iZotopeのプラグインOzone 7 Dynamicsについての記事です。
前回Ozone7のStandardとAdvanceのパッケージ仕様の違いについて書かせていただき、「次回はOzone7の基本仕様について書きます!」と言いましたが、基本シリーズだけでDynamic EQ、Dynamics、EQ、Exciter、Imager、Maximizerと6種類もあるので、特に使い方が重要なDynamicsとDynamic EQは個別でまず記事にしようと思い分けて書かせてもうらうこととさせていただきます。
というわけで、今回はDynamicsから。
iZotpe Ozone 7 Dynamicsはマルチバンドコンプレッサー
Ozone7のDynamicsは、マルチバンドコンプレッサーになっております。
なのでまずはマルチバンドコンプレッサーとはなんぞやというところから、書かせていただきたいと思います。
マルチバンドコンプレッサーとは、通常のコンプと違い、帯域ごとに分けてコンプレッションをかける事が可能になっているエフェクトです。
例えば以前このサイトでもご紹介したWavesのR−Voxですとこんなインターフェースになっております。これは普通のコンプレッサー。
とてもシンプルです。Compというつまみを下げて行けば、コンプレッションがかかって音を均一にしてくれます。
ただ当然ながらこのシンプルさですから、低域が強く出ている音源と中域が強く出ている音源では、コンプのかかり方が変わってきます。
これも善し悪しで、このシンプルさが逆に言うとそれぞれのコンプレッサーの個性になり僕らユーザーは楽器ごとに好みのコンプを変えて楽しむという行為ができるわけですが、どうしてもあと一歩音を「詰めたい!」という時や、
更に細かく音源の粗を押さえたい!というとき、手持ちのコンプを手当たり次第挿して行くハメになりながらも最終的にうまくいかず頭を抱えて結果あきらめるしかない!という時、、、、ありますよね☚(꒪ټ꒪☚)
そういう時に『もしかしたらこいつなら、、、』という可能性を与えてくれるのがマルチバンドコンプレッサーです。
個性よりも、案パイを、、、!
音源に、現代のデジタル技術だから行なえる処理を、この仕組みが与えてくれます。
というわけで、iZotopeのDynamicsはこんなインターフェースをしております!
R-Voxにくらべるとかなり複雑ですが、比べてしまうと恐ろしく細かく音の調整を行なえるようになりますよ。
iZotpe Ozone 7 Dynamicsの使い方
それでは各セクションの使い方を見てみましょう。
まず左の上から、クロスしているマークとような部分は3つに切り替えられるようになっていますが、メーターの表示方法を切り替えるボタンです。これはお好みで。切り替えるとこんな感じで表示波形が変わります。
次に○が二つ重なっている下のStereoとM.Sは、ステレオモードとM/Sモードの切り替えボタンです。
ステレオモードは、ごくごく通常の処理モード。
M/Sモードというのは、ちゃんと書こうと思いますと、これについての記事が一本かけてしまう内容ですのでサクッと説明させていただきます。
M/SのMはMid、SはSideのことを表していて、通常のステレオですと、当然音源は中心を境に左右に別れて音が分割されていると思いますが、これを中心と左右のサイドに分けて音を処理して行くという考え方です。
、、、解り辛いですね。つまり、音源の真ん中だけ(Mid)、それか左右だけ(Side)に絞って処理をして行く事が可能になるということです。
これができると何がいいのかというと、最終的な音圧をあげるのに役立たせる事ができたりします。
例えば、最終のMix音源というのはPanでいうと真ん中に強い音が集まりがちです(Vocal、Bass、Kickなど)、なので最後のマスタリングの時に一番始めにリミッターにかかってくるのはどうしても中心部分に集まってる音たちになります。逆に言えば、サイドにPanで振っているギターやシンセなどはまだまだ音圧を上げるのに余裕がある状態とも言えます。
なのでその真ん中だけをコンプレッションで押さえて全体を更にマキシマイズさせたり、M/S処理のS処理を使ってサイドの音量を上げることで音響的な広がりを与えたりすることができたりします。
これがM/S処理の主たる効果と意義になります、、、と僕は思っています。
ただあまりやりすぎると、音の音場が狂ったりしますので、ここは好みであまりM/Sを使わないという人たちもいると思うので、臨機応変に使い分ける事が重要と言えるでしょう!
、、、というM/S処理が、このDynamicsでも行なえます。ドラムやシンセのようなステレオ素材にもかなりこの手法は使えるので、どんな挙動になるのか是非試してみてください!
そしてそして、左の大きなレベルメーターにはCompressorとLimiterのスライダーがついています。
基本的にはCompressorで音を押さえる量を管理しつつ、そこから必要であればLimiterを使うという感じが良いと思います。コンプだけじゃピークがどうしても収まらない時にリミッターの出番!という感じで。
その下のPeak、Env、RMS、というボタンはコンプレッションが音に反応する時の細かなモードで、Peakはある一定値よりも一瞬でも音が超えたら音に反応するモード。
EnvとRMSは、もっと平均的にゆるやかに音のピークに反応するモードです。
Ratio、Attack、Release、Kneeについては通常のコンプと同じ使い方ですので、こちらの記事等を参考にしてみてください。
Parallelという部分のDRYとWETのスライダーは、元の音源にたいしてどれくらいこのDynamicsのエフェクト効果を混ぜるかという部分で、これがもの凄く使えます。
例えるなら、Busに送ったトータルコンプをどのくらいセンドリターンするのかというのを、このプラグイン上で気軽に使えるのです!!
BusのセンドリターンはMixでは必須だと思いますが、地味に面倒なので、特にマルチバンドコンプレッサーのような精密な設定になってくると管理も音質変化も難しいですしこの設定ポイントはかなりのアドバンテージだと思っています。地味ですけども。
このあたりの柔軟性が、Ozoneがマスタリングソフトとして優れていると言われる部分だと思いますね。
このスライダーのおかげで、細かい調整に、さらに細かい調整を掛け合わせる事ができます!素晴らしい!!
後は主たる操作ポイントといえば、
画像が解り辛くて申し訳ありませんが、、、この波形表示部分にある紫、青、黄色、赤の山にっている部分です。
それぞれクリックしたり、カーソルを合わせて左右に引っ張る事で、各帯域(4バンドの低域、中低域、中高域、高域)のコンプレッション制御画面を切り替えたり、その帯域の幅をコントロールしたりする事ができます。
例えば低域をぎりぎりまで中域に引っ張るとこんなかんじに。
中低域の青を左右ギリギリまで広げるとこんな感じに。
まあ、こんな使い方はほぼしないと思いますが( ◠ ◡ ◠ )
こうやって各帯域を切り替え、帯域幅を調整しながらコンプレッションをそれぞれかけていくことで、通常のコンプとは全く違った調整結果にたどり着く事が可能となっております!
その上で、このOzone7の音質についての言及なのですが、はっきり言って相当良い音だと思います。
傾向としては無色透明系のプラグインですが(一応マスタリング用なので)、完全に透明という感じではなく、気持ちのいい透明さをしている気がします。
すこーしだけ良い意味で「ヌメ」っとしてるような、、、、色気を感じるんですよね(((༼•̫͡•༽)))ほんと、少しだけですが。基本透明な感じです。
なので、これは単体のトラックにもガンガン挿して行けるプラグインだと僕は思っており(CPUが許す限りですが)、とても気に入っております。
Ozone8が楽しみです!
まとめ
というわけで、今回はiZotpe Ozone 7 Dynamicsの話に終始してしまいましたが、次は残りをざっと、、、、いけたら記事にさせていただきたいとおもっております。
読んで頂きありがとうございました!
iZotope ( アイゾトープ ) / Ozone 8 Standard サウンドハウス
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