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ミックスで音がこもる原因|低中域・EQ・録り音の見直し方

ミックス全体がこもって聴こえる時は、最初に高域を足すのではなく、低中域に音が集まりすぎていないかを確認します。

こもりは、高域不足だけでなく、低中域の重なり、不要な低域、リバーブ、音数、録り音などから生まれます。

原因を分けずにマスターEQで高域だけ持ち上げると、明るさは増えても濁りは残ります。

目次

ミックスで音がこもる時はどこから見る?

最初に見るのは、音量バランスと低中域です。

複数の楽器が同じ低中域を強く使うと、音同士が重なり、全体の輪郭が見えにくくなります。

そこに不要な低域や長い残響まで重なると、さらに濁りが増えます。

一つのEQ設定でまとめて直そうとせず、どの段階でこもりが生まれているのかを切り分けます。

まず低中域が重なりすぎていないか確認する

ミックスのこもりでまず確認したいのが、低中域の重なりです。

ギター、鍵盤、ボーカル、スネア、ベースの倍音など、低中域には多くの楽器の成分が集まります。

それぞれ単体では自然に聴こえていても、同じ帯域が複数のトラックで強く重なると互いをマスクし、全体では濁って聴こえます。

200〜500Hz付近に音が集まりすぎていないか

こもりを感じた時は、200〜500Hz付近を一つの目安として確認します。

このあたりには、ボーカルやギターの胴鳴り、鍵盤の厚み、スネアのボディ、ベースの倍音などが集まります。

複数のトラックで同じ範囲が強く出ていれば、それぞれでは適量でも、ミックス全体では低中域が膨らみます。

ただし、「こもるなら300Hzを削る」と固定しません。実際にどのトラックが重なっているのかを聴いてから動かします。

周波数マスキングの整理はこちら👇

各トラック単体ではなく全体で聴く

低中域の重なりは、トラックをソロにしただけでは判断できません。

単体では太く自然な音でも、他の楽器と重ねた時に同じ帯域が集中すれば、ミックスでは多すぎます。

ソロで気になる帯域を探すことはできますが、削る量はミックス全体へ戻して決めます。

単体では少し細く聴こえる処理でも、全体に戻すと他の楽器との境界が見えることがあります。

不要な低域が残っていると全体が曇る

低域を主に担当しない楽器にも、録音や音源には低い成分が含まれています。

必要のない低域が多くのトラックに残ると、その成分が積み重なり、キックやベースの低域まで見えにくくなります。

不要な低域が明確なら、ハイパスフィルターなどで整理します。

ただし、すべてのトラックへ同じ周波数でハイパスを入れる必要はありません。

楽器の基音や必要な厚みまで削れば、今度は音が薄くなります。どこまで残すかは、その楽器が曲の中で担当している帯域を聴いて決めます。

キックとベースの低域整理はこちら👇

高域を足す前に低中域を整理する

ミックスが暗く聴こえると、高域をブーストしたくなります。

本当に高域が不足しているなら、高域を足せば明るくなります。

一方で、低中域が多すぎて相対的に高域が弱く聴こえているなら、高域を足しても低中域の濁りは消えません。

低中域が原因なら、そこを整理することで、もともと入っていた高域が相対的に見えやすくなります。

先に高域を足すのではなく、不要な成分が全体を覆っていないかを確認してからブーストを判断します。

音数が多すぎるとEQだけでは解決しない

同じ音域で多くの楽器が同時に鳴っていると、EQだけで一つ一つを分離するのは難しくなります。

ギター、鍵盤、パッド、コーラスなどが似た音域で同じように鳴り続ければ、各トラックを削っても音の密度そのものは残ります。

この場合は、音を抜く、オクターブを変える、鳴らすタイミングをずらす、役割が重なるパートを整理するなど、アレンジ側へ戻ります。

EQで無理に隙間を作る前に、その音が同時に鳴る必要があるのかを見直した方が、少ない処理で分離できます。

音がゴチャゴチャする原因はこちら👇

リバーブが多いと輪郭が後ろへ下がる

直接音に対してリバーブ成分が大きくなると、残響の割合が増え、音は奥に下がって聴こえやすくなります。

さらに複数のトラックへ長いリバーブを多く入れると、残響同士が重なり、音の境界がぼやけます。

こもりを感じた時は、EQだけでなく、リバーブの量、長さ、プリディレイも確認します。

残響が輪郭を隠しているなら、リバーブ量や長さを調整することで直接音との境界が戻ります。

ミックスの奥行きと前後感はこちら👇

ボーカルやギターの録り音自体が暗いこともある

ミックスを始める前から素材そのものが暗いなら、その原因はEQより前にあります。

ボーカルならマイクとの距離や角度、部屋の反射、マイクの周波数特性によって録り音が変わります。

ギターでも、アンプやキャビネット、マイク位置、録音時の音作りによって中低域と高域のバランスは変わります。

すでに録音した素材なら、まずプラグインで必要な範囲を整えます。

それでも大きなEQ処理を続けなければ狙った音にならないなら、次の録音ではマイキングや録音時の音作りから見直します。

コンプで音の立ち上がりを潰していないか確認する

こもって聴こえる原因は、周波数バランスだけではありません。

アタックを速くし、立ち上がりまで大きくゲインリダクションされると、トランジェントが抑えられて輪郭が弱くなります。

その結果、周波数バランスが大きく変わっていなくても、音が丸くなり、前へ出にくく聴こえます。

コンプを外すと輪郭が戻るなら、EQを足す前にアタックやゲインリダクション量を見直します。

音が前に出ない原因はこちら👇

マスターEQだけで直そうとしない

ミックス全体がこもっている時に、マスターEQで低中域をまとめて削る方法もあります。

ただし、濁りの原因が一部のトラックに集中しているなら、マスターで削ると問題のないトラックまで同じ帯域が減ります。

まず各トラックやバスを確認し、どこで低中域が増えているのかを探します。

ミックス全体に共通して低中域が多いと判断できたなら、その段階でマスター側のEQを検討します。

こもりを直す時の確認順

どこから触ればいいか分からない時は、次の順番で確認すると原因を切り分けやすくなります。

音量バランス

まずフェーダーを確認します。低中域の多いトラックが単純に大きすぎるなら、音量を下げるだけでも全体の濁りは減ります。

ミックスの音量バランスはこちら👇

不要な低域

次に、低域を担当しないトラックへ必要のない低い成分が残っていないかを確認します。

低中域の重なり

複数の楽器が同じ低中域を強く使っているなら、どのトラックで整理するかを曲全体で判断します。

リバーブ

残響が直接音の輪郭を隠していないかを確認します。

アレンジと録り音

ここまで触っても濁りが残るなら、音数、音域、録音した素材そのものまで戻ります。

原因がミックスより前にあるなら、その段階へ戻った方が少ない処理で直せます。

ミックスのこもりは原因を分けてから直す

ミックスがこもった時に、高域を足すことだけが解決方法ではありません。

まず音量バランスを確認し、不要な低域と低中域の重なりを見ます。そのあとでリバーブ、コンプ、アレンジ、録り音まで範囲を広げます。

高域が足りないなら高域を足す。低中域が多いなら低中域を整理する。音数が原因ならアレンジへ戻る。

こもりという結果だけを見るのではなく、どこでその状態が作られているのかを分けて考えると、必要な処理が決まります。

ミックス全体の流れと基本はこちら👇

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