WARM AUDIO WA-2Aの使用レビューです。
LA-2Aタイプのオプティカルコンプレッサーで、実際にアコギ・ドラム・ボーカルなどへ使ってみました。
特に印象に残ったのは、深めにリダクションしても自然で滑らかなこと。
テスト音源も用意したので、実際の音と合わせてまとめます。
目次
WA-2Aは深くかけても自然で滑らかなオプトコンプ
非常にナチュラルです。
これぞオプトコンプ(光学式コンプ)と言いたくなるようなスムースさ。
滑らか。オーガニック。自然。そんな形容詞がぴったりです。
特に面白かったのが、ドラムを10〜20dBほどかなり深くリダクションした時。
かなり潰しているのに、1176タイプのようにパッコンパッコンにはなりません。
実際はかなりリダクションしているのに、結構自然です。
もっと「コンプしてます」という感じを出したい場合は、1176などのFETタイプの方が合いやすいと思います。アタックとリリースも調整できますし。
1176コンプをドラムに深くかけた例
LA-2Aタイプは、何も考えずとも自然に、簡単にコンプできるのが大きな特徴だと感じます。
アコギ・ドラム・ボーカルでWA-2Aの音を比較する
今回はラインで音を取り込みながらチェックしました。
メーターをゲインリダクションモードで0に合わせます。
LOGIC Xでループ音源を組み、アコギとドラムをラインから単独で送り、コンプの設定を変えながら数ファイル作りました。
音源はモノラルです。
元のファイル
アコギ|2〜3dBリダクション
アコギ|PRE-EMPHASIS
PRE-EMPHASISを調整して、低域を引っ掛けにくくしながらゲインリダクションしています。
アコギ|LIMIT
ドラム|2〜3dBリダクション
今度はドラムのみにWA-2Aをかけています。
ドラム|PRE-EMPHASIS
キックにコンプがかかりにくいようにPRE-EMPHASISを調整します。
ドラム|10〜20dBリダクション
試しにかなり深めにゲインリダクションしてみました。
ドラム|LIMIT
ボーカル|元のファイル
ボーカルを加えた元ファイルです。
ボーカル|2〜3dBリダクション
ボーカル|10〜20dBリダクション
かなり深くかけた場合です。
ボーカル|LIMIT
ボーカルでもやはり自然なかかり方です。
かなり深くリダクションしても、原音が大きく崩れる感じがありません。
ボーカルはダイナミクス差が大きくなりやすいので、それを一定に揃える時に、この自然なかかり方は使いやすいですね。
多少深くかけても不自然になりにくく、扱いやすく感じました。
PRE-EMPHASISで低域へのコンプの反応を調整できる
PRE-EMPHASISつまみが前面にあります。
以前は背面にあったようですが、使い勝手を考慮してマイナーチェンジしたようですね。
PRE-EMPHASISはサイドチェーン側の周波数反応を調整する機能です。
低域にコンプが過剰反応しにくい方向へ調整することもできます。
アコギでも使えますが、個人的にはドラムでキックを引っ掛けすぎたくない時に分かりやすかったです。
単純に全帯域へ同じように反応させるだけではなく、サイドチェーンの周波数反応を調整できるので、かなり実用的でした。
UAD LA-2Aもかなり良いが、WA-2Aの方が少しふくよかに感じた
ハード版WA-2Aの音を確認したところで、UADのLA-2Aプラグインとも比べてみました。
今回はアコギにかけています。
元のファイル
UAD LA-2A|2〜3dBリダクション
WA-2A実機|2〜3dBリダクション
UAD LA-2A|LIMIT
WA-2A実機|LIMIT
UADもかなり良いです。
そのうえで、僕はWA-2A実機の方が少し好みでした。
音のふくよかさや心地よさが、若干ですがWA-2Aの方が上に感じます。
ただ、その差は大きいものではありません。
UADも改めて良いプラグインだと感じました。
挙動も軽いですし、ボーカルには普段からよく使っています。
ADL1000とはかなり違う|WA-2Aは柔らかくオケに馴染む
ADL1000
LA-2Aタイプとして、長らくADL1000という機材も使っていました。
今は手放していますが、WA-2Aとはかなりキャラクターが違ったので覚書を残しておきます。
ADL1000の方が高域が伸びるイメージです。
通すだけでピリッとソースの線が立つというか、一歩前に出てくる感じ。
逆に少しハイが耳障りになることもあったので、ミックスではEQで削ることもしばしばありました。
同じLA-2Aタイプですが、サウンドは両者で結構真逆だと思いました。
WA-2Aは、ハイが伸びる感じというより、オケにジュワッと馴染むような音色ですね。
ポチップ
柔らかい質感です。
音を前に出したい用途でオプトコンプを使いたい場合は、ADL1000も良いと思います。
ただ現行品ではないので、その点は理解した上で探す必要があります。
WA-2Aの内部構造|T4B・CINEMAG・真空管を確認
機材が好きなので、中身も開けて見てみました。
LA-2Aタイプらしく、内部は比較的シンプルです。
まず、オプトコンプの心臓部となるオプトセル。
音声信号に応じて光量が変化し、その光を使ってゲインリダクション量を制御します。
T4Bという型番は元祖から受け継がれています。WA-2AはKenetek製のものを使用しています。
Early Teletronix T4B #5 Opto Cell, New EL Panel, Tested, In Spec, Works Well. UU
オリジナル系のT4Bが中古市場に出ていることもあります。
マニュアルにはT4Bのほか、T4AやT4Cについても記載があります。
WARM AUDIOではおなじみのCINEMAG製トランス。
丸い方がインプット側です。
こちらがアウトプット側。
大きなフィルムコンデンサーも目を引きます。
真空管は4本入っていますが、内部にはもう一つソケットがあります。
真空管を変更する場合は組み合わせに注意が必要なので、内部を触るならマニュアルを確認した方が良さそうです。
12AX7はTung-Solの真空管でした。
電源部にはトロイダルトランスが使われています。
操作・入出力・外観
ここからは外観と操作周りを見ていきます。
箱はかなりずっしりしています。
付属品は電源、WARM AUDIOのカタログ、製品説明書、ステッカー。
本体は落ち着いたカラーで、外装もしっかりしています。
つまみは連続可変ではなく、ゆったりとしたクリック式。
設定の再現性が高まります。
VUメーターの調整もノブ付きで、マイナスドライバーを使わずに調整できます。
LIMITモードも搭載されています。
背面はシンプルです。
接続にフォーンジャックがあるのは地味に便利。
マイクプリの後段へつなぐ場合も、フォーンタイプの短いケーブルで接続できます。
僕が購入した個体は100V仕様で、本体にも100V ONLYの表記があります。
WA-2AはLA-2Aタイプのオプティカルコンプレッサー
WA-2AはTELETRONIX LA-2Aをベースにしたオプティカルコンプレッサーです。
UNIVERSAL AUDIO / LA-2A サウンドハウス
以前はADL1000というLA-2Aタイプも使っていました。
WARM AUDIO ( ウォームオーディオ ) / WA-2A サウンドハウス
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まとめ
WA-2Aは、深めにリダクションしても自然さを保ちやすい、滑らかなLA-2Aタイプのオプトコンプでした。
アコギ・ドラム・ボーカルで試しましたが、特にボーカルのようにダイナミクス差が大きいソースでは、この自然なかかり方が使いやすいです。
PRE-EMPHASISでサイドチェーンの周波数反応を調整できるのも実用的でした。
UAD LA-2Aもかなり良いですが、僕にはWA-2Aの方が少しふくよかで心地よく感じます。
以前使っていたADL1000ともキャラクターはかなり違い、WA-2Aは音を前へ押し出すというより、オケへジュワッと馴染む柔らかい方向でした。
今回はライン音源での比較ですが、過去に使ってきたLA-2Aタイプの経験からは、マイク録音でも試したくなるコンプレッサーです。