MXL R144を使ってみました。
リボンマイクというと、どうしても「高級」「古いタイプのマイク」というイメージがあります。
僕もいつか1本欲しいと思っていたのですが、MXL R144はかなり手頃。
購入当時は1万5000円弱でした。
この価格でどこまでリボンマイクらしい音がするのか。
実際にアコギを録ってみると、想像していた以上に雰囲気があります。
一聴するとハイが丸く、少しこもって聴こえる。
でも、その質感に耳が馴染んでくると、むしろこちらの方が心地良く感じてくる。
情景が見えるような、少し懐かしい音。
今回はAKG C451Bとも録り比べました。
クローズと約50cm離した位置でも録っているので、距離でどう変わるのかも聴き比べてみます。
目次
MXL R144を録音して最初に感じた音
最初に聴いた時は、想像以上に雰囲気がある音だと思いました。
ハイは丸い。
コンデンサーマイクと比べると、少しこもったようにも聴こえます。
でも、ただ高域が少ないという感じとも違う。
柔らかくて、少し古めかしい。
それでいて、妙に色気があります。
情景が見えるような、懐かしい音色。
最初は「ちょっとこもってるかな」と思うのに、一旦この質感が耳に馴染むと、むしろこちらの方が心地良く感じてくる。
面白いですね。柔らかい。
ポチップ
MXL R144とAKG C451Bをアコギで比較
実際にアコースティックギターを録音してみました。
DAWはLogic X。
オーディオインターフェースはANTELOPE AUDIO Discrete 8 Synergy Coreです。
マイクプリアンプはWARM AUDIO WA-73EQを使いました。
リズムだけLogicのループ音源を使用しています。
アコギは2トラック録音して左右へ。
トラックにはプラグインを一切かけていません。
EQもコンプもなし。
比較用に、コンデンサーマイクのAKG C451Bでも同じように録音しました。
MXL R144|クローズで録音
まずはクローズめ。
かなりリボンマイクらしい柔らかさがあります。
高域が前へ出る音ではありませんが、そのぶん独特の質感が残ります。
購入時の価格を考えると、これはかなり面白いです。
1万5000円弱とは思えない色気。
MXL R144|約50cm離して録音
こちらはマイクを約50cm離しています。
距離を取ると、R144の出力の低さがかなり分かりました。
この録音ではWA-73EQのゲインをMAXの80dBまで上げています。
音量は稼げましたが、SOLOで聴くと少しノイズも乗っています。
僕が使った範囲では、あまり距離を離すよりクローズ寄りの方が扱いやすそうでした。
AKG C451B
一方のAKG C451B。
こちらはかなりハッキリした音です。
今回かなりネック寄りにマイキングしたので、その影響もあると思います。
僕はC451Bなら、アルペジオよりストロークを録る時の音が特に好きです。
オケの中でもリズムの線がハッキリしやすい。
ポチップ
R144とはかなり方向が違います。
R144は質感。
C451Bは明瞭さ。
AKG C451Bの実機レビューはこちら👇
DTM DRIVER!
AKG C451B 実機レビュー|アコギ7パターン録音で音質・マイキング比較 | DTM DRIVER!
AKG C451Bを実機レビュー。アコギを70cm・ネック・ホール・近接など7パターンで録音し、音質やマイキングによる違いを比較。高域の出方や芯、ストロークで使った感想も紹介…
SOLO音源で違いを聴く
せっかくなので、他の音を混ぜていない裸のファイルも残しておきます。
SOLOで聴くと、リボンマイクとコンデンサーマイクの違いがさらに分かりやすいです。
MXL R144|クローズ SOLO
MXL R144|約50cm SOLO
AKG C451B|SOLO
裸で聴くと、より違いが浮き彫りになります。
C451Bは輪郭がはっきり。
R144はそこまで前へ出ない代わりに、柔らかさと独特の空気感があります。
こうやって聴き比べると、リボンマイクをもっと色々試したくなりますね。
50cm離すとマイクプリのゲインを80dBまで上げた
実際に使って一番分かりやすかった注意点は、やはり出力の低さです。
MXL R144は電源を必要としないパッシブのリボンマイクです。
クローズで録る分にはそこまで困りませんでしたが、約50cm離した時はWA-73EQのゲインを80dBまで上げました。
WA-73EQで使える最大ゲインまで上げています。
SOLO音源を聴くと、さすがに少しノイズもあります。
なので僕が使った範囲では、R144はクローズ寄りで使う方が扱いやすい印象でした。
このR144では、距離とマイクプリのゲインの取り方に少し慣れが必要だと感じました。
リボンマイクの特徴について詳しくはこちら👇
DTM DRIVER!
リボンマイクはなぜ使う?音の特徴・向いている用途・注意点 | DTM DRIVER!
リボンマイクはなぜ今でも使われるのか。実際に使って感じた「点ではなく線」「流れとしての気持ちよさ」を軸に、音の特徴、指弾きアコギや柔らかいボーカルでハマる理由、…
MXL R144は低価格でもリボンらしい質感が出た
僕が購入した当時、R144は1万5000円弱でした。
この価格なので、本体や付属品に高級感があるわけではありません。
でも、録れた音は想像以上。
ハイが丸く、柔らかい。
少し古めかしくて、曲によってはかなりハマりそうな質感です。
安いからリボンっぽさも薄い、という感じではありませんでした。
ちゃんと、このタイプのマイクを使う意味があります。
MXL R144の外観・付属品
外箱はこんな感じです。
持ってみると、結構ずっしりしています。
箱にはMogamiの表記もありました。
中にはケースが入っています。
ぶっちゃけ、ケースはちゃちいです。
ホームセンターの工具入れみたいな質感。
MXLのカタログも入っていました。
付属品は思っていたよりしっかりしています。
ショックマウントと変換ネジ。
僕が購入したものには、マイクスタンド用の変換ネジが2個入っていました。
マイクを拭くクロスと、ショックマウント用の予備ゴムまで付属。
この辺はかなり親切です。
本体もやっぱりずっしり。
価格なりの部分はありますが、実際に使うための付属品は一通り揃っていました。
MXL R144を使う時に感じた注意点
R144を実際に使って、一番気になったのはやはりゲインです。
R144は電源を必要としないパッシブのリボンマイクで、ファンタム電源は使いません。
クローズなら使いやすかったのですが、距離を離すとかなりゲインが必要でした。
約50cmでは80dBまで。
ここは普通のコンデンサーマイクから持ち替えると、かなり違って感じます。
リボンマイク全体の扱い方や注意点については別記事にまとめています。
リボンマイクの特徴についてはこちら👇
DTM DRIVER!
リボンマイクはなぜ使う?音の特徴・向いている用途・注意点 | DTM DRIVER!
リボンマイクはなぜ今でも使われるのか。実際に使って感じた「点ではなく線」「流れとしての気持ちよさ」を軸に、音の特徴、指弾きアコギや柔らかいボーカルでハマる理由、…
R144を使ってリボンマイクにハマった
R144を使ってみて、一番困ったのはリボンマイクをもっと試したくなったことです。
一本あれば十分かなと思っていましたが、完全に逆でした。
同じリボンでも、もっと上のモデルならどうなるんだろう。
そこで気になったのがRoyer R121。
ポチップ
価格帯は一気に上がりますが、リボンマイクの定番として使われているモデルです。
その後実際にR121も導入して、R144との違いまで録音して比べました。
Royer R121の録音レビューはこちら👇
DTM DRIVER!
Royer R121レビュー|定番リボンマイクの音質・特徴を実音源で比較 | DTM DRIVER!
Royer Labs R121を実際に導入してレビュー。最初はこもって聴こえた音が、聴き込むほどまろやかで存在感のある音に感じられた実体験を中心に、アコギ録音、前面と裏面の違…
まとめ|安価でもリボンらしい質感はしっかり出た
MXL R144は、購入当時かなり安価に試せたリボンマイクでした。
オールマイティーなマイクではありません。
高域を綺麗に伸ばしたいなら、C451Bのようなコンデンサーマイクの方が素直です。
でもR144には、それとは全然違う質感があります。
柔らかい。
少し懐かしい。
情景が見えるような音。
最初はこもって感じるのに、耳が馴染むとむしろ心地いい。
ハマったらどのマイクよりもヤバい。
僕にとっては、リボンマイクにハマるきっかけになった1本です。
DTMでずっと使えるおすすめマイクはこちら👇
DTM DRIVER!
DTM・宅録におすすめのマイク|初心者から長く使える定番を実使用で厳選 | DTM DRIVER!
DTM・宅録におすすめのマイクを、実際に長く使ってきた経験から厳選。AT2020、AT4040、C214、C414 XLS、TLM103、TLM49、SM57・SM58、U87、M149など、初心者からハイエンド…