少しずつ音も違うのだそうな。
アンプカードは外れるようになってます。
久しぶりに中をみてみたらコンデンサーが粉を吹いてました。
まだいい感じに動いてるけど、、補修した方が良いのかもしれません。
色の感じ、美しい。
アンプカードは3枚入り。
全てコンデンサーが怪しいことになってました、、、。
とりあえず雰囲気重視でまだ触るのはやめときます。
当時のパーツは貴重ですし。
こちらはAPIの現行機512Cの中身。
良い悪いではなく、基本的な作りが違います。
APIも2520オペアンプを見るだけでテンション上がりますけどね!
API512Cの記事はこちら👇
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API 512Cレビュー|カラッと抜ける定番マイクプリアンプの音質を実機で検証 | DTM DRIVER!
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ラインで録音してみた
せっかくなのでラインで音を通して録音してみました。
こんな古びたモジュールからどんな音が出るのか。
マイク録音ではよく使っているのですが、ラインを通すのは久しぶり。
マイク仕様で配線しているので、
インピーダンス的にはあまりよろしくないのでしょうけど、、。
とりあえず雰囲気ということで!
元音源はLOGIC Xのループを組み合わせたものです!
各ループをモノラルでラインINして戻し、素材をパンで振りました。
プラグインは一切なしです。
元の音源
TFK V672ライン
感想
やっぱりパンチが出てきます(笑)
ザ・TELEFUNKENサウンド。
APIやNEVEとはまた違う、独特のパンチ感があります。
これが、たまらないです。未だに使いたくなる音です。
そしてびっくりするくらい、こもったりしません。
ヴィンテージ機器ですが、かすれている訳でもなく、、、
あんなに中身が古びていてもこんな音を出してくれます。
そしてついでに、各パートもソロで書き出してみました!
ギター オリジナル
ギター TFK
リズム オリジナル
リズム TFK
ベース オリジナル
ベース TFK
ピアノ オリジナル
ピアノ TFK
感想2
ギターとリズムが特にわかりやすく変化しますね!
ハイミッドら辺がビシッと飛んできます。
V672のS/Nがちょっと悪いのは、多分僕の録音の仕方のせいです、、、。
レベル合わせをちゃんとやればもっと良くできたはず。
実際マイク録音の時、S/Nが気になったことは一度もありません!
この点もドイツヴィンテージ機材は全般的にすごいです。
基本的にとてもS/Nがいい。
マイク録音した音源付きの記事はこちら👇
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どこで手に入るのか?
と、ここまで書いてきましたが、V672はタイミングが合わないとゲットできません。
現行機ではないので、中古市場で探す必要があります。
一時期よく市場に流れていましたが、残念ながら最近見る機会が減りましたね、、、。
やはりebayやReverb.comあたりの海外オークションをチェックするのがおすすめ。
ヤフオクでもたまに見かけます。
運が良ければモジュール1台30000〜35000円ほどの破格でゲットできることも。
ただ、最近は為替の影響や輸送費高騰で価格も鰻登りです。
すぐに使用できるラッキングされているものだと十数万円することも。
それでも音質的には破格だと思いますよ。
ebayやReverb.com利用の注意点まとめはこちら👇
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ヴィンテージ機材のデメリットも忘れずに!
ただし、ヴィンテージ機器は新品よりも寿命が短い可能性もあります。
新品でもすぐに死ぬ製品もあったりするので、、、ここは運ですが、、。
基本的にメンテナンスが必要になること前提で付き合うことになります。
そこを超えて魅力を見出せる方以外は手を出さない方が吉かもしれません。
現行機の方が断然安心です。
僕はヴィンテージも現行も好きなので、覚悟して今も使ってます!
ヴィンテージ機材の考え方や注意点についてはこちら👇
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まとめ
以上、少しマニアックな記事となりました。
僕はこんな感じの、当時のTelefunkenラックにDIY配線を行っています。
装着した形。
ドイツ機器はとても魅力的ながら、比較的リーズナブルな相場。
市場に流れる数は年々減ってますが、もしチャンスがあればお試しください!
最後までお読みいただきありがとうございました!