ボーカル用マイクとして非常に人気があるSENNHEISER e935。
僕はこのマイクを15年近く使い続けています。
最近は予備用にトータル3本目まで購入しました。
過去にSHURE 58系からe935へ乗り換えた時の衝撃は、今でも忘れられません。
今では58の素晴らしさも十分に分かっていますが、それでもボーカルやコーラス用途ではe935を選ぶことが多いです。
特にポップス/ロック系のライブでは、声の「抜け」と「存在感」がかなり変わります。
そして見た目がよく似た兄弟機のe945も実際に使ってきました。
似ている2本ですが、音の出方も扱いやすさも結構違います。
長く使って分かったe935の音と、e945との違いをまとめます。
目次
SENNHEISER e935を15年近く使った現在の評価
e935をここまで長く使っている一番の理由は、ボーカルの存在感を出しやすいからです。
ただ高域が伸びるだけではありません。
ミッドにパンチがあり、バンドの中へ声を入れた時にしっかり前へ出てきます。
15年近く使った今でも、ポップスやロックで僕がボーカル・コーラス用のハンドマイクを選ぶなら、かなり安心して選べる一本です。
一方、兄弟機のe945は、e935よりさらに高域が抜けやすく、ミッドはすっきりした印象。
指向性も狭いので、歌い方やステージ上での動き方によってはe935の方が扱いやすいです。
e935の音質|抜けの良さとミッドのパンチが強い
リハスタでe935に声を通した時、まず感動したのが抜群な声の抜け具合でした。
僕自身の声は、男性としては少し高めですが、胸のあたりも割と鳴っているような声質です。
元々「スコーン!」と抜けるタイプではありません。
しかしe935に変えた時、見事にハイが伸びてバンドのオケの中でも埋もれなくなりました。
これはかなり驚きました。
ちなみにe935の前に使っていたのはSHURE BETA58Aです。
ポチップ
BETA58Aも普通のSM58よりかなり抜けの良いマイクですが、僕の声ではe935がさらにもう一段前へ出てくる感じがありました。
高域は抜けるがキンキンしにくい
e935は抜けが良いですが、ハイだけが強調されてキンキンする感じではありません。
この辺りが扱いやすいところです。
声の輪郭は出る。
でも高域だけが浮いて聞こえる感じではない。
ライブで長く使っていても、このバランスの良さはかなり気に入っています。
ミッドの「ジャリっ」としたパンチがロックに合う
e935を使い続けていくうちに、さらに好きになったのがミッドのパンチです。
とにかくパンチがあります。
若干「ジャリ」っとしていますが、このジャリ感がロックっぽくてすごくいい。
少しディストーションするような感覚で、マイクプリやギターエフェクターでいうドライブやブーストに近い印象があります。
声の倍音が前へ出てくるような感じです。
そのため、爆音のエレキギターの中でも声の存在感が薄れにくいと感じています。
- 自分の声がモニターしづらくて困っている
- お客さんに声が聞こえづらいと言われる
- 今よりもさらにガッツのある声にしたい
こんな場合は、e935を一度試してみる価値があります。
e935は低域にも芯があるがモコモコしにくい
ボーカルマイクなので、低域がただ強ければ良いわけではありません。
e935は腰がしっかりしながらも、僕には変なモコモコ感が少なく感じられます。
口元からマイクを少し離しても声の強さが残るので、近づきすぎずに歌いやすいです。
マイクへ口を近づけすぎたり、グリルを手で覆ったりすると低域が増えて抜けが悪くなることがあります。
e935は少し距離を取っても声の存在感が残りやすいので、僕はこの点でも扱いやすく感じています。
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e935とe945の違い|実際に使って感じた音と扱いやすさ
e935によく似た兄弟機がe945です。
見た目はかなり似ていますが、実際に使うと音の方向も扱いやすさも結構違います。
僕の感覚を先にまとめると、こんな違いです。
| マイク | 音力 | 抜け | ミッド | ロー | 指向性 | 難易度 | ダイナミクス |
| e935 | パンチあり(派手) | ◎ | 超かっこいい | しっかり | 普通 | 普通 | 大きめ |
| e945 | スタイリッシュ | はなまる! | 抑えめ | たっぷり | 狭い | 若干難しい | 均一め |
あくまで僕が実際に使った所感です。
ざっくり言えば、パンチや歌い方のダイナミクスを出しやすいのがe935。
さらに高域が抜け、すっきりした音を作りやすいのがe945です。
e945はさらに高域が綺麗に伸びる
まずe945は、e935よりさらにハイが伸びて綺麗に出てきます。
e935でもまだ抜けが足りないと感じるなら、e945の方がしっくりくることがあります。
SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / E945 ボーカル用 超単一指向性 サウンドハウス
また、僕が声を強く張った時、e935では高域に少しストッパーが入るように感じることがあります。
e945ではその感じが少なく、そのままスコーンと抜けていく印象です。
e935はダイナミクスが出やすく、e945は音量が揃いやすい
e945では、声を張った時もヒラ歌の時も音量バランスがあまり変わらないように感じます。
これをバランスが良いと取るか、ダイナミクスが減ると取るかは歌い方によって変わります。
僕の印象では、e935の方が思い切り声を張ればその分だけ大きくなり、囁くように歌えば小さくなります。
歌い方の強弱が、そのまま出音へ反映されやすい感じです。
- e935=派手でダイナミック
- e945=スタイリッシュで均一
僕の中ではこんなイメージです。
e935はミッドが強く、e945はすっきりしている
e945はe935と比べるとミッドがおとなしく、派手さも少し抑えられている印象です。
逆にe935はミッドのパンチが強い。
僕がe935をロック系で好きなのは、このミッドの存在感が大きいです。
透き通るような声ではe945が合いやすく感じることがあります。
逆に太さやパンチのある声ではe935がハマりやすい印象です。
以前の記事では「男性っぽい声ならe935、女性的な声ならe945」と書いていました。
かなりざっくりした表現ですが、音の方向としては今でもそんなイメージがあります。
e945はローがややたっぷりして聞こえる
意外だったのが低域です。
僕にはe945の方がe935より少しローがたっぷりして聞こえます。
ただ、ミッドがすっきりしているので、このローの量は嫌な感じではありません。
高域が気持ちよく抜ける一方で、下にも安定感がある。
このバランスがe945のスタイリッシュな印象につながっています。
e945はグリルが長く、口との距離を取りやすい
見た目がそっくりなe935とe945ですが、e945の方がグリルが長いです。
SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / e935 ボーカル用 単一指向性 サウンドハウス
SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / E945 ボーカル用 超単一指向性 サウンドハウス
グリルが長いぶん、口をカプセルから少し離した状態を作りやすいです。
僕はこの形状も、近づきすぎを避けやすい理由のひとつだと感じています。
昔、ハイの抜け具合にグリルがどこまで影響するのか気になり、e945へe935のグリルを付けて試したことがあります。
結果、出音の印象はそこまで変わりませんでした(笑)
少なくとも僕が試した時は、e935とe945の音の違いはグリル交換だけでは埋まりませんでした。
ポチップ
ポチップ
e945は指向性が狭く、ハンドマイクでは少し慣れが必要
e935がカーディオイドなのに対して、e945はスーパーカーディオイドです。
e945の方が収音する範囲がタイトで、マイクの軸から口が外れた時の変化も分かりやすいです。
ハンドマイクで激しく動きながら歌う場合、僕はe935の方が余計なことを考えずに使いやすいです。
ギターを弾きながらコーラスをして、顔の位置が動くような場合にもe935はかなり楽です。
一方、マイクスタンドへ固定して歌うならe945も狙いやすくなります。
e945にも交換用グリルがある
e945にも交換用のグリルがあります。
SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / 577727 E945用グリルボール サウンドハウス
e935を長く使って分かったグリルの扱いやすさ
グリルの性能がいい!
e935は58系よりグリルの臭いが残りにくかった
汚い話で恐縮ですが、スタジオ練習やライブではマイクの臭いは結構気になります。
不特定多数の人が使う共用マイクだと、歌うのがつらいくらい臭うこともあります。
自分のマイクでも、ライブでは汗をかきますし、声を張れば唾も飛びます。
だから僕はMYマイクを持つメリットはかなり大きいと思っています。
その中で長く使って気づいたのが、e935は58系に比べてグリルの臭いが残りにくかったことです。
なぜなのかは分かりません。
ただ、僕が使ってきた個体ではe935の方が明らかに臭いが残りにくく、洗うと匂いも落ちやすかったです。
使用頻度にもよると思いますが、長期使用ではかなり助かっています。
ポチップ
e935の交換グリルはSM58用より高い
とはいえ、長く使えばグリルもだんだん劣化します。
塗装も剥がれてきますし、中のスポンジも繰り返し洗っていると傷んできます。
その場合はグリルを交換できます。
SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / E935GRILL サウンドハウス
SM58にも交換用グリルがあります。
SHURE ( シュアー ) / RK143G SM58用グリルボール サウンドハウス
2026年9月に確認した時点では、e935用グリルの方がSM58用より高めでした。
消耗品まで含めると、この辺りはSM58の方がリーズナブルです。
e935の外観・付属品・サイズ
最近、予備用としてトータル3本目のe935を購入しました。
以前から使っている個体と比べると、少しデザインが変わっています。
箱です。
オープンすると新品のe935が出てきます。
保証書も付いています。
本体。
相変わらず、ずっしりとした黒い筐体がカッコ良いです。
僕が以前から持っている個体とは、下側のロゴマークも変わっていました。
専用ケースです。
こちらもデザインが変わっています。
以前から持っているケースはすでにボロボロなので、素材まで変わったのかは分かりません。
専用のマイクホルダーも付いています。
e935はSM58より持ち手部分が少し太いため、リハスタによく置いてあるSHURE系のホルダーへ入れるとかなりきついことがあります。
専用ホルダーで使う方が安心です。
作りはとても良いです。
マイクスタンドへ取り付ける変換ネジもあらかじめ装着されています。
コインで回せば外せます。
グリル部分。
兄弟機のe945と比べるとe935の方がグリルは短めです。
中のスポンジ。
長く使っていますが、このグリル周りはかなり気に入っています。
グリルを外した内部。
コイル頭頂には薄い紙のような膜があります。
僕は別の一本を長年ライブで使っていますが、どんなにぐちゃぐちゃなパフォーマンスの日でも、この膜が破れたことはありません。
SM58やSM57とサイズを比べるとこのくらい。
e935は少し長いですが、ハンドリングで困ったことはありません。
ポチップ
まとめ|15年近く使ってもe935を選び続けている
e935を15年近く使い、現在は予備を含めて3本目まで購入しました。
SHURE SM58も今では改めて良いマイクだと思っています。
それでも、僕がポップスやロックでボーカル・コーラス用のマイクを選ぶなら、e935を選ぶ場面はかなり多いです。
抜けが良い。
ミッドにパンチがある。
声の強弱も出しやすい。
そして長くライブで使っても、扱いにくさを感じません。
もっと高域の抜けが欲しく、マイクの軸をしっかり狙って歌えるならe945も面白いです。
ただ、動きながら歌ったりギターを弾きながらコーラスしたりするなら、僕はe935の方が使いやすいです。
3本目まで買ったという事実が、僕の中での評価を一番分かりやすく表している気がします。
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