久しぶりにモノホンOld Neveのモジュール、Neve 33115を手に入れました。
自分用のOld Neveを買ったのは、1272以来かなり久しぶりです。
実際にテスト配線して音を出した時、まず感じたのは懐かしい音色でした。
昔レコスタで散々聴いてきた、腰がしっかりした音です。
僕の感覚では「シルキー」というより、もっとブラウニーな音。
今回は実際に音を出した時の印象と、内部のトランスやオペアンプカードまで実物を見ながらNeve 33115をレビューします。
目次
Neve 33115の音質レビュー|腰があり、僕にはブラウニーに聞こえた
テスト配線をして、最初に音を聴いた時の感想は「懐かしい」でした(笑)。
昔レコスタで散々聴いてきた音です。
腰がしっかりしていて、ブラウニーな音色。
僕のイメージでは、シルキーというよりブラウニーな音です。ブラウニーってお菓子食べた時のような濃厚さって意味です、、。
少しいなたさもあって、二昔前のJ-POPを思い出すような質感もあります。
33115は1073とは回路構成も世代も同じではありません。
ただ、今回この個体を鳴らした時には、僕が昔スタジオで聴いてきたNeve系の音を思い出しました。
WARM AUDIO WA-73EQも僕はかなり好きです。
WA-73EQの実機レビューはこちら👇
DTM DRIVER!
WARM AUDIO WA-73EQレビュー|Neve 1073系の音質を実機検証 | DTM DRIVER!
WARM AUDIO WA-73EQを実機レビュー。Neve 1073系らしい肉厚な音質、ゲインを上げた時のドライブ感、TONE、ハイパスフィルター、3バンドEQの変化を実音源付きで検証します。
Neve 33115とは?Old Neve後期のマイク/ラインアンプモジュール
Neve 33115は、Old Neveと呼ばれる時期のマイク/ラインアンプモジュールです。
1073や1081より後の世代で、Neve 5300シリーズやMelbourneなどに搭載されていたようです。
ヴィンテージ機材を扱った「素晴らしきビンテージ機材の世界」にも33115が載っていました。
なかなか見られない機材まで載っていて、この本は面白かったです。
ポチップ
33115はRupert Neve氏が会社を去った後に作られたモジュールです。
1073はA級動作、33115はA/B級動作で、この点でも同じ回路ではありません。
1081もA/B級です。
Neve 33115をテスト配線して動作確認|ピンアウトと接続
この33115はモジュール単体で手に入れたので、まず動作確認のために自分でテスト配線しました。
-配線途中-
この時は専用コネクターを持っていなかったので、かなり慎重に直接ピンへワニグチクリップをつないでいます。
回路図も手元になかったため、元Neveの設計技術者Geoff Tanner氏が海外掲示板へ書き込んでいたピンアウト情報を参考にしました。
mic input = 1 and 2
line input = 5 and 6
pre-eq insert (link) = 7 and 8
Fader top = 15
Fader wiper = 16
Fader bottom = 17
Output = 22 and 23
+24v = 25
0v = 26
Ground = 29
最初はこの通りにつないでも音が出ませんでした。
原因を探したところ、フェーダーを使わない場合は15と16もリンクする必要があったようです。
ここをつなぐと無事に音が出ました。
Neve 33115の外観と操作部|マイク/ライン・EQ・HPF・フェイズ
1073系のマルコーニスタイルとは変わって、33115は青いノブです。
ノブの周囲は金属になっています。
モジュール本体自体も45mm→35mmと薄くなっています。
Neve 33115のマイク/ライン入力
入力はマイクとラインの2系統です。
マイクは時計回りでゲインが上がり、ラインは反時計回りで上がります。
Neve 33115のEQ・HPF・フェイズ
ハイEQは10kHz固定。
ミッド、ロー、ハイパスフィルターの周波数ポイントも1073とは少し違います。
フェイズスイッチも標準装備されています。
eqやphが小文字なのが可愛いです。
Neve 33115の内部構造|ST.IVESトランス・オペアンプ・インダクター
ここからは実際に入手した33115の内部を見ていきます。
初期のNeveモジュールとは基板の雰囲気もかなり変わっています。
古いNeveから後の世代へ移っていく、歴史の繋ぎ目を見ているような感じがします。
Neve 33115のトランス|僕の個体はST.IVES製
僕が手に入れた33115では、入力トランスにST.IVES製が使われていました。
33115には、個体によって別メーカーのトランスを使ったものもあるようです。
アウトプットトランスもST.IVES製です。
Neve 33115のEQ周辺に使われるインダクター
EQ周辺にはインダクターも入っています。
こういう部品が見えると贅沢な感じがして、たまりません。
無駄にハイEQを入れたくなります。たまりません。
Neve 33115のオペアンプカード|僕の個体はディスクリート仕様
僕の個体ではオペアンプカードがディスクリート仕様でした。
33115にはICバージョンのカードを搭載した個体もあります。
Neve 33115の基板裏側
裏!
基板のラインが整頓されすぎていない感じが良いですよね〜。
現代の基板のようにカクカクしていません。
こういうところを見ると、萌え度、親しみ、時代への愛が深まります。
ヴィンテージ機材が好きな方には、なんとなくわかってもらえるはず。
Neve 33115に使われるPHILIPSの青いコンデンサー
そしてNeveといえば、このPHILIPSの青いコンデンサー。
「素晴らしきビンテージ機材の世界」では、ここを交換すると音色が変わるという話も紹介されていました。
ヴィンテージ機材をメンテナンスする時は、こうした元の部品まで含めて考える必要がありそうです。
Neve・SSL・APIを実機で比較した記事はこちら👇
DTM DRIVER!
NEVE・SSL・APIの音の違い|実機アウトボード6系統を比較 | DTM DRIVER!
NEVE、SSL、APIを中心に、Neve 33115、Portico 511、SSL9000、API 512C、API 2500+5500、Chandler TG2-500を実機で比較。ズシッ、ムチッ、パンチ、抜けと太さなど、それぞ…
Neve 33115のラッキングは最終的に業者へ依頼
33115はモジュール単体なので、実際に使うには電源や配線だけでなくラッキングも必要です。
配線自体はDIYできますが、僕が特にやりたくなかったのが板金作業でした。
特に板金作業は個人だと難しい。
最初は自分でどこまでやるか迷っていましたが、最終的には業者さんへお願いしてラッキングまで完成しました。
Neve 33115とWarm Audio WA-73EQの音質比較は別記事へ
33115を手に入れた時から気になっていたのが、WARM AUDIO WA-73EQのようなNeve系マイクプリと実際にどこまで音が違うのかという点でした。
この比較は後から実際に行っています。
Neve 33115とWA-73EQの実機比較はこちら👇
DTM DRIVER!
Old NeveとNeveコピーの音はどう違う?33115 vs WA73EQ実機比較レビュー | DTM DRIVER!
Old Neve 33115とWarm Audio WA73EQを実機で比較。ヴィンテージNeveの渋みやざらつき、WA73EQの明るくハリのある音、EQやゲインを通した違いを音源付きで整理します。
まとめ|Neve 33115は腰のあるブラウニーなOld Neveサウンド
Neve 33115を実際に配線して音を出した時、最初に感じたのは懐かしい音色でした。
腰がしっかりしていて、僕にはシルキーというよりブラウニーに聞こえます。
内部も実際に開けてみると、僕の個体ではST.IVES製トランスやディスクリートのオペアンプカードを確認できました。
とりあえずテストではとても好印象でした。