STRYMON El Capistan Echoの使用レビューです。
STRYMON DIGと同じディレイエフェクターですが、こちらはテープエコーをモデリングしています。
実際に使って印象的だったのは、テープらしく音が揺れて少し汚れるのに、ギターのフレーズはちゃんと抜けてくることでした。
TAPE AGEのスモーキーな感じやWOW & FLUTTERの揺れも気持ちよく、セカンダリーファンクションで加えられるスプリングリバーブもかなり好きです。
試奏動画とリアンプ音源も作りました。
目次
STRYMON El Capistanを使った結論|汚れて揺れるのにフレーズが抜ける
El Capistanは、STRYMON DIGのような透明なディレイとはかなり方向が違います。
テープエコーらしい揺れやスモーキーさが加わって、音にも少し太さを感じます。
それでもちゃんとフレーズが抜けてくる絶妙なアナログ感がありました。デジタルディレイなんですけども。
音を汚したり揺らしたりしているのに、輪郭まで一緒に埋もれてしまわないところが使いやすいです。
設定できることはかなり多く、奥へ入ると結構複雑です。
ただ、普通にテープエコーとして鳴らすだけなら直感的に触れます。適当にいじっていてもそれっぽい音になるので、かなり遊べるペダルでした。
ポチップ
テープらしい揺れとスモーキーな質感が気持ちいい
El Capistanで一番楽しいのは、やっぱりテープエコーらしい音の揺れと汚れです。
WOW & FLUTTERの揺れが気持ちいい
WOW & FLUTTERを上げていくと、テープマシンの機械的な速度変動を再現したピッチの揺れが強くなっていきます。
このワウフラッターの感じがたまりません。
TAPE AGEを上げるとスモーキーになる
TAPE AGEを動かした時の、少しスモーキーになっていく感じも好きです。
上げていくとテープの帯域が古くなった方向へ変化して、高域が落ちたような質感になっていきます。
音が少し太く感じる
DIGと比べると透明な音色ではありませんが、El Capistanは音が若干太く感じました。
揺れや色が付きながら、その中からフレーズがちゃんと出てくるところが気持ちいいです。
スプリングリバーブを足すと「しみしみジューシー」になる
個人的にかなり嬉しかったのが、セカンダリーファンクションでスプリングリバーブを加えられることです。
RE-201にもスプリングリバーブが搭載されていましたが、El Capistanでもテープエコーにスプリングリバーブを組み合わせた音を作れます。
広がり方自体は割と控えめです。
でも、加えると音像がじんわりと、しみしみジューシーになる感じがあります。
あのリバーブもテープエコーの味の一つ。
RE-201/RE-150を使った経験から感じたEl Capistan
テープエコーといえばRoland RE-201などが有名です。
Roland RE-201
僕も昔RE-201やRE-150で遊んでいました。
本物のテープエコーは、テープへ録音した音を再生ヘッドで時間をずらして読み出すことで物理的にディレイを作ります。
本体の中ではテープが延々と録音・再生を繰り返していて、その過程でテープ特有の歪みや揺れが加わります。
El Capistanは、そうしたテープエコーの不安定な部分まで音作りへ取り入れたデジタルディレイです。
昔使っていた実機は大きいですし、古い機材だったので僕が持っていた個体も維持には気を使いました。結局手放してしまいましたが、今思えばちょっと惜しかったです。
本物の古い質感とは違う
当然ですが、El CapistanからRE-201そのもののビンテージ感が出てくるわけではありません。
昔の実機には、古い機材そのものが持っている独特な質感があります。
El Capistanは現代の制作で扱いやすかった
一方で、僕にはEl Capistanの方が現代の制作では扱いやすい音に感じました。
テープっぽい揺れや汚れはありながら、フレーズの抜けも残っています。
昔の音そのものが必要なら実機には実機の魅力がありますが、テープエコーらしい味を普段の制作へ取り入れるなら、El Capistanはかなり使いやすかったです。
STRYMON DIGと比べるとEl Capistanは色が濃い
同じSTRYMONのディレイでも、DIGとはかなりキャラクターが違います。
DIGはとても綺麗で透明なデジタルディレイでした。
対してEl Capistanは、少し音を汚したい時や、揺れや太さを加えたい時に使いたくなります。
STRYMON DIGの比較用サウンド実験動画
DIGの実験動画も比較用に貼っておきます。
ほぼ同じ条件で録音しています。
聴き比べると、DIGの方が音に透明感があります。
STRYMON DIGのレビューはこちら👇
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設定はかなり複雑だが普通に使うだけなら難しくない
El Capistanは、深く使おうとするとかなり複雑です。
TAPE HEADスイッチでfixed・multi・singleの3種類からテープマシンの動作を選び、MODEスイッチでそれぞれの動作を切り替えます。
さらにTAPE HEADの位置によってMODEスイッチA・B・Cの意味まで変わります。
最初はマニュアルを読まないと、何がどうなっているのかかなり分かりにくいです。
fixedなら直感的に使いやすい
fixedでは再生ヘッドを固定したまま、TIMEでテープスピードを変えてディレイタイムを調整します。
普通のテープエコーとして使うだけなら、TAPE HEADをfixedにしてつまみをぐりぐり動かしていれば十分遊べます。
基本の5つのつまみ自体は、なんとなく触っていても音の変化が分かりやすいです。
multi・singleまで入るとかなりマニアック
multiでは3つある再生ヘッドから2つを同時に使い、MODE A・B・Cによって組み合わせが変わります。
singleではテープスピードを固定し、TIMEでヘッド位置を動かす仕組みです。MODE Cまで入るとSound on Sound機能も使えます。
このあたりまで入ると、テープエコーの仕組みを分かっていた方が理解しやすいです。
El Capistanを作った人はかなりの情熱家ですね。
僕自身、全部を使いこなせているかは不明です。
細かく使いたい場合はEl Capistanのマニュアルを一度読んでおくと分かりやすいです。
Sound on Sound機能でもかなり遊べる
フットスイッチは左側がTAPです。通常のディレイでは、押すタイミングでディレイタイムを合わせられます。
TAP長押しでディレイを無限リピートできる
通常のディレイ使用時にTAPを長押しすると、その時鳴っているディレイが無限リピートになり、グルグルと音が回り続けます。
テープエコーらしい暴れ方をさせたい時にも面白い機能です。
single+MODE CでSound on Soundが使える
ループ的にフレーズを重ねたい時はTAPE HEADをsingle、MODEをCにします。
このSound on Soundモードでは録音自体は常に動いていて、TAPを1回踏むと最初の区切り、もう1回踏むと2つ目の区切りが設定され、その区間がループします。
3回目にTAPを踏むと録音内容を消去できます。
REPEATSを上げればループを長く残すことができ、その上から演奏を重ねて遊べます。
もっと本格的にルーパーを使いたいなら専用機の方が良いのかもしれませんが、El Capistanでも結構遊べました。
El Capistanをリアンプで試した
実際に音がどう変化するのか確認するため、つまみを連続的に動かしながら動画と音を録りました。
録音は、あらかじめ用意したギターフレーズを繰り返しリアンプして取り込んでいます。
リアンプでエフェクターの音を録音する手順
リアンプでエフェクターの音を録音していく手順ですが、
STEP
Logic Proにあらかじめギターフレーズを録音しておく
あらかじめLogicに元となるギターフレーズを録音しておきます
Fenderテレキャスを使用
STEP
オーディオインターフェースからラインアウトする
Logicに録音したフレーズをAIFから個別にラインアウトします
AIFはPrism Sound Titanを使用
STEP
ギターアンプを通す
エフェクター→ギターアンプに通します。
アンプはそのままラインアウトできるVOX MV50 ACを使用
STEP
再度Logicに録音する
VOX MV50 ACのラインアウトを再度AIFにインプットしてLogic Proに録音します
この方法でフレーズをリアンプしながらエフェクターの動作を確認していきます。
STRYMON El Capistan Echoのサウンド実験動画
STRYMON El Capistan Echoの実験オーディオファイル
El Capistanのコントロールと仕様
この記事で使っているのは5ノブ仕様の初代El Capistanです。初代は現在生産終了となっており、現行モデルはスプリングリバーブ専用ノブなどを追加した6ノブ仕様のEl Capistan V2です。
初代El CapistanはblueSkyやDIGと同じく、正方形に近い筐体です。
TIME・MIX・TAPE AGE・REPEATS・WOW & FLUTTER
- TIME 選択したTAPE HEADに応じてテープスピードまたはヘッド位置を調整し、ディレイタイムを変える
- MIX 原音とエコー音のブレンド具合を調整
- TAPE AGE テープの経年変化による帯域の変化を調整
- REPEATS エコーの繰り返し回数を調整
- WOW & FLUTTER テープマシンの機械的な速度変動によるピッチの揺れを調整
この5つは比較的直感的に動かせます。
TAPE HEADとMODEの組み合わせで動作が変わる
TAPE HEADはfixed・multi・singleの3種類です。
- fixed 固定した再生ヘッドを使い、TIMEでテープスピードを変更
- multi 3つの再生ヘッドから2つを同時に使用
- single テープスピードを固定し、TIMEでスライド式ヘッドの位置を変更
さらにMODE A・B・Cを組み合わせますが、MODEの意味は選んでいるTAPE HEADによって変わります。
このあたりからEl Capistanのマニアックさが一気に増してきます。
セカンダリーファンクションにも多くの設定がある
初代El Capistanには「セカンダリーファンクション」という隠れた設定があります。
BYPASSとTAPを両方押しながら各つまみを回すことで、パネルに書かれているものとは別のパラメーターへアクセスできます。
- TIME SPRING REVERB
- MIX BOOST / CUT
- TAPE AGE LOW END CONTOUR
- REPEATS TAPE BIAS
- WOW & FLUTTER TAPE CRINKLE
僕が特に気に入ったのが、TIMEつまみのセカンダリーファンクションで追加できるスプリングリバーブです。
詳しい設定はEl Capistanのマニュアルで確認できます。
ステレオ入力とEXP端子にも対応
この記事で使っている初代El Capistanは、インプットジャックは1つですがTRSフォンを使ったステレオ入力に対応しています。
この世代では、モノラル/ステレオの切り替えを内部ジャンパーで行います。
なお、2012年5月以前に製造された初期のEl Capistanには、このTRSステレオ入力機能がないモノラル入力仕様の個体もあります。
キーボードやシンセをステレオで入れる使い方もできます。
EXPジャックにはエクスプレッションペダルや外部スイッチを接続できます。

STRYMON ( ストライモン ) / Mini Switch サウンドハウス
MiniSwitchをFavorite用に設定すれば、お気に入りの設定を保存して呼び出せます。
電源とバイパス
初代El Capistanの電源は9VDCセンターマイナスで、250mA以上が必要です。
工場出荷時のバイパス方式はTrue Bypassです。
バイパス後もディレイの残響を残すAnalog Bypass with Trailsへ切り替えることもできます。
BOSSより横幅が広い
BOSSエフェクターと比べると横幅があります。
厚みはこれくらい。機能はかなり詰め込まれていますが、重量はそれほどありません。
STRYMON El Capistan Echoレビューまとめ
STRYMON El Capistan Echoは、テープエコーらしい揺れや汚れを加えながら、それでもフレーズがちゃんと抜けてくるディレイでした。
WOW & FLUTTERのうねりやTAPE AGEのスモーキーな質感も気持ちいいです。
スプリングリバーブを足した時の、じんわりとしみしみジューシーになる感じもかなり好きでした。
設定のバリエーションがかなり多いので、自分のベストポジションを探すまでは少し時間がかかるかもしれません。
ただ、どの設定でもすぐにそれっぽいテープエコーで遊べるので、全然飽きが来ません。
いじっていると、怖いくらい時間が経つのが早いです。
じっくり向き合いたいペダル。
テープエコーのぐるんぐるんする世界に没頭できます。
ポチップ
最後までお読みいただきありがとうございました!
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