Chandler Limited Germ 500 MkIIの使用レビューです。
実際に使ってみると、太くてオーガニック。柔らかさもあるけど、かなり野太いマイクプリアンプです。
さらにFEEDBACK、THICK、PADとGAINの組み合わせで音がかなり変わるので、一台の中で積極的に音作りできます。
同じChandler LimitedのTG2-500とは兄弟のような立ち位置ですが、実際に比べると音色は結構違いました。
Neumann U87を使い、Germ 500 MkIIを4パターンの設定で録音した音源も比較します。
*2021年の記事をベースに、2026年の知見を加えて加筆修正しました。
目次
Chandler Limited Germ 500 MkIIの音質レビュー|太くオーガニック
Germ 500 MkIIを使ってまず感じるのは、音の太さです。
ただ太いだけではなく、少し柔らかく、質感もかなりオーガニック。
2026年現在もTG2-500と一緒に使い続けています。
特に、柔らかくも野太い質感がギターにめちゃ合います。
NeveともSSLともAPIとも違う感じで、かなり個性的なマイクプリです。
Germ 500 MkIIのFEEDBACK・THICK・PAD|音質はどう変わる?
Germ 500 MkIIの面白いところは、つまみやスイッチの設定で音色がかなり変わることです。
同じマイクプリのままでも、FEEDBACK、THICK、PADとGAINの組み合わせで方向を動かせます。
FEEDBACKを上げると音が太くなる
真ん中にあるFEEDBACKつまみを右へ回していくと、倍音が増えるようで、実際に音もかなり太い方向へ変化します。
録音して聴き比べても、FEEDBACKを上げるセッティングにするほど音が太くなっていくように感じました。
THICKは低域が増えてふくよかになる
THICKをONにすると、低域が増えてかなりふくよかになります。
アコギではここまで低域はいらないかなと感じることもありますが、変化自体はかなり分かりやすいです。
先日ボーカル録音でも使ってみましたが、意外とTHICK ONも相性が良く、存在感が増しつつ質感がまろやかになる印象でした。
PADとGAINの組み合わせでも音が変わる
PADは単純な入力アッテネーターというだけではなく、入れることでGAINつまみの位置を大きく変えられます。
PADを入れてGAINもFEEDBACKも上げていくと、輪郭がはっきりしつつ音が太くなる感じがあります。
もう少しパンチ感を加えたい時には、この使い方も面白いです。
Neumann U87でGerm 500 MkIIを4パターン録音比較
設定によってどれくらい音が変わるのか、アコギを録音して比較しました。
比較音源の録音条件
マイクはNeumann U87を使用。
オーディオインターフェースはPrism Sound Titanです。
リズムトラックだけLogicの付属音源を使い、アコギを2トラック録音して左右にパンで振りました。
プラグインは一切使わず、録ったままです。EQ、コンプもかけていません。
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Germ 500 MkIIは各つまみの位置によって音色が変わるので、大きく4パターンに設定を変えて録音しました。
- ゲイン 7
- FEEDBACK 3
- THICKボタン ON
- ゲイン 8
- FEEDBACK 9くらい
- PAD ON
さらに以前録音したChandler Limited TG2-500の音源も並べます。
各ファイルの音量はなるべくフェーダーで揃えましたが、多少ズレがあります。
Chandler Limited Germ 500 MkII パターン1
Chandler Limited Germ 500 MkII パターン2
Chandler Limited Germ 500 MkII パターン3
Chandler Limited Germ 500 MkII パターン4
Chandler Limited TG2-500
Germ 500 MkIIは設定でどこまで音が変わる?
4パターンを聴き比べると、つまみの位置で音色がかなり変わるのが分かります。
FEEDBACKを上げるほど音が太くなり、THICKを入れると低域がさらに豊かになります。
PADを入れてGAINとFEEDBACKを上げた設定では、輪郭を残しつつ太さも出る感じがあります。
一台の中でここまで方向を変えられるのはGerm 500 MkIIの面白いところです。
Germ 500 MkIIとTG2-500の音質を比較
同じChandler LimitedのTG2-500も一緒に聴くと、かなりキャラクターが違います。
TG2-500はGermと比べると、きらびやかな感じ。
こっちも好きですが、Germ 500 MkIIはそれよりもオーガニックで野太い方向です。
かなりキャラが違う2機種だったんだなと、改めて感じました。
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Germ 500 MkIIはトランスレスのコンデンサーマイクで発振に注意
Germ 500 MkIIは音作りの幅が広い一方で、使う時に一つ気をつけたい点があります。
*本機では新しい発想により、かなり幅広い音色のクリエイトを可能にしています。極端なセッティングをした場合に
は低い周波数などにおいて発振が起きる場合があります。またトランスフォーマーレスのマイクロホンを使用した
場合のGAIN、FEEDBACK、THICKのコンビネーションにおいては稀に発振がおきる場合もございます。このような
現象が非常に稀であることから、Germaniumではこのプリアンプの特徴的な音質のカラーを重視した最終デザイン
を採用しています。また大抵の場合にはPADスイッチを使うことで発振を回避できます
マニュアルにもある通り、トランスレスのコンデンサーマイクを使った時に発振が起こることがあります。
僕も何も知らず、Neumann K184で動作確認していた時に実際に発振しました。
FEEDBACKを上げていくと、低音がハウリングを起こすようにブブブブっと鳴っていきます。
最初は「壊れてるのか?」と思ってかなりびっくりしました。
マニュアルを確認してPADスイッチを入れたところ、発振は起きなくなりました。
この点だけは、使う時に覚えておいた方がいいと思います。
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Germ 500 MkIIの機能|GAIN・FEEDBACK・THICK・PAD・DI
ここからは操作部分を見ていきます。
上からGAIN、フェイズ、ファンタム。
その下に、音作りの中心になるFEEDBACKがあります。
さらにマイク/DI入力の切り替えスイッチとDI入力端子。
この機種にはLINE入力はないようです。
一番下にPADとTHICKボタンがあります。
FEEDBACK、THICK、PADは単なる補助機能というより、前半の比較音源でも分かるように音作りへかなり関わってきます。
Germ 500 MkIIの外観と500シリーズでの使い方
本体は青いパネルに黄色いつまみ。
この青と黄色の組み合わせがかなり好きです。他ではあまり見ない配色ですね。
背面は500フォーマットの端子です。
ランチボックスにセットするとこんな感じ。
赤いつまみのTG2-500はGAINつまみが9時〜3時くらいまでですが、Germ 500は7時〜5時までかなり広く動きます。
Germ 500 MkIIにはDI入力もあります。
Germ 500 MkIIのフェイズ・ファンタムは下へ倒すとON
Germ 500 MkIIのフェイズとファンタムスイッチは、スイッチを下に下げることでONになります。
普通の機材だと上へ入れてONという感覚があったので、購入した当初は間違って使ってしまいました。
ここは最初だけ少し注意が必要です。
Chandler Limited Germ 500 MkIIとは?ゲルマニウム回路の特徴
Chandler Limited Germ 500 MkIIは、Chandler Limitedの創始者Wade Goekeがゲルマニウムトランジスタに注目して作ったマイクプリアンプです。

CHANDLER LIMITED ( チャンドラーリミテッド ) / Germ 500 MkII サウンドハウス
ゲルマニウムトランジスタはOld NeveやFairchild(662)のマイクプリアンプに使われていたことでも有名です。
僕もゲルマ素子を使ってFuzzを自作したことがあります。
ゲルマニウムトランジスタは現代の部品に比べると扱いに難しいところもありますが、独特の質感があります。
Germ 500 MkIIを実際に使った範囲ではS/Nもかなり良く、同じ設定で使っていて極端に音色が変わることもありませんでした。
ポチップ
そしてこのマイクプリの一番の特徴は、やはり積極的に音作りできることだと思います。
一台でいろいろな音を狙いたい時にはかなり重宝します。
まとめ|Germ 500 MkIIは太くオーガニックな500シリーズマイクプリ
Germ 500 MkIIは、個人的にはかなり当たりなマイクプリアンプです。
太くてオーガニック。FEEDBACKやTHICK、PADを使えば、そこからさらに音を動かせます。
TG2-500と併せて、2026年現在もバシバシ使い続けています。
ポチップ
柔らかくも野太い質感がギターにめちゃ合います。
ボーカルにはTG2-500の方がしっくりきています。
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