STRYMON DIGの使用レビューです。
DIGはSTRYMONのデジタルディレイエフェクター。
実際に使って一番印象に残ったのは、空間エフェクトなのに音が奥まりすぎず、立体感がちゃんと出てくることでした。
2系統のディレイを組み合わせることで、薄く上品に広げるところから、華やかで複雑な空間まで作れます。
リアンプしながら音の変化を録った試奏動画と音源も作りました。
目次
STRYMON DIGを使った結論|奥まりすぎず立体感が出る
DIGを使っていて感じたのは、「こうなって欲しいな」というディレイをいとも簡単に出してくれることです。
一台の中に2系統のディレイが入っていて、それぞれを組み合わせながら空間を作れます。
空間系なのに音が奥へ引っ込みすぎず、ちゃんと立体感が残るのがたまりません。
TYPEは24/96が一番好きでしたが、12bitのジューシーな質感もかなり良かったです。
細かく追い込もうとすると機能はかなり多いですが、基本的な操作自体はそこまで難しく感じませんでした。
むしろ、どこのポジションでも良い感じになってしまうので、逆に決めきれないのがデメリットかもしれません(笑)
ポチップ
2系統ディレイで上品な立体感を作れる
DIGはデュアルデジタルディレイで、2つのディレイを同時に使って音像を作れます。
基本状態ではTIMEがDelay 1のディレイタイムを決め、TIME 2ではDelay 1に対するDelay 2の音符比率を選びます。
Delay 2は3連符、8分音符、ゴールデンレシオ、付点8分音符、付点4分音符という5種類の関係から選択できます。
さらにFree Modeへ切り替えると2つのディレイの同期が解除され、TIME 2を20ms〜1.6秒の独立したディレイタイムとして使えます。
薄くかけても空間が立体的になる
それぞれのMIXを調整しながら薄くかけると、音そのものを大きく変えずに上品な立体感を加えられます。
派手なディレイを作るだけではなく、後ろで薄く空間を支えるような使い方も気持ちいいです。
音が奥へ引っ込みすぎない
DIGで特に好きだったのが、空間エフェクトなのに音が奥まりすぎないところです。
広がりは出るのに、ギターの存在感まで一緒に遠くへ行ってしまう感じがありません。
立体感がちゃんと前に残るので、ディレイを足した時の気持ちよさが分かりやすかったです。
24/96・adm・12bitで音のキャラクターが変わる
DIGには3種類のTYPEがあります。
同じデジタルディレイでも、TYPEを変えるとかなり質感が変わります。
24/96が一番好きだった
僕が3つの中で一番好きだったのは24/96です。
めっちゃ綺麗で透明感のあるディレイ。
24bit/96kHzの高解像度なデジタルディレイをベースにしたTYPEで、DIGの「奥まりすぎず立体感が出る」という良さも特に分かりやすく感じました。
admは中間くらいの綺麗さに感じた
admは80年代初期のAdaptive Delta Modulationを再現したTYPEです。
パーカッシブでワイドバンドなディレイというキャラクターですが、実際に聴いた僕の感覚では、3つの中で真ん中くらいの綺麗さかな?という印象でした。
12bitはジューシーな質感
12bitは80年代中期の12bit PCMコンバーターを再現したTYPEで、24/96より少し暗く暖かい方向の音になります。
僕にはジューシーさがあって良かったです。
綺麗なDIGだけではなく、少し古めかしい方向へ振れるのも面白いところです。
モジュレーションとREPEATSでかなり大きく音を動かせる
DIGは綺麗なディレイだけでなく、設定を深くするとかなり大きく音を動かせます。
Deepではガッツリうねる
MODスイッチはOff・Light・Deepの3段階で、ディレイラインへ加えるモジュレーション量を切り替えます。
Deepまで行くと結構ガッツリうねうねしてきます。
薄く立体感を足す使い方とはかなり違うところまで持っていけます。
REPEATSを上げるとぐるんぐるんになる
REPEATSは2つのディレイの繰り返し量を調整するつまみです。
右へ回しすぎると、ぐるんぐるんになって破綻します。
綺麗に使うだけでなく、わざと暴れさせて遊べるのも面白いです。
TAP長押しでCircular Repeatsになる
TAPスイッチは曲のテンポに合わせてディレイタイムを設定する時に使えます。
さらにTAPを長押しするとCircular Repeatsが入り、その時鳴っている2つのディレイが一定の音量で繰り返し続けます。
僕の感覚では、シュワシュワぐるぐる鳴り続ける感じです。
TAPを離すと、それまでの設定へ戻ります。
STRYMON El Capistanと比べるとDIGは透明で華やか
同じSTRYMONには、テープエコーをモデリングしたEl Capistan Echoもあります。
こちらもかなり良かったですが、キャラクターはDIGとはかなり違います。
DIGの方が透明で、華やかな空間を作りやすい印象でした。
El Capistanはテープらしい揺れや色が加わるので、同じディレイでも使い分けができます。
録音環境はDIGと同じです。
El Capistan Echoのレビューはこちら👇
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機能は多いが基本操作はそこまで難しくない
DIGはかなり細かい設定ができるので、全部の機能を把握するまでには時間がかかります。
ただ、普通にディレイとして使う分にはそこまで難しくありませんでした。
基本のつまみやスイッチを動かすだけでも音の変化が分かりやすく、最初から十分遊べます。
セカンダリーファンクションはかなり深い
DIGにはさらに深い階層へアクセスできるセカンダリーファンクションがあります。
フットスイッチを両方押しながら各つまみを回すと、パネルにプリントされている機能とは別のパラメーターへアクセスできます。
Delay 1の音符分割、Sync/Free Mode、フィルター、2つのディレイの接続方法、Delay 2のREPEATSなどを細かく変更できます。
細かく設定を追い込みたい人にはたまらないと思います。
実際に触ってみると操作自体は難しくなかったですが、何が変わっているのか分かりにくい項目もありました。
このあたりまで使うならマニュアルはあった方が良いです。
良い音が多すぎて逆に決めきれない
色々できる分、最初は直感的に操作しにくいかも?と思っていました。
でも基本操作はそこまで難しくなく、むしろどこのポジションでも良い感じになってしまいます。
逆に「どれにするか決めきれない」のが唯一のデメリットかもしれません(笑)
DIGをリアンプで試した
実際に音がどう変化するのか確認するため、つまみを連続的に動かしながら動画と音を録りました。
録音はあらかじめ用意したフレーズを繰り返しながら、リアンプで取り込んでいます。
DTMで外部エフェクトとして使う場合にも、この方法なら同じフレーズへ設定を変えながら試せます。
リアンプでエフェクターの音を録音する手順
リアンプでエフェクターの音を録音していく手順ですが、
STEP
Logic Proにあらかじめギターフレーズを録音しておく
あらかじめLogicに元となるギターフレーズを録音しておきます
Fenderテレキャスを使用
STEP
オーディオインターフェースからラインアウトする
Logicに録音したフレーズをAIFから個別にラインアウトします
AIFはPrism Sound Titanを使用
STEP
ギターアンプを通す
エフェクター→ギターアンプに通します。
アンプはそのままラインアウトできるVOX MV50 ACを使用
STEP
再度Logicに録音する
VOX MV50 ACのラインアウトを再度AIFにインプットしてLogic Proに録音します
この方法でフレーズをリアンプしながらエフェクターの動作を確認していきます。
STRYMON DIGのサウンド実験動画
STRYMON DIGの実験オーディオファイル
実際にリアンプしてみても、奥まりすぎず立体感を作れるDIGの良さはかなり分かりやすかったです。
STRYMON DIGのコントロールと仕様
この記事で使っているのは5ノブ仕様の初代DIGです。初代DIGは現在生産終了となっており、現行モデルはTONEノブを追加した6ノブ仕様のDIG V2です。
現行V2ではTONEの追加に加えて、筐体外側のMONO/STEREO切替、USB-C、MIDIなどが追加されています。
初代DIGはリバーブのblueSkyと同じサイズ感の、正方形に近い筐体です。
ピンクのメタリックカラーです。
TIME・TIME2・MIX・MIX2・REPEATS
初代DIGのつまみは5つです。
- TIME Delay 1のディレイタイムを調整。2系統のマスタータイムとしても動作
- TIME 2 Sync ModeではDelay 1に対するDelay 2の音符比率を選択。Free Modeでは20ms〜1.6秒の独立したディレイタイムを調整
- MIX Delay 1の原音/エフェクト音のバランスを調整
- MIX 2 Delay 2の原音/エフェクト音のバランスを調整
- REPEATS 2系統のディレイの繰り返し量を調整
TYPEとMOD
TYPEスイッチでは24/96・adm・12bitの3種類を切り替えます。
- 24/96 現代的でクリーンな高解像度デジタルディレイ
- adm 80年代初期のAdaptive Delta Modulationを再現した、スナッピーでパーカッシブなディレイ
- 12bit 80年代中期の12bit PCMを再現した、少し暗く暖かいディレイ
MODはOff・Light・Deepの3段階で、ディレイラインへ加えるモジュレーション量を切り替えます。
セカンダリーファンクションでさらに細かく設定できる
両フットスイッチを押しながら各つまみを回すことで、通常とは別のパラメーターを調整できます。
- Delay 1 Subdivision Delay 1のTAPに対する音符分割を変更
- Filter フィードバック音のHigh Cut/Flat/Low Cutを調整
- Sync / Free Mode 2つのディレイの同期/独立を切り替え
- Config Series/Ping Pong/Parallelの接続方法を切り替え
- Delay 2 Repeats Delay 2の繰り返し量を個別調整
ここまで使い込むとかなり奥が深いです。
ステレオ入力とEXP端子に対応
初代DIGのINPUTは1つですが、TRSフォンを使ったステレオ入力に対応しています。
初代ではMONO/STEREOの切り替えを筐体内部のジャンパーで行います。
OUTPUTはL/Rのステレオ出力です。
EXP端子にはエクスプレッションペダル、外部TAPスイッチ、Favorite Switchを接続できます。

STRYMON ( ストライモン ) / Mini Switch サウンドハウス
Favorite Switchを使えば、お気に入りの設定を保存して呼び出せます。
電源とバイパス
初代DIGの電源は9VDCセンターマイナスで、250mAが必要です。
バイパスはTrue Bypassが標準です。
バイパス後もディレイの残響を残すTrails Mode付きのAnalog Buffered Bypassへ切り替えることもできます。
BOSSより横幅が広い
BOSSペダルと比べると横幅は大きめです。
厚みは若干薄め。筐体の重さも軽めです。
STRYMON DIGレビューまとめ
STRYMON DIGは、2系統のディレイを使って立体的な空間を作れるデジタルディレイでした。
特に良かったのは、空間エフェクトなのに音が奥まりすぎず、立体感がちゃんと出てくることです。
24/96の透明感が一番好きでしたが、12bitのジューシーな音も良かったです。
細かく使おうとするとかなり奥が深い一方で、基本操作はそこまで難しくありません。
どこのポジションでも良い感じになってしまうので、逆に設定を決めきれないのが困るくらいでした。
リアンプで使ってもかなり相性が良く、DTMの外部エフェクトとして使うのも面白いです。
ステレオでの録音も改めて試してみたいです。
ポチップ
最後までお読みいただきありがとうございました!
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