ボーカル録音用のマイクって、種類が多すぎてかなり迷いますよね。
評価が高いものを選べばいいのか。
価格が高いものなら間違いないのか。
定番を選んでおけば安心なのか。
僕も最初はかなり迷いました。
その後いろいろなマイクを実際に使ってきて思うのは、ボーカル用マイクに「一番良い1本」があるわけではないということです。
素直に録りたい。
もう少し明るく抜けてほしい。
中域を濃くしたい。
少しまとまりが欲しい。
もっと広く、厚く録りたい。
欲しい方向によって、選ぶマイクは変わります。
この記事では、僕が実際に使ってきた中でボーカル録音に使いやすいと思ったコンデンサーマイクを10本、探しやすいようにおおよそ価格の低い方から紹介します。
目次
ボーカル用マイクは「価格」より欲しい声の方向で選ぶ
マイクは価格が上がれば、そのままボーカルの音が良くなっていくわけではありません。
僕が選ぶ時に見ているのは、今の録り音からどちらへ動かしたいかです。
- 素直でバランス良く録りたい
- ハイを明るくして抜けを出したい
- 中域に色気や密度が欲しい
- 少しまとまりのある音にしたい
- 音像を広く、厚く録りたい
こうやって考えると、価格だけを見て選ぶよりかなり整理しやすくなります。
僕の場合、比較するときの基準の一つになっているのがAT4040です。
長く使っていて音の出方を把握しているので、別のマイクを使った時に「AT4040より明るい」「中域が濃い」「音像が広い」と判断しやすい。
ただし、AT4040がすべての人にとって正解という意味ではありません。
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ボーカル録音におすすめのコンデンサーマイク10選
① audio-technica AT2020|低予算から始めやすい
まず低予算からボーカル録音を始めるなら、AT2020はかなり使いやすいです。
同じくらいの価格帯のコンデンサーマイクをいくつか試しましたが、僕はAT2020が一番良かったです。
クセが強すぎず、透明感がありながら芯もある。
「まず録音を始めたい」という入口として使いやすい音です。
後から高級マイクを増やしても、AT2020の役割が完全に消えるわけではありません。
Audio Technica(オーディオテクニカ)
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② RØDE NT1-A|明るくハイが前へ出る
RØDE NT1-Aは、僕が使った印象ではかなり明るい方向のマイクです。
ハイがジャリっと前へ出る感じがあり、同じRØDEのNT2-Aよりさらに明るく感じました。
ボーカルに抜けが欲しい時には、この方向がハマることがあります。
逆に、すでに声のハイが強い場合は好みが分かれやすいところ。
僕自身はNT1-AよりNT2-Aの方が好みでしたが、この明るさが欲しいならNT1-Aのキャラクターには意味があります。
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③ LEWITT LCT 440 PURE|クリアで前へ出る
もう少し現代的でクリアな方向を狙いたいなら、LEWITT LCT 440 PURE。
解像感があり、ボーカルを前へ出しやすいタイプです。
ハイの存在感もしっかりあるので、抜けが欲しい声には合わせやすい。
一方で、明るい声や録音環境によってはハイの出方を見ながら使いたいところです。
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④ audio-technica AT4040|素直な基準を作りやすい
僕の中で、ボーカル録音の比較基準としてかなり使いやすいのがAT4040です。
透明感があって、クセが強すぎない。
それでいて音が細いわけではなく、太さと存在感もあります。
何度も使ってきたこともあり、僕にとっては「このマイクよりハイが強い」「こっちは中域が濃い」と他のマイクを判断しやすい基準の一つです。
長く使う前提で最初からこのあたりを選ぶ、という考え方もあり。
Audio Technica(オーディオテクニカ)
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⑤ AKG C214|色気と音楽的な質感
AT4040とは少し違う方向が欲しい時に面白いのがAKG C214です。
僕の印象では、AT4040より少し色気がある。
透明にそのまま録るというより、声のおいしい部分を少し前へ出してくれるような音です。
音楽的な質感が欲しい時には、この違いが効いてきます。
AT4040とC214は価格帯が近くても方向が違うので、上下というより好みで選ぶ2本です。
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⑥ Neumann TLM 103|扱いやすいNeumannの定番
TLM 103は僕自身の所有機ではありませんが、友人が持っていて何度も借りて使っています。
すごく良いマイク。
僕にはNeumannらしい音を作りやすく、ボーカルでも方向を決めやすいです。
TLM 102も使ったことがありますが、僕はTLM 103の方がセッティングしやすく感じました。
「Neumannの方向へ行きたいけれど、U 87 AiやM 149 Tubeまでは必要ない」という時にも候補になります。
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⑦ AKG C414 XLS|声から楽器まで広く使える
C414 XLSは、僕が長く所有して使ってきたマイクです。
時期によっては一番使っていたマイクかもしれません。
音は上品で、レンジも広い。
それでいて扱いにくさが少なく、ボーカルから楽器まで幅広く使えます。
ボーカル専用の1本というより、歌も録りたいし、その先で楽器録音にも広げたいという人にはかなり使い所が多いです。
何年使っても出番が消えにくい。
そこがC414 XLSの強さだと思っています。
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⑧ Neumann TLM 49|中域とまとまりが強い
TLM 49は、実際に数週間集中的に使う機会がありました。
特にボーカル録音でかなり良かったです。
ハイが耳に痛くなりにくく、ミッドは強い。
ローもふくよかです。
僕には、良い意味で少しコンプされたようなまとまりを感じます。
必要な情報を自然にまとめて、ボーカルとして前へ持ってきてくれる感じ。
中域の密度とまとまりが欲しい時にはかなり面白いマイクです。
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⑨ Neumann U 87 Ai|オケの中で芯を残したい
U 87 Aiは、きらびやかな高域だけで語ると少し違うマイクです。
僕が使って強く感じるのは、ミッドがかなりしっかりしていること。
芯があるので、オケの中でもボーカルが埋もれにくい。
消そうと思ってもなかなか消えないくらい、必要な情報をしっかり持ってきます。
ボーカルに存在感を残したい時には、やっぱり強いマイクです。
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⑩ Neumann M 149 Tube|広さと厚みを両立した現在の主力
M 149 Tubeは現在、僕の主力マイクです。
音像の懐がとにかく広い。
演奏者の声をかなり鮮明にキャプチャーしながら、音の厚みも一段上に感じます。
TLM 49が必要な情報を少しまとめてくれる方向なら、M 149 Tubeはもっと広く見せる。
ボーカル録音では歌い手側からの評判も良く、モニターしやすいと言われることが多いです。
ヴィンテージ系のマイクプリとの組み合わせもかなり好き。
高価だから正解という話ではありませんが、広さと厚みを両立した方向が欲しい時には強烈な1本です。
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価格が上がればボーカルが良くなるわけではない
ここまで価格の低い方から順番に並べましたが、これはランキングではありません。
M 149 TubeがAT2020の完全上位互換、という話でもないです。
ボーカル録音は、声そのものだけでもかなり条件が変わります。
さらに曲、アレンジ、マイクとの距離、部屋、歌い方でも正解は変わる。
明るい声なら、さらにハイを出すマイクがハマることもあれば、少し落ち着いたマイクの方が馴染むこともあります。
密度のある声にU 87 Aiの強いミッドがハマる場合もあれば、もっと広く録れるM 149 Tubeが気持ち良い場合もある。
逆に、曲によってはもっとシンプルなマイクの方がしっくりくることもあります。
価格は性能を見る一つの材料ではあっても、ボーカルに合うかどうかそのものではありません。
迷ったら「今のマイクから何を変えたいか」で選ぶ
次のマイクを選ぶ時は、「もっと良いマイクが欲しい」と考えるより、今の録り音から何を変えたいのかを考える方が分かりやすいです。
例えば、AT2020からもう少しレンジを広げて、太さも欲しいならAT4040。
AT4040を基準にして、もう少し色気が欲しいならC214。
もっと明るく前へ出したいならNT1-AやLCT 440 PURE。
中域を濃くして、少しまとまりも欲しいならTLM 49。
オケの中でしっかり芯を残したいならU 87 Ai。
もっと広く、厚く、演奏の情報まで見せたいならM 149 Tube。
こんなふうに「どちら方向へ変えたいか」で考えると、価格だけで比較するよりずっと選びやすくなります。
まとめ|ボーカルマイクは価格より欲しい方向で選ぶ
ボーカル録音用マイクに、一番良い1本があるわけではありません。
素直に録るのか。
明るく抜くのか。
中域を濃くするのか。
少しまとめるのか。
広く厚く録るのか。
欲しい方向によって、選ぶマイクは変わります。
僕の場合はAT4040が比較基準の一つになっていますが、それも長く使って音を把握しているからです。
高いマイクへ順番に買い替えていくのではなく、今の基準から何を変えたいのかを見る。
その方が、ボーカルマイク選びはかなり整理しやすいと思っています。
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