SSL Native Channel Strip 2とSSL9000実機で、同じ元音源を使って音を比較してみました。
実際に聴き比べると、細かな違いはありましたが、音色の方向性はかなり似ていると感じました。
その一方で、僕にはプラグインの方がクリアでパキッと、実機の方がふくよかでヌメっとした質感に聞こえます。
比較音源も残しているので、実際に聴き比べてみてください。
目次
SSL Native Channel Strip 2とSSL9000実機を比較する
今回使うSSL UC1は、SSL Nativeプラグインを物理操作するためのコントローラーです。
SSL (Solid State Logic) ( ソリッドステートロジック ) / UC-1 サウンドハウス
今回、音を処理するのはUC1そのものではなく、SSL Native Channel Strip 2です。
このプラグインと比較するために、手元にあるSSL9000のチャンネルストリップ実機を使いました。
SSL 4000E/G系をモデリングしたプラグインはよく見かけますが、9000系は僕が探していた当時はそれほど多くありませんでした。
比較条件|同じ元音源を近いEQ・コンプ設定で処理
まず、比較に使った元音源はこちらです。
この音源をベースに、2種類の音源を作りました。
- SSL Native Channel Strip 2を挿してEQ・コンプ処理した音源
- SSL9000実機へラインアウト/インし、近いEQ・コンプ設定で処理して録音した音源
EQとコンプの設定は、iZotope Tonal Balance Control 2も参考にしながら決めています。
さらに両方の音源とも、ステレオアウトにはSSL Native Bus Compressor 2を挿しています。
このバスコンプも使いやすく、当時かなり気に入って使っていました。
SSL9000実機へのラインアウト/インにはUA Apollo X6を使用しています。
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比較音源を聴き比べる
元の音源
SSL Native Channel Strip 2で処理した音
元音源より少し音量が上がるので、再生時はご注意ください。
SSL9000実機で処理した音
比較して感じた音の違い
実際に聴き比べると、まず感じたのは音色の方向性がかなり似ていることです。
完全に同じ音ではありませんが、SSL Native Channel Strip 2が実機とはまったく違う方向を向いているようには感じませんでした。
プラグインはクリアでパキッと感じた
僕の耳では、SSL Native Channel Strip 2の方がクリアで、少しパキッとした質感に聞こえます。
輪郭が見えやすく、スッキリした印象です。
実機はふくよかでヌメっと感じた
対してSSL9000実機は、もう少しふくよかで、僕には少しヌメっとした質感に聞こえました。
僕自身は、この実機側の質感がかなり好きです。
実機は音像が少し下へ下がるように感じた
もう一つ感じたのが、実機の方が音像の位置が少し下へ下がるように聞こえることです。
これは今回に限らず、僕がこれまでプラグインとアナログ機材を比較してきた中でも何度か感じてきた違いです。
ただし、なぜそう聞こえるのかまでは僕には分かりません。
また、今回センターの位置にも少し違いがありますが、これは実機側で左右のバランスを完全に揃えられていなかった影響だと思っています。
そのため、左右位置の違い自体はプラグインと実機の音質差として見ない方がいいです。
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完全に同じ条件での比較ではない
今回の比較は、厳密に同一条件で測定したテストではありません。
実機はアナログ機器なので、プラグインとEQやコンプの設定を完全に同じ値へ合わせることはできませんでした。
さらに実機側は、Apollo X6からラインアウトし、SSL9000を通して再び録音しています。
そのため、今回の音源は「完全な再現度」を測るためのものではなく、近い設定で実際に処理した時に、どんな方向性と質感の違いを感じるかを見る比較です。
違いを大きいと感じるか、小さいと感じるかも人によって変わると思います。
音源も残しているので、実際に聴いて判断してもらうのが一番分かりやすいと思います。
SSL Native Channel Strip 2は実機より運用しやすい
音の質感には違いを感じましたが、日常的な制作での扱いやすさはプラグインにかなり大きなメリットがあります。
- 複数のトラックへ挿せる
- 設定をすぐにリコールできる
- オン/オフなどのA/B比較がすぐできる
- 実機ほど高価ではない
- 実機より入手しやすい
特にセッションを開くだけで設定をそのまま呼び戻せるのは、実機にはない大きな便利さです。
SSL Native Channel Strip 2は、プラグイン単体として見てもかなり気に入っています。
ポチップ
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SSL9000実機には今でも好きな質感がある
一方で、SSL9000実機には僕が好きな実機ならではの質感があります。
今回の比較でも、ふくよかさやヌメっとした感触、音像が少し下へ落ち着くような感じは実機側に感じました。
ただ、実機は使うためのルーティングが必要ですし、古いアナログ機材を使い続ける以上、故障への不安もあります。
ヴィンテージ系の機材は、音が好きでも維持にはどうしても手間がかかります。
その点、プラグインは安定して使えて、ここまで実機と近い方向性の音を出せるのが大きな魅力でした。
UC1を使えばChannel Strip 2を物理的につまみで操作できるので、プラグインの便利さを残しながら卓を触るように操作できます。
ただし、UC1本体はかなり大きいです。
まとめ|方向性はかなり近いが質感には違いを感じた
SSL Native Channel Strip 2とSSL9000実機を近い設定で比較したところ、僕には音色の方向性はかなり似ているように聞こえました。
一方で、細かな質感には違いがあります。
僕の耳では、プラグインはクリアでパキッと、実機はふくよかでヌメっとした方向です。
さらに実機では、音像が少し下へ下がるような感覚もありました。
音だけで選ぶなら僕は今でも実機側の質感が好きですが、Channel Strip 2にはリコールや複数トラックでの使用など、制作上の大きなメリットがあります。
実機との違いは感じつつ、プラグインの便利さと音の良さは積極的に使っていきたいと思える比較結果でした。